YouTube
YouTubeは、8月からYouTubeショートで短い動画を公開するクリエイターに、1億ドルの「ショートファンド」からボーナス(報酬)を支払うと発表した。
今年、YouTubeは米国在住のユーザー向けにTikTokのライバルとなりうる「YouTubeショート」をリリース。今後は、全体の再生回数とエンゲージメントによって、クリエイターに毎月ボーナスを支払うという。 クリエイターによっては、動画の報酬として、ひと月100〜1万ドルを稼ぐことが可能になる。
ショートファンドボーナスの受け取り対象となったクリエイターには、YouTubeアプリを通じて金額と申請方法が通知される(ただし、クリエイターが毎月25日までに申請しないと失効する可能性がある)。
では、どうすればYouTubeショートファンドのボーナスが手に入るのか?
以下のような最低限の要件を満たさないチャンネルは、対象外となる(オリジナルではない動画、他のクリエイターのチャンネルから再アップロードされた動画、サードパーティのソーシャル メディアプラットフォームの透かしまたはロゴを含む動画を上げているチャンネルは対象外)。
- 過去 180 日間に対象となるショート動画が少なくとも1本、チャンネルにアップロードされている
- チャンネルがYouTubeのコミュニティガイドライン、著作権ルール、収益化ポリシーを遵守している
- サードパーティのソーシャル メディアプラットフォームの透かしまたはロゴを含む動画、オリジナルではない動画(例:映画やテレビ番組の未編集のクリップ)、他のクリエイターのチャンネルから再アップロードされた動画は対象外となる
- クリエイターはイギリスやアメリカを含むいくつかの指定された国や地域に居住している必要がある
- 米国在住のクリエイターの場合、13歳以上であること
- 13~18 歳のクリエイターの場合は、親または保護者が利用規約に同意し、支払いを受け取るためにAdSenseアカウントを設定する必要がある
- 対象となるためにチャンネルが現在YouTubeで収益化されている必要はない
YouTubeによると「ボーナスを受け取るために必要な動画の視聴実績はクリエイターによって異なり(例えば視聴者の所在地など)、視聴者の所在地やショート動画を作るクリエイターの数などによっても、毎月変動する可能性がある」と言う。
YouTubeショートを見るにはモバイルアプリで「ショート」のタブを利用するか、ホーム画面の場合はショートではない動画の下にショート動画を集めたカルーセル(シェルフ)が表示される。また、登録済みチャンネルでショート動画を公開していれば、登録チャンネルのタブを開いた際にも表示される。
ショート動画をブラウズする方法はTikTokと似ている。動画はループ再生され、上にスクロールすると次の動画が見られる。
ショート動画が投稿されると、視聴者は高評価や低評価をつけたりコメントを投稿することができる。ショート動画の説明欄にはハッシュタグをつけることができ、視聴者は#shortsをクリックするとYouTubeショートのランディングページに誘導される。
YouTubeショートファンドから出るボーナス以外にも、クリエイターには広告から収入を得る道もあるが、動画がYouTubeショートのシェルフ外で視聴された場合に限られる。
YouTubeショートが公開されて以降、再生回数が伸び、チャンネル登録者数も急増したクリエイターもいると、複数のユーチューバーがInsiderの取材に明かしてくれた。
ショート動画の需要は供給を上回る勢いだ。動画解析やマーケティングを専門とするチューブラー・ラボ(Tubular Labs)の最近のレポートによれば、1月から6月までの間にYouTubeショートの再生回数が514%増えたのに対し、動画投稿は169%しか伸びていない。
今回のYouTubeショートファンドからの報酬は、YouTubeが新規視聴者の獲得、収益化、持続可能なビジネスを行えるプラットフォームであり、TikTok、Instagram、Snapchatなどに対抗できる存在だと、クリエイターに感じてもらうためのものでもある。
(翻訳:カイザー真紀子、編集:大門小百合)