2021年8月15日、ハイチ。
AP Photo/Joseph Odelyn
- 8月14日にマグニチュード7.2の大地震が発生したハイチでは、50万人以上の子どもたちが食事、避難所、安全な水にアクセスできずにいる。
- 国連児童基金(UNICEF)は、この地震で学校、病院、その他の公共インフラに加え、8万4000軒以上の家屋が損傷または損壊したとしている。
- 8月17日の時点で、当局は地震による死者数が1900人を超えたと報告している。
8月14日にマグニチュード7.2の大地震が発生したハイチでは、50万人以上の子どもたちが食事、避難所、安全な水にアクセスできずにいると、UNICEFが17日に報告した。
熱帯低気圧「グレース」の接近による洪水や土砂崩れは人道支援活動をさらに困難にし、被災者の状況を悪化させるだろうとUNICEFは警鐘を鳴らしている。
UNICEFによると、この地震で8万4000軒以上の家屋が損傷または損壊したという。学校、病院、橋、その他の公共インフラにも被害を受けた。
「現在、約50万人のハイチの子どもたちが避難所、安全な水、保健医療、栄養などへのアクセスが制限されているか、全くない状態にあります」とUNICEFハイチ事務所代表のブルーノ・マース(Bruno Maes)氏はコメントしている。
8月17日の時点で、ハイチ当局は地震による死者数が1900人を超えたと報告している。
UNICEFでは、子どもたちの教育や気晴らしに役立つキットなどの追加提供を行う計画だという。他にも、子どもたちへの支援を維持し、家族の離別を防ぐためのコミュニティーを中心とした活動も主催する。パートナーと協力し、緊急シェルターや安全な水の確保、衛生キットの提供も進めている。
UNICEFの調査で、新学期を前に多くの学校が被災していることも分かった。
「今から3週間後の9月7日に始まる新学期に合わせて子どもたちを安全に学校に戻すことは、保護者、教師、政府にとって非常に難しいことでしょう」とマース氏は語った。
「ただ、今回の大地震と熱帯低気圧の被害を経験したばかりの子どもたちにとって、(学校再開は)友人や教師とともに教室にいるという日常を取り戻し、安心を得るためにも極めて重要なことです」
政情不安や新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、子どもたちはここ2年あまり、何カ月も学校に通えない状況が続いている。
マース氏は、子どもたちを学校へ戻すことが子どもたちやその家族、コミュニティーを正常な状態に戻すための「最良の方法かもしれない」と指摘している。
UNICEFでは、少なくとも38万5000人を緊急支援するために1500万ドル(約16億5000万円)が必要だと見積もっている。
(翻訳、編集:山口佳美)