米カリフォルニア州サンタローザにある延べ床面積1200平方フィート(約111平米)の「ADU」。
Candy Cheng/Insider
「ADU(Accessory Dwelling Units、付属住居ユニット)」が、カリフォルニア州はじめ全米各地に広がっている。
ADUは、住宅所有者がユニット単位で購入し、敷地内に設置して追加の居住スペースとするもの。
もともとは年老いた両親に(子どもが暮らす家の)そばで安心して暮らしてもらう選択肢として注目され、近年はそれ以外にもさまざまな用途に使われている。
このADUを活用したビジネスを展開するスタートアップ「ヴィラ(Villa)」は、ピーター・ティールとマーク・アンドリーセンが出資するベンチャースタジオ「アトミック(Atomic)」から1500万ドル(約16億5000万円)を調達し、ステルスを脱したばかり。
ジェームズ・コノリー最高経営責任者(CEO)に取材したところ、同社の提供するADUは市場に出回っている他社のそれとは一線を画するものなので、ぜひ使ってみてほしいという。
そんなわけで、筆者は実際に一泊して試してみることにした。
ある日の昼下がり、ヴィラのハイグレードADUが敷地内に設置された、カリフォルニア州サンタローザのショールームを訪ねた。
まる1日をADUで過ごしてみたが、夕食をつくったり、焚き火台の傍らで読書したり、入浴したり、記事を書いたり、快適に過ごすことができた。
友だちを何人か呼んで一緒にこのADUを探検してみようかと考えるほど、たくさんの部屋が広がっていた。
結論として言えるのは、ヴィラはじめ最近のスタートアップが提供するADUは、かつての「お祖母ちゃんが暮らす離れ」とはまったく別モノということ。誰にとっても広々、モダンで快適、なおかつ手ごろな価格の住宅と言える。
それでは、現地現物を見てみよう。
ADUは、住宅所有者の敷地内に設置できる独立した居住空間のこと。
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これがADUのエントランス。第一印象?「お祖母ちゃんが暮らす離れ」より全然大きい。
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ADUの室内。広々としたリビングルームと奥にキッチン。
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このADUは敷地内にある800平方フィート(約74平米)の母屋より大きく、1200平方フィート(約111平米)ある。
ただし、ヴィラが提供するすべてのADUがこのように広く、内装まで完璧にしてあるわけではない。購入希望者のニーズや希望に合わせてカスタマイズできるようになっているからだ。
フルサイズの冷蔵庫やキッチン用品が充実。
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ADUに入って最初にやったのは、冷蔵庫を開けて、持参した食料品を詰め込むこと。
食器棚のなかに、皿など夕食に必要がきちんと入っているかどうか確認。
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キッチン全体を別の角度から。手前は持ち込んだ仕事道具一式。
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ADU宿泊日の午前中はここで仕事。何もかもうまくいっていたのに、途中でインターネットが使えなくなり、仕事を続けるために一度家に帰らなくてはいけなくなってしまった。
私が寝た第1寝室。
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驚くほど広く快適。クローゼットも大容量。携帯電話やノートパソコンを一晩中充電できるコンセントが増設されていた。広々とした3つのベッドルームのうちの1つがこの部屋。
第2寝室。第1寝室から廊下を歩いてすぐ。
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2つあるバスルームの1つ。
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もう1つのバスルーム。第1寝室と廊下でつながっている。
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バスルームで自撮り。サンタローザの高級ADUに一晩泊まった記念に。
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寝室のパティオの目の前にはボッチャコートが。
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裏庭は母屋との共有部。焚き火台とグリルがある。
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ディナータイム!ポークチョップを調理してグリルを試してみることに。
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でき上がったポークチョップ。日本の枝豆ご飯を添えて。
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ADUショールームのオフィス。10種類の間取りから選べる。
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最も狭いのは、延べ床面積450平方フィート(約42平米)1ベッドルームのユニットで19万9000ドル(約2190万円)。最も広いのは1200平方フィート(約111平米)3ベッドルームのユニットで30万9000ドル(約3400万円)。
フローリングやカウンター天板を何種類か選べる。ショールームにはサンプルも用意。
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お客さま自身がそれぞれにADUをカスタマイズできるソフトウェアを提供することで、ヴィラは競合他社との差別化を図ってきたという。
(翻訳・編集:川村力)