Mike Segar/Reuters
- ウォルマートの広告事業が大きく成長している。
- 同社の広告クライアント数は、前年比で175%も増加した。
- 全体の広告費も95%増加している。
ウォルマート(Walmart)が広告事業の大幅な成長を報告した。同社は、アマゾン(Amazon)などのライバルやターゲット(Target)やウォルグリーン(Walgreens)といった他の小売業者と熾烈な競争を繰り広げている。
同社の最高経営責任者(CEO)のダグ・マクミロン(Doug McMillon)と、最高財務責任者(CFO)のブレット・ビッグス(Brett Biggs)は、2021年8月17日の決算説明会において、アメリカにおけるウォルマートの広告ビジネスが「ほぼ2倍」になったことを明らかにした。また、出稿している広告主の数は、前年比で175%増加し、売上高は同95%増加したと付け加えた。
また、ウォルマートはデジタル広告の機能も拡張している。アマゾンやターゲット、インスタカート(Instacart)、ウォルグリーン、ゴーパフ(Gopuff)など、広告プラットフォーム化する小売業者が増加していることへの対抗策だ。同社は最近広告事業を一新し、「ウォルマート・コネクト(Walmart Connect)」と名付けた。ウォルマート・コネクトは、消費者が広告に影響されてその商品を購入したかどうかに関するデータに対して、広告主が小売業者に対価を支払う考え方に基づくものだ。
「『顧客にサービスを提供する』という言葉は、ウォルマートでは伝統的に一つの意味しか持っていなかったが、今日ではマーケットプレイスの販売者、広告パートナー、そして当社のフルフィルメントサービスやソフトウェアを利用したい人へのサービス提供も意味している」とマクミロンはアナリストに述べた。
ビッグスは、ウォルマート・コネクトは 「急速に拡大」し、「利益率が高く」、「将来に向けて積極的に投資するための柔軟性を与えてくれる」ビジネスであると述べている。また、この急速な成長は今後も続くと予想しているという。
同社の広告分野の売上高はまだ小さく、業績に含めることはできないほどだ。2020年の年次報告書によると、年間売上高に占める広告の割合は1%に満たない。しかしビッグスは、この数字がウォルマートのビジネス全体を強化したと述べている。ウォルマートUS(Walmart US)の粗利益率が向上したの広告収入のおかげだとビッグスは述べた。
また、ウォルマートが広告に力を入れているのはアメリカ国内だけではない。
「メキシコでのウォルマート・コネクトの立ち上げには大きな反響があり、広告主やキャンペーンの数も急速に増加している」と、ビッグスは話している。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)