ペイディが新たに発表した「お買い物」機能。ペイディ加盟店のほか、Visaの加盟店であれば外部サイトからペイディでの支払いが可能になった。
撮影:西山里緒
ユーザーアカウント数600万超を抱える「後払い(Buy Now Pay Later)」サービス「ペイディ」は7月21日、Amazon、ユニクロ、ZOZOなど複数のECサイトから商品を選んでペイディで支払うことができる、アプリの新機能を発表した。
例えば、Tシャツを買いたいときは、ペイディのアプリを開き「お買い物」タブから「Tシャツ」を選ぶと、AmazonやQoo10、ユニクロなどのECサイトの検索結果が表示される。
ユーザー側はさまざまなECサイトを横断して最も欲しいアイテムを「後払い」で買うことができる。
「Tシャツ」で検索した時の画面。Amazon、Shoplist、Qoo10などから得られる検索結果が並ぶ。
撮影:西山里緒
ペイディは、クレジットカードや事前登録がいらず、メールアドレスと携帯電話番号があれば、わずかな時間で決済(与信)を完了できるサービスだ。コロナ禍でオンラインショッピングの需要が高まるなか、飛躍的にユーザー数を伸ばしてきた。
今までは外部サービスと連携することで「手数料無料の後払い」を実現してきたペイディだが、今回、従来の決済サービスから一歩踏み込んだ。
「買い物のプラットフォームになるための、ペイディの象徴的な取り組み」だと広報担当者はいう。
AmazonやQoo10をはじめとする70万店舗以上の加盟店で利用できるほか、6月にはApple StoreやAppleのウェブサイトにも導入された。
人気の商品、カテゴリー別などでも検索ができる。
撮影:西山里緒
今回追加された「お買い物」機能を利用できるのは、既存のペイディ加盟店に加え、Visaのオンライン加盟店も含まれる。Visaと連携することで、ユーザーにはクレジットカードに似たペイディ用の「識別番号」が(Visaから)発行される。
その番号をカード番号と同じように入力し、買い物を済ませた後で、翌月一括してコンビニ払いや口座振り替え、銀行振り込みで代金を支払う仕組みだ。
「金利が無料だから、ユーザーとしては使わない理由がない。よく誤解されるが、我々の価値は『後払い』でよく使われる『代引(代金引換)』ではない。金利を取らず、スムーズに決済をすることで(加盟店に対する)お客さまの需要を上げていくことが我々の価値。海外ではこうした動きは当たり前になっている」(ペイディ社長・杉江陸氏)
実際、海外では「Buy Now Pay Later(BNPL)」の決済手段が急速に伸びている。1月にはその先駆けとして知られる米サンフランシスコ発の「Affirm(アファーム)」が上場し、時価総額は一時、2兆5000億円まで膨らんだ。
ペイディは2008年創業。日本におけるBNPLの先駆けとなり、2021年3月にはソロス・キャピタルマネジメントなどから総額132億円(1億2000万ドル)を資金調達したと発表している。
(文・写真、西山里緒)