グーグルのホームセキュリティー製品がついに日本に上陸する。
出典:グーグル
グーグルは8月5日、従来までアメリカを中心に展開していたホーム&セキュリティーの新製品と、付随するサブスクリプションプランを日本でも販売すると発表した。
今回、日本で発売される製品と価格、時期は以下の通り。直販サイト「Google Store」のほか、家電量販店のオンラインストアで販売される。
- Google Nest Doorbell……8月26日発売、2万3900円(税込)
- Google Nest Cam(屋内、屋外用/バッテリー式)……8月26日発売、2万3900円(税込)
- Google Nest Cam(屋内用/電源アダプター式)……今後数カ月以内に発売、1万2300円(税込)
人物や動物、車両を“端末だけ”で検知
グーグルは3つの製品を日本市場に投入する。
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グーグルのハードウェア製品はスマートフォンなどの「Pixel」シリーズ、スマートホーム製品の「Nest」シリーズなどがあり、いずれもグーグルの持つ機械学習技術が活用され、そのエコシステムの中で快適に使えるといった特徴がある。
今回の新製品もそれは同様だ。DoorbellもCamもカメラと画像処理・画像認識の機械学習結果によりさまざまなシーン検出が可能になっている。
グーグルはGoogle Nestの画像認識に関する機械学習に、4000万枚以上の画像を使用したとする。うち2500万枚以上の画像はUnityと協力した合成画像だ。
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Doorbellはバッテリー内蔵式のシンプルなドアベルだが、正面の1.3MPのカメラとマイクがついている。これにより、人や荷物、動物、車両の検出が可能。
Camの2機種の方はよりシンプルで、設置した場所の人、動物、車両を検知する。
被写体の検知は、すべてデバイス上で行われる。
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いずれの製品も、最大3時間のアクティビティーを振り返られる。被写体やシーンの判定は端末上で行われており、素早く、一定のプライバシーを保った状態で処理される。
セットアップやアクティビティーの振り返り、通知の受け取りには、Google Homeアプリを使用。Google HomeアプリはAndoridだけではなくiPhoneにも対応している。
Google Nest HubやNest Hub Maxなどがあれば、映像をスマートディスプレイでチェックできる。
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また、Google Nestのスマートスピーカーやディスプレイでは、通知を映像や音声で受け取れる(ただし、アメリカで提供されている“Andorid TV/Google TVで映像を受け取る機能”については、日本では利用できない)。
ホームセキュリティーのサブスクも一緒に上陸
Google Nest Awareには2種類の有料プランがある。
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グーグルは、これらの製品と同時にNestシリーズのサブスクリプション「Google Nest Aware」も日本で展開する。
Google Nest Awareは、月額630円/年額6300円の「Google Nest Aware」と、月額1260円/年額1万2600円の「Google Nest Aware Plus」の2種類があり、アクティビティーの記録期間や認証済みの人物の検出機能が使えるようになる。
DoorbellやCamを利用するのに必ずしもGoogle Nest Awareの契約が必要なわけではないが、より細やかなシーン検出や振り返り機能を必要とする場合は、検討するべきだろう。
特にカメラは“見守り”ニーズに対応する製品だ。
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グーグルの担当者は、新製品や新しい課金サービスを新たに日本で展開する際に「セキュリティー製品にどんなニーズがあるのか」をリサーチしたと語り、ニーズの1つに「外出中に屋内で何が起きているか、家族を見守る安心感が欲しい。子供や親、ペットまで見守りたい」ことを挙げている。
少子高齢化に加え、パンデミックによる社会的距離をとる昨今、グーグルが日本国内の潜在的な見守り需要にどこまで応えられるか注目だ。
(文・小林優多郎)