9つのデータで見る、東京都の感染現状【新型コロナ】

7月21日、午後9時ごろの渋谷駅前

7月21日、午後9時ごろの渋谷駅前。人は多かったが、繁華街に向かう人よりも、駅に向かう人の流れの方が多かった。

撮影:三ツ村崇志

7月21日、東京都では新型コロナウイルスの新規陽性者が、新たに1832人確認されました。1800人を超えるのは1月以来です。

4度目の緊急事態宣言が発令されてから10日が過ぎていますが、残念ながらその効果はいまだに見えていません。

7月21日の段階では、東京都が連日発表している新規陽性者数は増加を続けています。東京都の都心部における人出の減り方も、日中・夜間ともにこれまでの宣言直後と比べて鈍くなっています。

感染収束への要となるワクチンの接種が進んできたとはいえ、7月21日の段階で1度以上ワクチンを接種した人の割合は全国で約35%。東京都に限れば約33%です。集団免疫にはまだ足りません。

感染力が高いとされているデルタ株の影響なども加味すると、現状のままでは自然と感染者数が減っていくことはかなり難しいといえるでしょう。

リスクとは1かゼロかはっきりしているものではなく、少しずつ積み上がっていくものです。何か1つリスクを取る分、あらためてリスクを下げるための対策もしっかりやってみませんか?

「三密」は、できる限り避けられていますか?

人に会う時には、マスクをしっかり着用できていますか?

いつも手洗いに気をつけていますか?

感染対策の基本を振り返るとともに、東京の現状を9つのデータで冷静に見極めていきましょう。

東京の主要繁華街の滞留人口は若干減ってはいますが、過去3回の緊急事態宣言と比較すると、減り方が鈍くなっています。

人工

出典:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和3年7月21日)


東京都の新規陽性者の7日間平均は、7月20日段階で1170人。増加比は149%で、このペースで感染が広がれば4週間後には約5倍の5000人規模になる計算です。

1

出典:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和3年7月21日)


検査陽性率は上昇を続けており、7月20日には10%を超えています。

2

出典:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和3年7月21日)


感染者の6割が30代以下。40代以上は割合こそ減って見えますが、4月後半からの緊急事態宣言以降、陽性者数が最小となった6月上旬に比べて、母数となる陽性者数は倍近くに。

3

出典:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和3年7月21日)


高リスクとされる65歳以上の高齢者の新規陽性者の「割合」は減り続けています。ただし、割合は少なくても「数」はやや増加傾向にあります。

4

出典:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和3年7月21日)


新規陽性者のうち、無症状者の割合は14%程度。つまり、86%が有症状です。「若者は感染しても無症状や軽症が多い」と言われますが、ある程度の人には一定の症状が現れていると言えます。

5

出典:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和3年7月21日)


重症者の数を見ると、40代、50代が増えています。また、4月以降はこれまでほぼ見られなかった20代や30代の重症者も複数名確認されています。感染者が拡大すれば、いかに若者が重症化しにくいとはいえ、一定の割合で中等症以上の患者が現れる可能性は高いと考えられます。

6

出典:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和3年7月21日)


今後の感染者増の指標ともなる「発熱等相談件数」はピークがまだ見えず、増加を続けています。今後も感染者数の増加が予想されます。

7

出典:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和3年7月21日)


デルタ株の割合は、7月5日〜11日の段階で30%を超えました。アルファ株からの置き換わりが進んでいます。

8

最新のスクリーニング数は速報値のため、今後更新される。

出典:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和3年7月21日)


(文・三ツ村崇志

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み