サムスンは新型スマホ「Galaxy Z Fold3」(写真右)と「Galaxy Z Flip3」(左)を発表した。
出典:サムスン
サムスンは8月11日、新型折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold3」「Galaxy Z Flip3」を発表した。
日本についてのアナウンスは現時点ではないが、アメリカやヨーロッパ、韓国ではいずれも8月11日から予約開始、27日に発売。アメリカ版の価格は以下の通り。
- Galaxy Z Fold3(横開き型)……1799.99ドル(約19万9900円)
- Galaxy Z Flip3(縦開き型)……999.99ドル(約11万1000円)
ついにペン・防水対応を果たした「Galaxy Z Fold3」
Foldは開けば大画面。さらにペンも使えるようになった。
出典:サムスン
サムスンの横開き型の折りたたみスマホとしては3世代目となる「Galaxy Z Fold3」は、本体の軽量・薄型化、防水対応、ペン対応の3つの部分で進化を遂げている。
Z Fold3はZ Fold2に比べて、閉じている時の厚さは約0.8mm(開いている時は約0.5mm)、高さは約1mm、幅は約0.9mm小さく、重量は9g軽い271g。
一方で、堅牢性もZ Fold2より強化されており、本体にはアーマーアルミニウムを採用し、前世代機より10%堅牢。防水性能も真水に水深最大1.5m、最大30分間沈めても故障しづらいIPX8相当に対応している。
Z Fold3のカラーバリエーションは、ファントムグリーン、ファントムブラック、ファントムシルバーの計3色。
出典:サムスン
メインディスプレイは7.6インチ、閉じた時に使えるカバーディスプレイは6.2インチとZ Fold2から大きさに変わりはないが、メインディスプレイはゲームなどに最適な120Hzの高速描画に対応する。
また、開いた際の正面カメラは前世代機までは画面の内部にカメラが入り込んでいる「パンチホール式」を採用していたが、Z Fold3ではディスプレイ下に配置してカメラ穴が隠されている「アンダーディスプレイカメラ」が採用。画面の没入感がより増すことになる。
開いた際にディスプレー上部にあった正面カメラは、画面下に隠されている。
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専用のペンである「S Pen」については、2種類のペンを用意する。1つは「S Pen Pro」でこれまでのNote/Tabシリーズなどに採用されているBluetoothを使ってペアリングをするバージョン。ペンを使ってカメラのシャッターを切るなど、ジェスチャー操作が可能。
もう1つは「S Pen Fold Edition」と呼ばれ、S Pen Proより軽く、細く、そしてBluetoothペアリングは不要のバージョン。こちらはZ Fold3専用のペンとなっていおり、Bluetoothの必要なジェスチャー操作はサポートしない。
なお、NoteシリーズのようにS Penの格納スペースは本体にはない。ただし、S Penをしまえる純正ケースが存在する。
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なお、スペックは販売する国や地域によって異なるが、CPUがサムスン製の5nmプロセスを使った64ビットオクタコアのものを採用。メモリーは12GB、ストレージは256GBもしくは512GBとなっている。
折りたたみ時の使い勝手が向上した「Galaxy Z Flip3」
カバーディスプレイや防水性能が強化されたZ Flip3。
出典:サムスン
一方で、縦開きの「Galaxy Z Flip3」も、同Z Flip、Z Flip 5Gに続く実質3世代目の製品。
だが、FlipからFlip 5Gへの差が、5G対応などマイナーバージョンアップだったのに対し、Z Flip3は外観的にも非常に大きな進化を遂げている。
大型化したカバーディスプレイでは、セルフィー用に使うなど、さまざまな新機能が搭載されている。
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特に目を引くのが折りたたみ時に使えるカバーディスプレイだ。Z Fold3と違い、Z Flip3のカバーディスプレイは小窓のような印象だ。
ただ、Z Flip3はZ Flipと比べてこの小窓が1.1インチから1.9インチに大型化。以前は文字を一行程度し表示できなかったが、Z Flip3では消音のオンオフなどのクイック設定や通知の確認、音楽など再生時のアートワーク、曲名、アーティスト名の表示+再生コントロールなどが可能になっている。
Z Flip3の基本のカラーバリエーションは、クリーム、ファントムブラック、グリーン、ラベンダーの4色。
出典:サムスン
加えてZ Fold3同様、Z Flip3はメインディスプレイの120Hz描画対応やIPX8相当の防水対応も果たしている。
なお、スペックについてはCPUがサムスン製の5nmプロセスを使った64ビットオクタコアのもの、メモリーが8GB、ストレージは128GBもしくは256GBとなっている。
折りたたみスマホ市場は「指数関数的に成長」
サムスンはアメリカのStrategy Analyticsの調査結果を引用し、世界のフォルダブルスマホ市場に関して「指数関数的に成長を遂げている」と分析。
同調査によると、2021年の市場規模は2020年と比べると約3倍にもなる650万ドル(約7億1950万円)に到達。2025年には1億1720万ドル(約129億7310万円)に成長すると予測している。
例年であれば、この時期にビジネスパーソンなどに人気のペン付き大型スマホ「Galaxy Note」シリーズを発表する同社。しかし今回は折りたたみのみで、さらにFoldをペン対応にするなど、フォルダブルスマホの将来に大きな期待をしているようだ。
(文・小林優多郎)