- インドでは、10代の少女がジーンズをはいたことで親戚男性らに棒で殴り殺された。
- ネハ・パスワンさん(17)はその服装をめぐって、親戚男性らと言い争いになった。
- 遺体は翌朝、橋に吊るされているのが見つかった。
インドで10代の少女が撲殺された。親戚男性らが少女にジーンズをはいて欲しくなかったからだ。
ネハ・パスワンさん(17)の複数の親戚男性らは、服装をめぐる言い争いからネハさんを殺害したという。
ネハさんの母親シャクンタラ・デビ・パスワンさんは、ネハさんがジーンズをはいていたのは宗教儀式のためだったと、BBCに語っている。これが自宅での言い争いにつながった。一家の自宅はインドで最も人口の多いウッタル・プラデーシュ州のデオリア地区Savreji Kharg村にある。
ネハさんの親戚たちは、ジーンズの着用は自治機関が3月に決定した規則に反しているとして異議を唱えた。この規則は男性の短パン、女性のジーンズやその他の「西洋文化」の象徴の着用を禁止し、サリーといった伝統的な服を着るよう制限している。
「祖父母が娘の服装に反対すると、娘はジーンズは着用されるために作られている、自分はジーンズをはくと言い返しました」とシャクンタラ・デビさんはBBCに語った。
ネハさんは祖父やおじたちを含む複数の親戚男性らから「棒で激しく殴られた」という。その後、彼らはネハさんを病院に連れて行くと約束し、ネハさんをリクシャーに押し込んだ。
ところが、母親のシャクンタラ・デビさんが娘の生きている姿を見たのはこれが最後だった。
「彼らはわたしが付き添うのを許しませんでした。それで、地区の病院に娘を探しに行ったわたしの親戚に連絡をしたのですが、娘は見つかりませんでした」とシャクンタラ・デビさんはBBCに語った。彼女は翌朝、娘の遺体が橋に吊るされているのを見つけた。
シャクンタラ・デビさんは、ネハさんが現代的な服を好んで着ていることを義理の両親がしばしば不満に思っていて、ネハさんに学校を退学するようプレッシャーをかけていたと話した。
現地メディアのIndia Todayによると、ネハさんの祖父は殺人容疑で逮捕、起訴されたという。しかし、オンラインメディアのAl Bawabaは、ネハさんの2人のおじは逃走中だと報じている。
この地域では、以前から女性や少女が抑圧的に扱われてきた。2013年には、55歳のインド人の母親が大学生の娘にジーンズをはくことを許したとして、近隣住民に殺害された。
インドでは以前から、カーストの異なる相手との結婚や婚前交渉を理由に女性が自身の親族によって殺害される「名誉殺人」もある。アルジャジーラによると、2019年にはインドで24件の名誉殺人が起きている。
2021年3月には、17歳の娘が交際相手と「いかがわしい体勢」にあるのを見つけたインド人男性が娘の首をはねた。ロイターによると、娘を殺害した後、男性は娘の頭部を村の警察署に持って行ったという。
(翻訳、編集:山口佳美)