グーグルは比較的安価なPixel aシリーズの最新機種「Pixel 5a (5G)」を発表した。
撮影:小林優多郎
グーグルは8月18日、新型スマートフォン「Pixel 5a (5G)」を発表した。
8月26日に発売予定で、アメリカおよび日本で展開される。日本では直販サイト「Google Store」とソフトバンクの各店舗で販売される。直販価格は5万1700円(税込)。
Pixel 5a (5G)は、比較的安価なPixel aシリーズに属する。aシリーズは価格を抑えつつ、グーグルの最新のAI技術が詰め込まれた人気のモデルだ。その最新機種の特徴はどこか、ファーストインプレッションをお送りする。
基本性能は過去モデルのまま“防水”に対応
Google Storeページの情報から編集部が作成。価格は2021年8月18日時点のもの。
作成:Business Insider Japan
ハッキリ言うと、2020年に発売された3つのPixelスマホ(5、4a (5G)、4a)と比べて、Pixel 5a (5G)はあまり目新しい進化はない。
上記の比較表を見るとわかるが、上位機種のPixel 5や5a (5G)の実質前世代機にあたる4a (5G)とはCPU、ストレージ、背面カメラの構成が全く同じだ。
すなわち、Pixel 5a (5G)の進化ポイントとしては以下の通りとなる。
- ディスプレイがやや大きく、縦長になった。
- aシリーズで初めて防水防じん(IP67相当)に対応した。
- 4a (5G)比で、8800円安くなった。
Pixel 5a (5G)は水がかかっても壊れにくい。
撮影:小林優多郎
防水防じん対応にあたり、背面パネルの素材がポリカーボネートから金属素材に変更されている。ただ、従来からマット加工が施されており、しっとりとした触感の印象は大きく変わらない。
Pixelシリーズの背面。素材は異なるが、どれもしっとりした加工になっている。
撮影:小林優多郎
また、Pixel 5a (5G)は世界的な半導体不足の影響で、現状ではアメリカと日本でのみ発売される。加えて、本体のカラーバリエーションもMostly Black(黒)のみとなる。
純正ケースは4色用意されている。従来はファブリック素材のケースだったが、今回はケースの34% 以上にリサイクルプラスチック素材を使用したハードケースになっている。
撮影:小林優多郎
そのため、外観で個性を出したい場合は別売の純正もしくはサードパーティー製のケースを活用する必要がある。
最大の魅力はやはりカメラ+AI
Pixel 5a (5G)のカメラは、標準+広角の2つを搭載。
撮影:小林優多郎
Pixel aシリーズがターゲットとしている中価格帯のスマートフォンは、ユーザーの需要もあり競争が激化している領域だ。
日本のPixelスマホはaシリーズも含めて一貫しておサイフケータイに対応し1つの強みにも思えたが、最近ではOPPOやシャオミなどの中国メーカーもaシリーズと同様もしくはそれ以下の価格帯でおサイフケータイ対応機種をリリースしている。
おサイフケータイに対応しているが、最近ではそこまで珍しい存在ではなくなった。
撮影:小林優多郎
そんな中でPixelシリーズを選ぶ理由を挙げるとすれば、それは余計なアプリがないシンプルさと、グーグルならではのAI技術に他ならない。
一般ユーザー向けが、グーグルのAI技術をとくに実感できるのは、やはりカメラ使用時だろう。なんとなくカメラを向けて撮るだけでかなり“失敗の少ない画”が撮れる。
また、被写体の背景をぼかすポートレート機能も”自然なボカし”とは言えないものの、被写体の輪郭をかなりしっかり捉えられる。
動画の強力な手ぶれ補正機能なども、安価なaシリーズながら利用できる。
撮影:小林優多郎
そのほかにも、忙しい時にGoogleアシスタントが電話の応対をしてくれる「通話スクリーニング機能」や、自動車乗車中に事故に遭うと自動で110番通報してくれる「自動車事故検出機能」などもある。
安く最新のグーグル機能を使いたい人向け
知らない電話番号から着信があった際など、一旦Googleアシスタントが応対し、名前や要件を聞いてくれる「通話スクリーニング」。アメリカでは自動で実行されるが、日本では着信時に操作する必要がある。
出典:グーグル
ただ、いずれにせよ、どのグーグルのAI機能もソフトウェアアップデートで、過去機種を含めて提供される(通称”Feature Drop”)ので、現Pixelユーザーがわざわざ5a (5G)に買い換える必要はあまりない。
また、グーグルは8月3日に上位機種「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」の概要を公開。2021年秋に発売する見通しだ。
Pixel 6/6 Proにはグーグル設計のAI特化の半導体「Google Tensorチップ」を搭載されるため、5a (5G)はもちろん、2020年発売の上位機種Pixel 5とも機能や性能面で一線を画す可能性が大きい。
ただ、このように独自設計のハードウェアを搭載する点や現行のPixel 5が7万4800円であることから、Pixel 6/6 Proは安くても5と同等、Proで10万円台前後になるかもしれない。
「スマートフォンに7、8万円以上もかけたくない。でも、グーグルの機能は使ってみたい」と言う人には、間違いなくPixel 5a (5G)をおすすめできる。
(文、撮影・小林優多郎)