イラン西部ケルマーンシャーでは、水不足に対する抗議デモが(2021年7月21日)。
RFERL/Twitter
- イランが猛暑と水不足に見舞われている。
- こうした中、地元住民は抗議デモを行い、当局はこれを厳しく取り締まっている。
- 報道によると、イランの治安部隊は実弾を使用し、少なくとも8人が死亡したという。
猛暑と水不足が続く中、イランの治安部隊はデモ参加者に実弾を発砲したと、人権団体や報道メディアが伝えている。
抗議デモは7月15日、石油資源に恵まれたフーゼスタン州で始まった。水不足は数週間にわたって続いていた。それ以降、デモは他の地域にも広がった。
Weather.comよると、26日午後のフーゼスタン州アフワーズの気温は約50度で、夜間の予想気温は約37度だった。今週は同じような気温が続く見込みだ。
アムネスティ・インターナショナルは23日のレポートの中で、治安部隊が無差別かつ殺傷力の高い武器を使用したことで、10代の少年を含む8人のデモ参加者を殺害したと報告している。衝突は今も続いているという。
「この1週間の動画と現地からの報告は、デモ参加者を追い払うために、治安部隊が殺傷力の高い自動小銃や本質的に人を無差別に攻撃するショットガン、催涙ガスを使用したことを示している」とアムネスティは伝えている。
BBCペルシャのプロデューサーで記者のハディ・ニリ(Hadi Nili)氏が先週シェアしたこの動画は、初期の抗議デモの様子を捉えたものだ:
反イラン活動家のMasih Alinejah氏がシェアした画像は、治安部隊に殺害された8人だという。
イランの国営メディアは、今回の暴動で警察官を含む3人が死亡したと報じている。死者が出たのは、扇動者のせいだと主張している。
活動家らによると、実際の死者数はもっと多く、治安部隊に非があるという。
目撃者2人はそれぞれ、先週の抗議デモで複数の人々が死亡した責任は武装警官と州の警備担当にあるとCNNに語っている。
反体制派の通信局Human Rights Activists News Agency(NRANA)は、イラン各地で少なくとも10人が死亡し、102人が拘束されたと伝えた。
深刻な干ばつは3月以来、イランの一部地域に影響を及ぼしてきた。気温が48度を超える中、デモ参加者は「のどが渇いた」と声を上げているという。抗議の声が広がるのを止めようと、当局はインターネットを遮断した。
国連のミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)人権高等弁務官は23日、デモ参加者に武力で対応するのではなく、水不足に取り組むようイラン当局に要請した。
「発砲と身柄拘束は、人々の怒りと絶望を増すだけだ」とバチェレ高等弁務官は述べた。
イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は24日、デモ参加者は責められるべきではなく、当局は水不足に取り組むべきだと話した。
「国民は不満を示した… わたしたちは国民を責められないし、彼らの問題は対処されるべきだ」とハメネイ師は語ったと、ロイターが報じた。
(翻訳、編集:山口佳美)