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貴族の宴会場だと思われていた洞窟は、追放された王が隠棲した場所だった

8世紀には追放された王の隠れ家だったことが判明した洞窟。

8世紀には追放された王の隠れ家だったことが判明した洞窟。

Royal Agricultural University

  • イギリスで、追放された王が住んでいたと考えられる洞窟の隠れ家が発見された。
  • この洞窟は、18世紀の上流階級のパーティー会場だったと考えられていたが、その歴史はもっと古いものだった。
  • 今回の発見は、王立農業大学とウェセックス・アーケオロジーの考古学者によるものだ。

イングランドのミッドランド東部を流れる川のほとりに、古代の洞窟住居がある。中世には追放された王が、そこで陰者として暮らしていたことが明らかになった。

南ダービーシャーのフォアマークとイングルビーに位置する洞窟は、内部に装飾が彫り込まれており、18世紀にイギリスの上流階級がパーティー会場として利用していたと考えられていた。

しかし新たな研究で、その起源は9世紀の暗黒時代に遡る可能性が高いことが明らかになった。

この研究の主任研究員であり、王立農業大学(RAU)の研究員であるエドモンド・シモンズ(Edmund Simons)は、プレスリリースで次のように述べている。

「ドア、床、屋根、窓などを備えた無傷の室内空間としては、おそらくイギリス最古のものになるだろう。さらに、聖人となった王が住んでいた可能性もある」

地元の伝説によると、この洞窟は聖ハーダルフ(Hardulph)に関連している。16世紀の本には「その頃、聖ハーダルフはトレント川から少し離れた崖の上に小部屋を持っていた」と書かれている。地元の民間伝承も、この洞窟にハーダルフが住んでいたと伝えている。ハーダルフは、796年から806年までノーザンブリアの王だったエアドウルフ(Eardwulf)としても知られている。

今回の研究により、戦いに敗れて王位を追われた聖人と、古代の洞窟住居との間に強い関連性があることが分かった。

「洞窟住居がサクソン様式の建築に似ていることや、ハーダルフとエアドウルフが同一人物であることを示す文書があることから、この洞窟住居は追放された王を収容するために建設された、あるいは増築されたという説の説得力が高まっている」とシモンズは述べている。

8世紀には追放された王の隠れ家だったことが判明した洞窟。

8世紀には追放された王の隠れ家だったことが判明した洞窟。

Royal Agricultural University

「この時代には、追放された王族や引退した王族が宗教的な生活を送り、神聖化され、場合によっては列聖されることも珍しくなかった。隠者として洞窟に住むことは、そのための一つの方法だったのだろう」とシモンズは述べている。

この画期的な発見は、王立農業大学に新たに設立された文化遺産研究所の考古学者たちが、考古学関連サービスを提供するウェセックス・アーケオロジー(Wessex Archaeology)と共同で行った。

[原文:An exiled English king who became a hermit saint could have been the first resident of a 1,200-year-old cave house, archaeologists believe

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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