アマゾンでは経営幹部の流出が続いている。
Reuters
カリスマ最高経営責任者(CEO)のジェフ・ベゾスが退任するなど、創業以来最大の経営体制の変化を経験しているアマゾンから、またしても著名な経営幹部が去る模様だ。
Insiderが関係者から得た情報によれば、食料品部門のテクノロジー・プロダクト・サプライチェーンを担当するバイスプレジデント、ウェイ・ガオが退社する。最終出社日は9月17日。同社の広報担当に事実を確認したところ、認めた。
ガオのアマゾン在籍期間は16年超。予測担当のバイスプレジデントや電子書籍リーダー「キンドル(Kindle)」部門の上級職などさまざまな役職を歴任した。
そして、彼女は何よりジェフ・ベゾスの最後の(2020年1月以降は空席) 「シャドー(影の)」アドバイザーを務めたことで知られる。
シャドーアドバイザー(正式な役職名は「CEO専属テクニカルアドバイザー」)は、ベゾスが出席する会議のすべてに同席を求められるという、アマゾン社内では誰もがうらやむポジション。
ガオは2018年7月から2020年1月までのおよそ2年間、この重責を担った。これまでにシャドーアドバイザーに任命された女性は、ガオを含めてわずか2人だ。
とりわけ魅力的と言えるのは、このシャドーアドバイザーを経験した経営幹部は、その後ことごとくアマゾン社内できわめて重要なポジションを与えられていること。
例えば、ベゾスの後任CEOに就任したアンディ・ジャシー。アマゾン・インディアのシニアバイスプレジデント、アミット・アガルワル。レジなし小売り店舗「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」担当バイスプレジデントのディリップ・クマール。みなシャドーアドバイザー経験者だ。
ガオがこのタイミングで退社する理由も、今後どんな仕事をするのかも現段階ではわかっていない。
Insiderがこれまで報じてきたように、アマゾンではこの2年以内にバイスプレジデント約50人を含む幹部人材の流出が続いており、ガオの離脱もその延長上にあるとみられる。
コンシューマー部門CEOのジェフ・ウィルク(2021年第1四半期)、リアル店舗担当シニアバイスプレジデントのスティーブ・ケッセル(2020年第1四半期)らがその代表例。
直近では8月初旬、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のシニアバイスプレジデントで、1998年から23年間アマゾンに在籍したチャーリー・ベルも退社することが明らかになっている。
(翻訳・編集:川村力)