御社は「FinOps」人材、採用していますか。クラウド導入コストで急増「支出パニック」の解決策

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アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)、マイクロソフト・アジュール(Azure)、グーグルクラウド……企業のクラウド支出は急激に増加している。

DANIEL CONSTANTE / Shutterstock.com

企業がクラウドにふり向ける予算はかつてないほどにふくれ上がっている。

専門家のJ・R・ストーメントが「スペンド・パニック」(=社内でどの部署が何のために支出しているのか不透明なまま支出規模が拡大していく状態)と呼ぶ、異常事態の一歩手前という企業も増えている。

ストーメントによれば、クラウドサービスの請求書を受け取ってその金額に驚いたなら……例えばそれが数百万ドル(日本だと数億円)だったとしたら、すぐに専門家に相談したほうがいいという。

ストーメントは、オープンソースソフトウェア技術開発支援で世界的に知られるリナックス(Linux)財団の傘下プロジェクト、フィンオプス(FinOps)財団のエグゼクティブディレクターだ。

企業におけるフィンオプス(FinOps)の重要性を説明したフィンオプス財団のショートムービー。

FinOps Foundation YouTube Offcial Channel

同財団は、企業がクラウド技術からより多くのバリューを得られるよう、ベストプラクティス(最良の手法や事例)を提供することを目指している。クラウドコストの徹底したマネジメントにより、究極的には企業の収益増大につなげるという。

フィンオプス(FinOps)……Cloud Financial Operationの略語とされる。Cloud Cost Managementと同義。企業がクラウドサービスを利用する際、利害関係者に対して財務上の説明責任が可能な形でコストマネジメントを行う考え方、あるいはそれを担う人材や役職を指す。

フィンオプスは昨今、きわめて専門性の高い仕事になりつつある。リナックス財団はITプロフェッショナル向けの認定資格やスキル習得のためのトレーニングを提供している。

フィンオプスに詳しいクラウドソリューションプロバイダーSADAのリッチ・ホイヤーは、Insiderの取材にこう語っている。

「リンクトイン(LinkedIn)のプロフィールに『フィンオプス』とさえ書き込んでおけば、職には困らなくなるでしょうね」

実際、この(クラウドコストマネジメントの)役割を担う人材の確保に動き出したのは、クラウドストレージサービスを展開するボックス(Box)のようなシリコンバレーの企業だけではない。

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