- この記事はインサイダー・インテリジェンスによる調査レポート「保険業界におけるチャットボット活用(Chatbots in Insurance Playbook)」のプレビュー版。
進む保険業界のチャットボット活用
既存の保険会社はチャットボット技術を活用することで、受け身の顧客対応からの脱却を図り、カスタマー・エンゲージメントをビジネスモデルの最前線に位置付けようとている。
顧客の意図を読み取り、自然なやり取りができるチャットボットは「機械学習」や「自然言語処理」などの技術によって可能となっている。
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カスタマー・エンゲージメントに関して、保険業界は他の金融サービスに大きく遅れをとってきた。だが近頃の保険会社はチャットボット技術を活かしながら、顧客とより頻繁に、状況に応じたきめ細やかなコミュニケーションを取るための体制を整えている。
「オートメーション」「機械学習」「自然言語処理」などの技術の進歩によって、人間の担当者と遜色ない対応ができる会話型アシスタントが生まれており、ボットがスタッフに完全に取って代わることが可能になっている。
チャットボット技術は「保険商品の提案」「管理業務」「保険請求処理」を含む、保険分野のあらゆる領域を変革する可能性を秘めている。
3社のケーススタディから市場を予測する
調査レポート「保険業界におけるチャットボット活用」では、インサイダー・インテリジェンス独自のDX成熟度モデルを提示。保険会社はこれを用いて自社のチャットボット活用の成熟度を測定できる。
本レポートではさらに、チャットボット技術を導入して改革に取り組む3社の保険会社の事例を紹介。改革のさまざまな段階にある3社のケーススタディは、成熟度モデルに沿って改善を目指す企業の参考となるだろう。最後に、チャットボット技術が世界の保険業界にもたらす可能性を市場予測を通して示し、コスト削減という点においてこの技術が持つ潜在的な威力について解説する。
DX成熟度モデル:保険業界におけるチャットボット活用。
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本レポートのキーポイント:
- 3社の事例を紹介するケーススタディでは「顧客満足度の向上」「顧客対応業務の時間短縮」「各種取引や処理にかかる時間の短縮」など、チャットボット技術の可能性について解説する。
- インシュアテック(ITを活かした保険会社、フィンテックの保険版)のレモネード(Lemonade)は、カスタマーサービス業務を人間でなくボットに担わせたいと考えていた。しかし、そうすることでユーザーエクスペリエンスや信頼性の低下を招くのは避けねばならなかった。
- レモネードは、人間の担当者と同じように顧客と対話をしながら、複雑な問題を迅速に解決するチャットボット・ソリューションを開発した。
レモネードの従業員向けボット「クーパー」は、バックオフィスのオペレーションを管理。
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- チューリッヒ保険会社の英国法人(Zurich UK)は、ホワイトラベルのチャットボットを提供する企業Spixiiと組み、それまで限定的だったデジタルサービスを拡張。顧客が速やかに保険請求をできるようにした。
- 「いつでも繋がることのできる、デジタルチャンネルからの保険請求を可能にしてほしい」という顧客ニーズに対し、チャットボットが有力なソリューションであるとチューリッヒは認識していた。だが、オンラインとオフラインの双方で一貫した顧客体験を提供する必要があった。
- フューチャーゼネラリ・インド生命保険(FGILI :Future Generali India Life Insurance)のスタッフは、増え続ける既存顧客からの電話対応に追われていた。ビジネスを拡大していく上で、顧客対応の方法を変える必要があった。
- FGILIは、Reva(Robotics Enabled Virtual Assistant)と呼ばれるチャットボット・ソリューションを導入。ベーシックな機能からより複雑な機能まで幅広く備えるこのソリューションによって、優れたカスタマーエクスペリエンスを維持しながら、事業の成長のために必要なマンパワーを確保した。
本レポートの完全版では:
- インサイダー・インテリジェンスが独自に作成した「DX成熟度モデル:保険業界におけるチャットボット活用」を提示。保険会社はこれを参照しながらカギとなる項目ごとに自社の強みと弱みを把握できる。
- 3つのケーススタディを通して、実際の保険会社がどのようにチャットボット技術を使って業務プロセスやカスタマー・エンゲージメントを変革しつつあるのかを紹介する。
- チャットボット技術が世界の保険業界にもたらす可能性を市場予測を通して示し、コスト削減という点においてこの技術が持つ潜在的な威力について解説する。
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(翻訳・野澤朋代)