2021年8月16日、レカイ。
AP Photo/Matias Delacroix
- ハイチでは被災地に人道支援スタッフらを入れるのに、現地当局がギャングと交渉しなければならなかったとAP通信が報じた。
- 熱帯低気圧「グレース」の接近で、大雨と強風が予想されている。
- 現地の医師らによると、鎮痛剤やその他の医療用品が不足しているという。
8月14日朝、カリブ海のハイチを襲ったマグニチュード7.2の地震の影響で、南西部の病院は患者で溢れかえっている。
ギャング、熱帯低気圧、医療用品の不足といった複数の要因が、医療スタッフによる生存者の治療を困難にしていると、AP通信が報じた。
15日には国連から派遣された職員らが被災地に入れるよう、現地当局が半島の南西部へのアクセスを支配するギャングと交渉したと、国連人道問題調整事務所(OCHA)が明らかにした。
ハイチでは、人々が熱帯低気圧「グレース」の接近に備えている。17日にかけて大雨と強風が予想されている。アメリカの国立ハリケーンセンターによると、この大雨で洪水や土砂崩れが発生する恐れもあるという。
14日の地震で最も大きな被害を受けたレカイでは、総合病院が患者で溢れかえっていて、中には病院の階段や廊下、ベランダで治療を待っている人たちもいるとAP通信は報じた。
「(地震発生から)2日が経ちますが、患者の大半は地震のせいです」と、医師のPaurus MicheleteさんはAP通信に語った。Micheleteさんは地震発生当時、呼び出しにすぐに対応できるよう待機していた3人の医師のうちの1人で、これまでに250人の治療に当たった。
Micheleteさんは、鎮痛剤など負傷者の治療に必要な物資が不足しているとも話した。
AP通信によると、レカイから2時間ほどの距離にあるセント・ボニフェイス病院を所管している非営利組織Health Equity Internationalの小児科医Inobert Pierreさんは、患者の移送は限られ、必要な薬も不足しているため、患者は治療を待つ間、座って痛みに耐えていると話した。
(翻訳、編集:山口佳美)