検問所に立つタリバンの戦闘員(2021年8月17日、カブール)。
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- アフガニスタンの首都カブールでは、タリバンが検問所を設置して空港へのアクセスを制限しているとウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた。
- 英語でやりとりをした痕跡がないか、市民のスマートフォンもチェックしているという。
- タリバンの戦闘員らは、西側諸国の政府や組織と関係のあるアフガニスタン人のオフィスや家の捜索を続けている。
アフガニスタンでは、タリバンがカブール周辺に検問所を設置し、首都に対する支配を強めている。英語でやりとりをした痕跡がないか、市民のスマートフォンもチェックしているという。ウォール・ストリート・ジャーナルが8月17日に報じた。
タリバンの戦闘員らは、西側諸国の政府や組織と関係のあるアフガニスタン人のオフィスや家の捜索も続けていると、同紙は伝えている。多くのアフガニスタン人が過去に投稿した写真や動画、勤務先の情報といったネット上の履歴を急いで消去し、ここ20年の"より現世的なライフスタイル"の証拠を携帯電話から削除していると、Wiredは報じた。
タリバンはカブールの空港の入口にも検問所を設置し、カブールから逃れるために空港へ入ろうとするアフガニスタン人を殴るなどしていると、ウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。
こうした新たな検問所が設置された結果、避難する人々を乗せるための一部の航空機は空っぽに近い状態で空港を離れたという。ドイツが派遣した軍の輸送機エアバスA400M —— 100人以上の乗客が搭乗可能 —— は17日、わずか7人を乗せて離陸した。
空港では17日、軍用機と民間機のフライトが再開された。空港は一時、アフガニスタンから逃れようとする人々が殺到して、大混乱となっていた。
17日に行われたアフガニスタン制圧後初めての記者会見で、タリバンのザビフラ・ムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官は、タリバンは「イスラム法の枠組みの中で女性の権利を尊重する」と話した。「我々の枠組みの中で」女性は仕事や勉学に励むことができるとも述べた。
多くの人々は懐疑的だ。
タリバンの支配がどのようなものになるのかは誰にも分からないが、2001年のアメリカ主導の有志連合による侵攻でタリバン政権が崩壊する前は、厳しいルールが課されていた。中でも女性は、タリバンが支配していた1996年から2001年まで、学校に通ったり、仕事をすることを禁じられていた。
アフガニスタン制圧後、タリバンの戦闘員らはカブール以外の地域でも民間人を攻撃しているといい、戦闘員らのために食事を作ることを拒否した女性が殴り殺されたとCNNは報じている。
(翻訳、編集:山口佳美)