被害はさらに拡大する可能性も… ハイチ大地震で少なくとも1297人が死亡、5700人が負傷

被害状況

地震で倒壊した自宅の前で朝食を取る一家(2021年8月15日、レカイ)。

(AP Photo/Joseph Odelyn)

  • カリブ海の島国ハイチで8月14日(現地時間)、マグニチュード7.2の大地震が発生した。
  • ハイチ当局はこの地震で少なくとも1297人が死亡、5700人が負傷したとしている。
  • ハイチは2010年に発生したマグニチュード7.0の大地震からの復興を進めている最中だった。

ロイターによると、マグニチュード7.2の大地震が発生したハイチでは少なくとも1297人が死亡、5700人が負傷したと、現地当局が発表したという。

14日に発生したこの地震で自宅を失った住民は、病院の庭やサッカー場などで一晩を過ごさなければならなかった。

被災者

サッカー場で一晩を過ごした子どもたち(2021年8月15日、レカイ)。

(AP Photo/Joseph Odelyn)

アメリカ地質調査所(USGS)によると、地震は午前8時30分頃にサン・ルイ・デュ・シュッドから北東およそ12キロ、首都ポルトープランスからは西に145キロ以上離れた場所を震源として発生した。

その20分後には、マグニチュード5.2の揺れが島を再び襲った。

ソーシャルメディアに投稿された動画は、建物が倒壊する様子や地震に動揺する住民の様子などを示している。

USGSは「多くの犠牲者が出る可能性が高く、被害は広範囲に渡るだろう」と見ている。

この地震の揺れはキューバやジャマイカでも感じられた。

ロイターによると、アメリカの津波警報システムは地震直後に津波警報を出したが、すぐに解除した。

AP通信によると、ハイチのアリエル・アンリ首相は1カ月の非常事態宣言を出し、一部の町は壊滅状態だと明らかにした。

「一番重要なことは、がれきの下からできるだけ多くの生存者を救出することだ」とアンリ首相は述べた。

「現地の病院 —— 特にレカイの病院 —— は、負傷した人々でいっぱいだと聞いている」

ホワイトハウスは14日夜の声明で、バイデン大統領が「アメリカの早急な対応」を決定し、国際開発庁(USAID)のサマンサ・パワー(Samantha Power)長官をその責任者に任命したとコメントしている。

「USAIDを通じ、わたしたちは被害状況を評価し、復旧に向けた取り組みを支援する」という。

ハイチは2010年の大地震からの復興の途中

ハイチでは2010年にもマグニチュード7.0の大地震が発生し、22万~30万人が死亡した。

ドミニカ共和国とひとつの島に共存するこのカリブ海の貧しい国は、今も2010年の大地震からの復興の途中にある。2010年の大地震の後、52回の余震があったことからも、今回の大地震で最終的にどのくらいの被害が出るのか、まだ分からない部分もある。

国連は2017年、ハイチでは250万人が7年前の大地震の影響で引き続き支援を必要としていると指摘した。

国連人道調整官のムラド・ワフバ(Mourad Wahba)氏は当時、ハイチが直面し続けてきた"痛ましい課題"を挙げた。

「今でも、およそ5万5000人の人々が仮設テントなどにいる」とワフバ氏は指摘した。

「多くの人々が今も、地震によって住む家を失ったせいで、不衛生な環境で生活している。非常に長い道のりが待っている」

2018年には、マグニチュード5.9の地震が発生し、18人が死亡した。

ハイチでは7月にモイーズ大統領が自宅で暗殺されていて、今回の大地震は政治的な混乱の中で発生した。

[原文:1,297 are dead and 5,700 injured after a 7.2-magnitude earthquake - more powerful than the catastrophic quake of 2010 - hit Haiti

(翻訳、編集:山口佳美)

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