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突然廃業した養子縁組のベビーライフ、東京都が実親と養子のつなぎ役へ

imamura

特別養子縁組を行う民間団体ベビーライフの廃業問題で、東京都が新たな動きに出た(写真はイメージです)。

撮影:今村拓馬

2021年4月にBusiness Insider Japanで元スタッフの証言を報じていた、特別養子縁組を行う民間団体ベビーライフの廃業問題で、つながりが断たれてしまうことが懸念されていた実親と養親・養子のやりとりについて、東京都が、情報提供等の仲介に乗り出すことが7月29日、明らかになった。

養子縁組のあっせんをする一般社団法人「ベビーライフ」が2020年7月に事業を停止し、代表(篠塚康智氏)と連絡が取れなくなったことで、ベビーライフを介して養子縁組を実行した養親・養子は、実親と接触することができなくなる可能性があった。

予期せぬ妊娠などで産みの親が育てることができないケースに対し、子どもの選択肢を広げる養子縁組。民間あっせん団体のトラブルの回収に行政が動いたことは、制度が機能していく上で、一つの前進といえそうだ。

養親からの要望、東京都が受け入れ

東京都福祉保健局によると、ベビーライフからの引き継ぎにより約350件の実親の情報を保有しており、今回、これをもとに、養親や養子に情報提供をしてもいいかや、成長記録や写真のやりとりなどの交流をしたいかなどの意向を確認し、希望する養親・養子に情報提供等をするという。

ベビーライフの元スタッフは、2021年4月には以下のように話していた。

「私たちが把握している範囲では、紙ベースの引き継ぎ資料は代表から着払いで送られているということなのですが、東京都としてはそれはベビーライフが産みの親の許可を取って集めた個人情報だから、保管することしかできないと

それでも養子が成長してから出自を知る権利を行使して将来開示請求をすることは可能かもしれませんが、適切なフォローをしていくためには他団体などに引き継ぐ等が必要だと思います」

当初、「保管することしかできない」としてきたという東京都だが、今回一転して、引き継いだ資料を元に情報提供する「リコネクション」を働きかけることになった。

背景としては、養親が東京都に情報引継ぎの要望書を出すなどしており、今回それが受け入れられた形だ。

特定の民間団体にすべての事業を引き継ぐことはしないが、養親・養子と実親の双方が交流を望む場合、東京都の意向確認と情報提供をもとに、自分たちで改めて民間団体を選ぶなどして交流することになりそうだ。

今回の東京都の決定を受け、前回取材に応じた元スタッフにコメントを求めたところ、次のような回答を得られた。

「実務は東京都では行えないので、その後のやり取りについては民間団体などに繋ぐ形になりそうですが、一番良い形で進めていただいたと思います。当初は東京都が動いてくれるとは思っていなかったので、驚きと安堵で涙が出ました」


養子縁組のあっせんをする一般社団法人「ベビーライフ」は2020年7月に事業を停止し、代表と連絡が取れなくなっていることが問題になっていた。大手メディアが相次ぎ報じ、波紋を広げた。

また同法人については「あっせん先は原則国内」との厚生労働省の指導があったにもかかわらず、半数以上が海外へのあっせんだったことで、養親の元で成長した子どもが出自について知ることに支障をきたすなどの懸念も。

ベビーライフで養子を迎え入れた養親は「(ベビーライフ)スタッフは親身になって支えてくれたが、閉業になり、産みの親とのつながりが経たれてしまった」などと不安を訴えていた。

(文・中野円佳)

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