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「ライバルはマクドナルド」沖縄発やっぱりステーキが都心進出。コロナ禍でも好調なワケ

沖縄発「やっぱりステーキ」の人気に迫る。

沖縄発「やっぱりステーキ」の人気に迫る。

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沖縄発の人気ステーキチェーン「やっぱりステーキ」。現在、店舗数は全国で75店舗(2021年8月現在)。コロナ禍で飲食店が苦境に立つ中でも、着実に店舗数を増やしています。8月2日には吉祥寺、蒲田に続く都内3店目となる芝大門店がオープン。東京都心では初の出店です。

今回は芝大門店のオープンを取材。「やっぱりステーキ」人気の秘密を探るとともに、「ライバルはラーメン店やマクドナルドのようなファーストフード店」と語る運営会社ディーズプランニング社長の義元大蔵氏(46)に都心進出や好調な業績の背景について聞きました。

撮影:Business Insider Japan

真夏の日差しの下、開店を待つ

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「やっぱりステーキ・芝大門店」の前には、オープンを待つ人の姿があった。

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8月2日午前10時50分、都営浅草線大門駅から徒歩2分ほど、JR浜松町駅からは徒歩7分の位置にある「やっぱりステーキ・芝大門店」。空からは真夏の日差しが降り注ぎます。絶好のステーキ日和です。

店舗前には、入店を待つ人々が密にならないよう自動で整理券を受け取れるシステムも。

整理券を受け取る人。

整理券を受け取る人。

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午前11時の開店と同時に入店。席に案内されお水を一口。ステーキへとはやる心を落ち着かせました。

注文方法はタッチパネル式を導入。コロナ対策として、対面での注文をなくす工夫です。

食べ放題のスープ、サラダも個別に配膳され、おかわりや追加メニューもこのタッチパネルで注文できます。

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注文はタッチパネル。英語や中国語など言語も選択できる。

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「どれにしようかな……新店舗のオープンだし、思い出に残るお肉を食べたいな……」

店頭にあったメニュー。

店頭にあったメニュー。

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まじまじとメニューを見ていると「肉塊 約700g ミスジ半身ステーキ」の文字が。

目を引く「肉塊 約700G」の文字。

目を引く「肉塊 約700G」の文字。

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(「な…ななひゃく…。で、でかい…」)

この店舗でも最重量の肉。お値段は4980円と少々値を張りますが、100gあたりで考えれば約711円。瞬時にタッチパネルを操作。迷わず注文しました。

豊富なソース、多彩な味変が可能に。

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テーブルにはステーキ用のソースがずらりと並ぶ。

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ふとテーブルに目をやると、ずらりと並んだ調味料とソースに驚きました。

生ニンニク、ワサビ、ニンニク味噌などの薬味系のほかステーキ用のソースもたくさん。

醤油、シークヮーサーポン酢、たんかんフルーツソース、和風甘だれ、ニンニク醤油も。さらに「やっぱりステーキ」の特徴でもある「A1ソース」が並びます。

義元社長は味のバリエーションについて「自分の“おいしい”が、誰かの“おいしい”とは限らない。いいお肉は用意しますので、ぜひお好きな味で楽しんでください」と語ります。

義元社長「A1ソースは沖縄県内では一般家庭で親しまれています」

義元社長「A1ソースは沖縄県内では一般家庭で親しまれています」

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ドレッシングも3種類と豊富。

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食べ放題のサラダ用ドレッシングはゴマドレッシングに加え、島唐辛子ドレッシング、シークヮーサードレッシングも。沖縄の風を感じる味がそろっています。

やっぱりステーキでは、これまでサラダ・スープバーを店内に設けていましたが、芝大門店は感染対策として全てバーシステムは導入せず。代わって、全てタッチパネルでの注文スタイルに変更しました。サラダ・スープ・ライスの食べ放題は従来どおりです。

肉を待っている間に、まずはサラダとスープが到着。そして、オーダーから10分ほど経ったところで……

「お待たせしました。ミスジの半身ステーキになります」

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約700グラムのミスジステーキ。大きさに圧倒される。

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店員さんが手にしていたのは、富士山溶岩石を使った石板2枚に所狭しと鎮座するミスジの半身。

「(やっぱり大きいぞ…)」

オーソドックスな「おすすめ赤身ステーキ(300g)や芝大門店限定の熟成アメリンステーキと比較すると一目瞭然のボリューム。

オーソドックスな「おすすめ赤身ステーキ(300g)や芝大門店限定の熟成アメリンステーキと比較すると一目瞭然のボリューム。

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「(いただきます…)」

生命をいただく感謝の言葉を合掌とともに心のなかで唱え、肉の中央部分に厳かな気持ちでナイフを入れました。

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レアで提供されるミスジステーキ。

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驚いたのは、その肉の柔らかさ。丁寧に周囲の筋をトリミングしたミスジ肉は全く抵抗なくスッと切れます。中はほんのりピンク色のレアでした。

いざ700gとの対戦に臨もうとすると、義元社長からおいしい食べ方のアドバイスが。

「溶岩で刻みニンニクを焼いて、そこに醤油をかけてソースをつくるとおいしいですよ」

さっそくチャレンジ。熱々の溶岩に生ニンニクを乗せ、醤油をかけます。

ジュウ〜っと心地よい音とともに、焦げたニンニク醤油の香りが漂います。

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熱々の溶岩の上でニンニクに醤油を垂らすと、いい香りが立ちのぼった。義元社長は「自分の好きな味で楽しんでほしい」と語る。

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口の中には自然とヨダレが…。

いざ、実食。

自分で作った焦がしニンニク醤油を一口大に切ったミスジ肉に絡めて頬張りました。

「(さっぱりした赤身肉に、芳醇なニンニクの香りが…。うまいぞ…)」

黙食しながら「美味しい」のポーズ。

黙食しながら「美味しい」のポーズ。

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A1ソースも試してみました。トマトケチャップやウスターソース、BBQソースに似ていますが、少し酸味が効いています。他にもテーブルにある調味料をかけ合わせれば、自分の好きな味を作り出せます。

一枚のステーキで試すことができる味の可能性は、無限大。個人的には刻みわさび+しょうゆの和風テイストが気に入りました。

「(ごちそうさまでした…)」

(「ごちそうさまでした…」)

(「ごちそうさまでした…」)

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10分ほどで700gのステーキを完食。全く飽きることなく平らげることができました。

入店受付と同じく、会計も対面ではなく自動精算できる無人レジでした。

無人レジで店員がお金に触れる機会を減らす工夫。

無人レジで店員がお金に触れる機会を減らす工夫。

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入店・オーダー・会計まで、コロナ禍での接触リスクを減らす姿勢が見てとれます。

ライバルは「ラーメン店やファーストフード店」 その真意は?

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義元社長

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ステーキを完食した後、義元社長にインタビュー。コロナ禍でも事業が好調な背景や、今後の出店戦略について聞きました。

——2020年6月に都内1号店を吉祥寺にオープンし、2021年2月には蒲田に2号店を構えました。今回、3店舗目に芝大門を選んだ理由は。都心に出店しやすい背景はありますか。

23区内でリサーチも兼ねた出店をしたいと思っていた中、ありがたいことに家賃の交渉もうまくいきましてオープンの運びになりました。

コロナ禍で場所によっては家賃が下がったり、空きテナントが増えているのを感じます。

東京23区での出店はブランドにもなりますし、全国に店舗を広げる上では広告的な意味もあると考えています。

例えば蒲田店で始めたハンバーグはお客様にも好評で、他の店舗にも広がっています。東京で流行ったものは、全国的に広がりますね。

——全国で店舗を展開していますが、好調な理由は。

とにかく「正直な商売をすること」にあると思っています。

もちろん利益は出さないといけないですが、お客様を裏切ったら、もう二度と来てもらえない。

私たちはお客様の数を増やすこと、例えば他店さんの来客数が(1日)150人だとしたら、私たちは250人ぐらい来てもらうことで利益を確保しています。

人気メニューのミスジ肉は、筋や脂をしっかり取り除いており、商品として出せるのは仕入れたうちの62%くらいです。

それでも、サラダ・スープ・ご飯のセットも付けて200グラム1000円でステーキを提供させていただいているのは、安くておいしいお肉をお出ししたいからですね。「おいしいものを、安く」が私たちのポリシーなので。

——最近はアメリカや中国で需要が高まっていることで、アメリカ産牛肉の価格が高騰しています。小売価格は維持できますか。

私たちが使うミスジ肉の仕入れ価格も、1キロあたり300円ほど値上がりしています。そこはオペレーションを軽くしたりなど、抑えられるコストを工夫して抑え、企業努力で安くておいしいステーキを提供できるようにしていきます。

——コロナの影響が広がっていますが、業績の推移は。積極的な「攻めの出店」を続けられている理由は。

本店のある沖縄県での売り上げは2割ほど減っていますが、沖縄県外は好調ですね。今年度は前々年度(コロナ禍前)と比べても、そこまで減っていません。年商40億弱ほどで黒字傾向です。

お客様にもお越しいただけており、東京でも赤字が出るほどの減少はありません。店側のオペレーションも工夫して軽くし、利益がでる仕組みがとれています。

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やっぱりステーキのHPには新店舗オープンの情報が並ぶ。

HPを編集部キャプチャ

——今後の出店計画は。

2021年7月は4店舗をオープンし、8月は芝大門店のみ。年内にあと8店舗オープン予定です。でも、今後は少し身を引き締めるためにも、出店ペースを抑えるつもりです。出せたとしても1年で20店舗ぐらいが限界かなと。大量に出店することは考えていません。

現在「やっぱりステーキ」は直営店とフランチャイズがあり、フランチャイズが50店舗ほどになります。

フランチャイズに手を挙げてくれる方はありがたいことに増えているのですが、一緒に働く人は選びたいと思っています。同じ船に乗るわけですから、同じ思いを持ってお仕事をしたい。

ただ単に店舗を増やすだけではなく、クオリティを下げてはいけません。

おいしくないお肉を出したら、3回、4回とリピーターになっていただけるはずのお客様が、1回で「やっぱりダメ。やっぱり1000円の肉だった」と、言われてしまう。

そうならないように全国各地できちんとお客様のクレームも受け止め、改善していきます。

——飲食業界は競争が激しい業界です。競合についてどのように考えていますか。

競合はステーキ店ではなく、ラーメン店だと思っています。マクドナルドさんなどのファーストフード店もそうですね。

例えばラーメンが好きな人は、1日に3食でもラーメンを食べますよね。でも、ステーキはまだそこまで行き着いていません。

「今日ステーキにしようぜ!」って軽く食べに行けるような……。皆さんがステーキを食べていただける機会を週3回、4回ともっと伸ばせたらいいなと思っています。

これまで「ステーキ=高い」「ステーキ=晴れの日の食事」という印象が強かったと思いますが、うちはこれを覆してきたと自負しています。

私自身、もともと飲食のコンサルをしていて「いきなり!ステーキ」さんが出てくる前から、独立したらステーキ店を開くと決めていました。

「いきなり!ステーキ」と間違われることもありましたが、今ではオープン初日から満席になるほど「やっぱりステーキ」の存在を知ってもらえるようになりました。

全国区になってきたからこそ、余計に責任があると感じています。沖縄のステーキ文化を発信するためにも、仕事をおろそかにしてはいけないですね。

(レポート:吉川慧、文:横山耕太郎、動画編集:小林優多郎)

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