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若い女性だけの問題ではない… 見た目や食生活へのこだわりから摂食障害に苦しむ男性たち

ジム

ジムに通う理由は…。

Getty/Corey Jenkins

  • 摂食障害は「中流階級の若い白人女性」と結びつけられることが多く、男性の摂食障害は正しく理解されないことが多い。
  • 専門家は、マッスル・ディスモーフィア(自分のからだが実際にはたくましいのに、貧弱なのではないかと慢性的に不安に思ってしまう精神障害)は人生を破壊すると話している。
  • Insiderでは、スポーツをしていた影響で摂食障害になった男性たちに自らの経験を聞いた。

1日4000kcal、重いウエイトを上げて、栄養アプリをチェックする… 筋肉を鏡でチェック、何度もチェック… 痛みなくして得るものなし —— これがミッキー・デービッド(Micky David)さんのモットーだった。

全ては鏡で見た自分の姿にがっかりしたことから始まった。ソーシャルメディアをスクロールし、素晴らしい肉体を持つフィットネス・インフルエンサーの画像に刺激を受け、デービッドさんは身体を大きくしようと決めた。8週間の過酷なルーティンを始めた結果、デービッドさんの世界は崩壊した。

デービッドさんはマッスル・ディスモーフィア(muscle dysmorphia、自分のからだが実際にはたくましいのに貧弱なのではないかと慢性的に不安に思ってしまう精神障害)に苦しめられるようになった。それは何カ月にもわたって自身の生活を支配したと、デービッドさんはInsiderに語った。

「自分がどう見えるかということだけに、ものすごく執着していたんです。1日中、そればかり考えていました。ジムに行けないとパニックになりました」とデービッドさんは当時を振り返った。

「携帯電話に栄養アプリを入れていたので、自分が食べたものは全てスキャンされていて、どれだけのタンパク質を取ったのか、どれだけの脂質を消費したのか、正確に分かっていました。取りつかれていました」

デービッドさんは常に自分の姿をチェックしていたという。

「例えば、Tシャツが上腕二頭筋にぴったりしていないと、自分はものすごく貧相で痩せこけているように1日中感じてしまうんです。それがすごくイヤでした」

人付き合いも"精神的な攻撃"になった。

「レストランやイベントに出かけると、何を食べたらいいのか、何を注文したらいいのか、栄養プランに合うのかどうかでパニックになるんです。常に戦っているような状態でした」

「こうした考えは両親や家族の影響ではありません。彼らは常にわたしを支えてくれましたし、お腹いっぱい食べさせてくれました。わたしの周りの社会の影響です」

こうした問題への認識を高めるため、デービッドさんは現在、自身のマッスル・ディスモーフィアの経験をもとに『Bulking Up』という短編映画を作っている。

「これは男性にもっと話し合ってもらうためにわたしがシェアしたい物語なのです。男性のメンタルヘルスに変化をもたらせたらと願っています。筋骨たくましいからだを手に入れようという男性に対するプレッシャーは、これまでにないほど高まっていて、ジムに通っている男性の10%はマッスル・ディスモーフィアだと推定されています。これは強い不安やうつ、自殺につながりかねない病気なのです」

「男性が感じるべきことを自分に感じさせてくれる」

コロナ禍を生きている多くの人々にとって、運動はライフラインであり、対処メカニズムの1つだろう。RunRepeatの報告によると、もともと週に1~2回運動していた人のうち88%がパンデミック後にその回数を増やしていて、男性の60%はその一番の理由にメンタルヘルスを挙げている。

しかし、一部の人々にとっては、からだを鍛える喜びが執着に変わり、摂食障害やマッスル・ディスモーフィアにつながっている。

男性に多く見られるマッスル・ディスモーフィアになると、筋肉を付けることにものすごく固執するようになり、体重と筋肉の目標で「頭がいっぱいに」なってしまい、人生を台無しにしかねない。マッスル・ディスモーフィアは身体醜形障害の1つで、強迫性障害(OCD)の1つだ。

摂食障害の専門家で、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の小児科学の助教ジェイソン・ナガタ(Jason Ngata)氏は、「わたしが担当している多くの患者さんがさまざまなアクティビティを行っていて、それは1日5時間以上になることもあります」とInsiderに語った。

「友人や家族と時間を過ごすといった、これまで楽しんでいた他のことが楽しめなくなってきた時は、エクササイズが危険なものになっているということです。この問題行動が生活の質を著しく低下させた時、それは障害になります」

マッスル・ディスモーフィアは、メディアやSNSに登場するものすごく筋肉の発達した男性の姿や、自分を肉体的な限界に追い込むことを美化するものポルノの利用などから得られるさまざまな情報に影響されていると、研究は示している。

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