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世界のワクチン供給マップ。アフリカに進出する中国・インド、世界に幅利かせるアストラゼネカ

表紙

REUTERS/Dado Ruvic/Illustration/File Photo、REUTERS/Dado Ruvic/Illustration/File Photo、REUTERS/Dado Ruvic/Illustration/File Photo

7月29日、東京都では新型コロナウイルスの陽性者が新たに3865人確認された。同日、全国で確認された新規陽性者は、感染拡大後初めて1万人を超えた。

東京では緊急事態宣言下でも感染が拡大し続けており、現状、着実に接種が進められているワクチンの効果が現れるのをただ待っている状態とも言える。

首相官邸によると、7月29日の段階でワクチンの総接種回数は8259万3468回。

1回以上ワクチンを接種した割合は38%。2回以上ワクチンを接種した割合は27%だ。

今後は、ワクチンの接種がまだあまり進んでいない40~50歳代にいかに早く接種を進めていけるかが重要なポイントとなる。

一部では、公的接種での使用を見送られたアストラゼネカ製のワクチン(アデノウイルスベクターワクチン)を40代、50代に接種することを検討しているとの報道もある。

アストラゼネカ製のワクチンは、ごく低確率(約10万~25万回に1回程度:参考)ではあるが血栓の発生リスクがあることから、SNS上には接種に後ろ向きな声も見られている。

しかし、世界を見渡すと、アストラゼネカのワクチンを緊急承認している国は128カ国。ファイザーやモデルナのワクチンより多いのも事実だ。

世界中のどこで、どんなワクチンが使用されているのか。

日本ではファイザー・ビオンテック製、モデルナ製のmRNAワクチンが主流となっているが、世界ではタイプの異なる様々なワクチンが緊急承認されている。

特に緊急承認をしている国が多い7種類のワクチンについて、WHOが収集したデータをもとに地図にまとめていこう。

そこから見えてくるのは、先進国と途上国のワクチン格差。そして、ワクチン受給のパワーバランスが政治化しつつある現状だ。

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出典:Flourishを用いて編集部が作成。

データをまとめた7種のワクチン(カッコ内は開発国)

・ファイザー/ビオンテック製のmRNAワクチン(アメリカ/ドイツ)

・モデルナ製のmRNAワクチン(アメリカ)

・アストラゼネカ製のウイルスベクターワクチン(イギリス)

・ガマレヤ疫学・微生物学研究所のウイルスベクターワクチン(ロシア)

・インド血清研究所(SII)のウイルスベクターワクチン(インド)

・シノバック製の不活化ワクチン(中国)

・シノファーム製の不活化ワクチン(中国)

※以下の地図データでは、7月28日段階でWHO Coronavirus (COVID-19) Dashboardに使用されているデータをもとにしている。また、アストラゼネカのワクチンが日本で使用許可が下りていても実際には接種されていないように、使用許可が出ていても必ずその国で接種しているとは限らない点に注意して欲しい。

2020年12月、世界最速で接種が始まったファイザーのワクチンは欧米、先進国を中心に115カ国で使用許可が降りている。アフリカや中央アジアでの使用許可は少ない。

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ワクチンの接種自体が始まっていない地域、情報が無い地域は緑色に塗られている。また、色がついていない領域はWHOが所属を明示していない地域だ。

出典:Flourishを用いて編集部が作成。


ファイザーに続いたモデルナのmRNAワクチンも、欧米を中心に81カ国で使用可能となっている。ただし、ファイザーのワクチン同様アフリカなどへの供給が少ない。

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ワクチンの接種自体が始まっていない地域、情報が無い地域は緑色に塗られている。また、色がついていない領域はWHOが所属を明示していない地域だ。

出典:Flourishを用いて編集部が作成。


日本では公的接種に活用されていないアストラゼネカのワクチンは、世界128カ国で使用可能だ。ただし、アメリカでは緊急承認ではなく正式承認を目指す動きがあり、使用が認められていない。

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ワクチンの接種自体が始まっていない地域、情報が無い地域は緑色に塗られている。また、色がついていない領域はWHOが所属を明示していない地域だ。

出典:Flourishを用いて編集部が作成。


ロシアでは国産ワクチンを使用。中央アジアを中心に世界57カ国に供給しており、一定の存在感を放っている。

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ワクチンの接種自体が始まっていない地域、情報が無い地域は緑色に塗られている。また、色がついていない領域はWHOが所属を明示していない地域だ。

出典:Flourishを用いて編集部が作成。


インド発のアデノウイルスベクターを用いたワクチンは90カ国に提供。アフリカへの供給で存在感を放っている。なお、この原料供給に、アストラゼネカが関わっている。

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ワクチンの接種自体が始まっていない地域、情報が無い地域は緑色に塗られている。また、色がついていない領域はWHOが所属を明示していない地域だ。

出典:Flourishを用いて編集部が作成。


中国は既に国産ワクチンを生産。シノバックのワクチンは46カ国に提供。

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ワクチンの接種自体が始まっていない地域、情報が無い地域は緑色に塗られている。また、色がついていない領域はWHOが所属を明示していない地域だ。

出典:Flourishを用いて編集部が作成。


中国のシノファームのワクチンは、アフリカや中央アジアへの提供が目立つ。

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ワクチンの接種自体が始まっていない地域、情報が無い地域は緑色に塗られている。また、色がついていない領域はWHOが所属を明示していない地域だ。

出典:Flourishを用いて編集部が作成。


(文・三ツ村崇志

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