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セクハラ発言をされた時、多くの人は内心で不快に思うものの、その場で毅然と反論できる人は少ない。Q&Aサイト「Quora」のスレッドの中では、俳優のアン・ハサウェイがテレビでセクハラ発言をされた時、いかに完璧な返答をしたかが語られている。
Business Insider Japanでは、その回答をQuoraの協力を得てまとめた。
回答は、ハリウッドファンのVitmor氏が答えた内容に基づいている。
アン・ハサウェイは『レ・ミゼラブル』でアカデミー助演女優賞に輝いた。
REUTERS/Lucas Jackson
2012年、映画『レ・ミゼラブル』のプロモーション中の出来事だった。アン・ハサウェイが車から降りるとき、カメラマンがしゃがみ込み、スカートの中を盗撮した。その写真はすぐに大拡散することになる。
当然ながら、アンの目にも触れることになった。彼女が数日後に、アメリカのテレビ番組『TODAYショー』に出演し、キャスターのマット・ラウアーにインタビューされ、状況はさらに悪化することになる。
問題のインタビューは1:10〜見ることができる。
動画:The Majority Report w/ Sam Seder
番組開始直後のマットの発言:
「アン・ハサウェイさん、おはようございます、お目にかかれて嬉しいです。最近はよく目にするものですから」
アンは笑って、マットの発言の意図に気づかないふりをし、次のように言って話を逸らそうとした。
「ごめんなさいね。家にいてもよかったんですけど……映画が……」
最近アンをよく見かけるのは、映画のプロモーションのためだと聴衆に思わせようとしている。そのことに気づいたマットは、自分が何を言いたいのかはっきりさせることにした。
「はっきりとさせてしまいましょう。先日の夜、ちょっとした衣装の問題がありましたよね。何か教訓はありましたか?そんな時はどうすればいいんでしょう?そうやってニコニコする以外に。あなたはいつもただ笑ってるだけですよね?」
彼女は目を落とし、深く呼吸をして、まっすぐにこう答えた。
「ええ、あれは当然ながら、残念な出来事でした。2つの意味で私は悲しくなりました。
1つは、私たちが誰かが傷つくような瞬間に他人の写真を撮り、当たり前のこととして削除するかわりに、その写真を誰かに売ってしまうような時代に生きているということです。そしてもう1つは、私たちが決して望んでいない人達のセクシュアリティを商品として扱うような文化の中に生きているということです」
「それは今回の映画『レ・ミゼラブル』での私のキャラクターにも共通することなんですが……。彼女は自分の子どもを育てるために、セックスを売るほかなかったのです。社会的なセーフティネットも何もなく……。ええ、『レ・ミゼラブル』の話に戻りましょう」
マットはまず無知で、余計な恥ずべき質問をしたが、アンはそれを見事に切り返した。
2017年にマット・ラウアーは職場でのセクハラを理由に、NBCを解雇された。
[原文:くだらない質問をされた時、完璧な返答をした有名人はだれですか?]