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キャリー・ブラッドショーの最新バッグは、ステータス・シンボルが過去20年でどう変わったかを示している

キャリー・ブラッドショー

キャリー・ブラッドショーは自分のステータス・シンボルを分かっている。

Mark Mainz/Gotham/Getty Images

  • 人気ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』の続編で、キャリー・ブラッドショーはフェンディのバッグではなく、WYNCのトートバッグを持っている。
  • これは、富裕層があまりこれ見よがしでないステータス・シンボルに投資する"目立たない富"の台頭を反映したものだ。
  • WNYCのトートバッグを持つことで、キャリーは自身の文化的資本を周囲に発信している。

人気ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』の続編の製作が進む中、キャリー・ブラッドショーのバッグが再び注目を浴びている。

キャリーの最新のアクセサリーは、エルメスでもフェンディでもない。地元ラジオ局「WNYC」のトートバッグだ。

バックルの付いた、起毛革を使った、デザイナーの名前が彫られた昔のバッグからは程遠いように見えるかもしれない。『セックス・アンド・ザ・シティ』は、ブルックリンにやって来た主人公を国外追放者のように扱っていた。しかし、1998年6月6日に最初のエピソードが放送されてから時代は変わった。ブルックリンはマンハッタンよりも人気だ。キャリーのフリーランス業の報酬は1単語4ドルから聞いたことがないくらい大幅に値上がりした。ミスター・ビッグは恐らく、キャリーの最新のインスタグラムがどんな意味なのか(そして、なぜ彼女が「#girlboss」なのか)を知るために老眼鏡が必要だろう。ニューヨークの知識階級はタトゥーを入れ、自身のノートパソコンをWNYCや雑誌『New Yorker』のトートバッグに入れて持ち歩いている。

わたしたちは、キャリーのトートバッグは本当に顕示的消費の時代の終わりを告げているのか?と思わずにはいられない。

「イット」バッグの進化は"目立たない富"の台頭を反映

千年紀の変わり目に、フェンディのバゲットバッグやグッチのベルトバッグ —— どちらもキャリーの非現実的なウォークインクローゼットにあった —— を持っていることは、エリート的立場の指標だった。

こうした「顕示的消費」のようなものは産業革命以来あったもので、それが物質的なアイテムを使って自身の社会的地位を示す"成金"という新たな社会階級を生んだ。

しかし、富を誇示することはもはや裕福であることを示す方法ではない。エリザベス・カリッド・ハルケット(Elizabeth Currid-Halkett)氏の著書『The Sum of Small Things: A Theory of an Aspirational Class』によると、2007年以降、トップ1%は物質的なモノにこれまでよりもお金を使わなくなっている。代わりに、彼らは互いに「自分の文化的資本を発信」し合う、目に見えないものに投資する「人目をひかない消費」を始めているという。

「この新たなエリート層は、そのステータスを知識を得たり文化的資本を築くことで固め、それに伴う消費習慣については言及しない」とカリッド・ハルケット氏は書いている。

その上で、「あからさまな物質主義を避け、富裕層は教育、リタイア後の生活、健康により多くを投資している —— これら全ては形のないものだが、中間所得層の消費者が買うようなどんなハンドバッグよりも何倍もコストがかかる」としている。

キャリー・ブラッドショーも時代に合わせて、デザイナーブランドのハンドバッグを、お金については控えめに、知識について多くを語るトートバッグに持ち替えている(ただ、古い習慣は死なない。キャリーはフェンディのバゲットバッグに今でも執着している。ただ、それすらも彼女のビンテージ・アイテムへの評価を示すものになっていて、これは昨今のノスタルジックなY2Kファッションのトレンドとも合致する)。

WNYCのトートバッグを持ち歩くことで、キャリーは周囲のエリートたちにWNYCを聞いているということと、公共メディアを支援するために寄付していることをほのめかしている。NewYorkerのトートバッグを持ち歩くことにも同じことが言える。

New Yorkerの記事に言及するなど知識を披露することは、エリートの文化的資本を表し、社会的地位を向上させ、関係を築く力になると、カリッド・ハルケット氏は書いている。

「要するに、人目をひかない消費は社会的流動性を与えるのだ」と同氏は述べている。

格差が広がっている時代に、バーキンのバッグは廃れ、公共ラジオの支援者としての自身の美徳を伝えるステータス・シンボルが流行っているのだ。

[原文:Sex and the City's newest accessory says a lot about how status symbols have changed over the past 20 years

(翻訳、編集:山口佳美)

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