タリバンの旗。
AP Photo/Gulabuddin Amiri
- タリバンは大統領官邸でアフガニスタンの国名変更を宣言しようとしている。
- タリバンの幹部は「アフガニスタン・イスラム首長国」を宣言すると述べた。
- 1996年から2001年までも同じ国名だったが、当時タリバンによる政権を承認していたのは、ほんの一握りの国だった。
タリバンはカブールの大統領官邸で「アフガニスタン・イスラム首長国」も樹立を宣言すると、タリバンの関係者が8月15日に発表した。
AP通信によると、この関係者は報道機関への発言を許可されていないため、匿名を条件に語ったという。
1996年から2001年まで、タリバンは同じ名前でアフガニスタンを支配していた。しかし、この政権を承認したのはパキスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、トルクメニスタンなど、ほんの一握りの国だった。
アメリカ軍とNATO軍の撤退が進む中、アフガニスタンの情勢は急速に悪化しており、タリバンはいくつかの州を制圧した後、首都カブールに進出した。
アフガニスタンのアシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)大統領は国外に脱出し、その後、タリバンが大統領官邸を占拠した。
カブールにいるアメリカ市民は、国務省から避難するように指示されており、空港が攻撃を受けたとの報道もある。
1996年から2001年にかけて「アフガニスタン・イスラム首長国」として統治していた5年間に、タリバンはシャリーア(イスラム法)の厳格な解釈を全土に広めた。女性は男性の同伴者がいなければ外出できず、公共の場では頭から足まですっぽりと体を覆うことが求められるなど、女性に対する大きな制限があった。
タリバンは、公式の声明では常に「アフガニスタン・イスラム首長国」を名乗っている。
以前の「アフガニスタン・イスラム首長国」を承認したのは、ほんの一握りだけで、国連は北部同盟を主体とした「アフガニスタン・イスラム国」を承認していた。
AP通信によると、アフガニスタンの指導者たちは、政権移譲のためにタリバンと会談する「調整評議会」を設立した。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)