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- この記事はインサイダー・インテリジェンスによる調査レポート「アメリカのネオバンク競争力比較(US Neobank Competitive Edge Report)」のプレビュー版。
インサイダー・インテリジェンスがまとめた初の「アメリカのネオバンク競争力比較」レポートによると、アメリカのネオバンク大手4社のなかで、2020年に「ユーザーが使いたいと思う機能・サービス」を最も多く提供しているのはチャイム(Chime)だという。
「ユーザーが使いたいと思う機能・サービス」の数で、ネオバンク4社をランキング。
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本レポートでは、「アスピレーション(Aspiration)」「チャイム(Chime)」「カレント(Current)」「バロ(Varo)」という4社のネオバンクの機能や使い勝手を詳細に分析。調査対象となった機能は、「規模を問わず、銀行が競合との差別化を図るために効果的な機能かどうか」を基準にアナリストが選定した。
「アメリカのネオバンク競争力比較レポート」は、2020年12月初旬に発行された「アメリカのモバイルバンキング競争力比較レポート2020(US Mobile Banking Competitive Edge Report)」と対をなす資料として活用できるものになっている。
※この記事は2021年2月10日に公開した記事を一部編集して再掲載しています
手数料無料で「給料前借り」。「コロナ給付金」も前倒しで使える
ネオバンク「チャイム」「アスピレーション」「バロ」の口座保有者数の推移と予想。
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アメリカのネオバンクで最も企業価値が高いチャイムは、その輝かしい1年を大きな勝利で締めくくった。2020年9月にシリーズFラウンドで4億8500万ドル(約509億円)を調達し、評価額は145億ドル(約1兆5000億円)となった。
チャイムの最近の成功に大きく貢献したのは、同社のコロナ危機への対応だろう。「1度目の給付金が口座に振り込まれる前に、200ドルを前倒しで使える仕組み」が人気となった。これは、以前からあった「給料前借り」サービスの延長線上に追加された機能だ。現在チャイムはカナダでの事業開始に向け準備を進めており、IPOも視野に入れているという。
「チャイム」アプリのスクリーンショット。顧客の質問にチャットボットが答えてくれる。
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成長著しいチャイムが提供するサービスやユーザー体験とはどのようなものなのか? 概要を以下に示す。
- コロナ禍で発生した幅広い顧客ニーズに応えるため、充実したサポート体制を設けている。例えば「失業保険申請のサポート」「給付金の受け取り」「失業保険が申請できない人へのアドバイス」などがある。また、州から失業扶助を受けるために必要な金融機関情報も記載している。
- チャイムに給与振込口座を開設したユーザーは、手数料無料で給料日前からお金を使える。新規顧客を惹きつけ、メインバンクとして利用してもらうためのインセンティブとなっているのが「給料前払いサービス」だ。給料日までの「つなぎ融資」ともいえるこの機能は、月末の金欠に悩むユーザーにとっては魅力となる。
- チャイムのバーチャル・アシスタント(チャットボット)は、コールセンターへとシームレスにつないでくれる。メニューには、「アシスタントの使い方」「FAQ」「口座への入金」「電話でのサポート」などの基本項目がある。チャットからダイレクトに各機能に移行はできないが、ユーザーの質問をもとに個別機能へと誘導してくれる。本レポートで取り上げた4社のネオバンクのなかでは、最も早くカスタマーサポートにアクセスできる。
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[原文:Chime offers consumers' most valued mobile features among the top 4 US neobanks]
(翻訳・野澤朋代)