これからの生活様式に「クルマはEV」という選択がふさわしい理由

世界の自動車メーカーが、EVシフトを鮮明に打ち出し始めた。産業構造の転換やカーボンフリーの推進などマクロ論点の議論も多い一方、EVはカスタマーの生活も豊かにしてくれる。それは、車としての使いやすさだけではない。EVが持つ特性は、ニューノーマルにおける新しい生活様式とも相性が良いのだ。

今回は、脱炭素関連のオピニオンメディア「EnergyShift(エナジーシフト)」の編集長で、東京・群馬の二拠点生活を送る前田雄大氏に、世界のEVシフトが進む要因や日産『リーフ』がもたらす新しい生活について話を聞いた。

パリ協定をきっかけにして、世界のEVシフトが加速した

前田 雄大氏

前田雄大(まえだ・ゆうだい)氏/EnergyShift発行人兼統括編集長。1984年生まれ。2007年、東京大学卒業後、外務省入省。開発協力、原子力、大臣官房業務などを経て、2017年から気候変動を担当。G20大阪サミットにおける気候変動部分の首脳宣言の起草や各国調整を担当し、宣言採択に寄与。パリ協定に基づく成長戦略など各種国家戦略の調整も担う。2020年より現職。群馬県に移住、平日は東京滞在の二拠点生活。

世界の自動車メーカーがEVシフトを加速させた要因の一つが、2015年12月に採択された「パリ協定」だ。外務省の官僚としてパリ協定に基づく成長戦略など各種国家戦略の調整を担い、退官後は脱炭素の旗振り役としてオピニオンメディア『EnergyShift(エナジーシフト)』の編集長として啓蒙に努める前田 雄大氏はこう語る。

「2013年に再生可能エネルギーの新規導入量が原発や火力といった新規導入量を超えたという統計があり、技術の進歩によって再生可能エネルギーの発電コストの低減も進んでいます。これはつまり、再生可能エネルギーが経済性を持ってきたということ。加えて、環境面でも気候変動における災害の増加などで、温室効果ガスの排出削減は必要に迫られていました」(前田氏)

パリ協定を受けて各国政府は、独自の削減目標を設定。さまざまな産業がカーボン・ニュートラルへの取り組みを加速させた。自動車産業はその最たるものの一つだ。世界中の自動車メーカーは、まさに100年に一度の分水嶺を迎えて大きく動いている。

前田 雄大氏

「欧州は伝統的に気候変動対策に熱心です。2017年、イギリスとフランスは、2040年までにガソリン・ディーゼル車の販売を禁止してEVに切り替える方針を発表(その後イギリスは2030年までに前倒しを発表)。また、EUは2021年7月、2035年までに内燃機関の新車販売を禁止する方針を打ち出しました。これらを受けて、欧州の自動車メーカーは、続々とEVシフトを宣言しています。アメリカのバイデン政権はトランプ政権が脱退したパリ協定に復帰。2030年までに新車市場の50%を電動車にするという目標を設定しました。中国は環境面に加え、EVへのパラダイムシフトに乗じて、自動車産業で世界的な地位を確立するために戦略的にEV推進を進めています」(前田氏)

そして日本では、政府が2050年のカーボンニュートラルを宣言。まず、2030年度に温室効果ガスを2013年度比で46%削減することを目指し、実現のための具体案の一つとして、2035年までに新車販売を電動車のみにする方針を打ち出している。

「日本の多くの自動車メーカーは、世界と比較してEVシフトが遅れていた」と語る前田氏。しかし、世界、そして日本の脱炭素の流れを受けて、日本の自動車メーカーでもEVシフトが加速しつつあるという。なかでも、一歩先をいくのが日産だ。世の中でEVシフトが始まる前から電動車両の開発と市場投入を進めてきた。

EV『リーフ』

「日産は2010年に世界に先駆けて量産型EV『リーフ』をグローバルで投入。これまでに50万台以上、販売しています。日産はEVのパイオニア的存在として、各自動車メーカーがEVに参入する際のベンチマークになっていたはずです。そういった意味では、計り知れない功績があると言えます。しかも、『リーフ』は発売以来、進化を続けており、現行型はかなり完成度が高い一台になっています」(前田氏)

走行性能の高さだけでなく、蓄電池として活用できる強みを持つ「リーフ」

前田 雄大氏

プライベートでも「リーフ」のハンドルを握ったことがあるという前田氏。現行型を運転して感じた特徴を「走りの滑らかさと安定感」と語る。

「内燃機関車と比較すると、出だしが滑らか。それでいて、加速は力強い。動力であるモーターの特性が良く表れています。内燃機関車は運転に慣れていないと、加速時にギクシャクすることがありますよね。『リーフ』なら、誰でも滑らかに加速できると思います」(前田氏)

EV『リーフ』

「減速のときには、アクセルのオン・オフだけで加減速を調整できるe-ペダルが使いやすい。自然に減速するので、カックンとしたブレーキングにならずに、同乗者にも優しい運転ができます。また、加速しているときやカーブを曲がるときになどに車体が安定しているのもポイント。これは、蓄電池が床下にあり重心が低いからです。『リーフ』でドライブしていると、自分の運転が上手くなったと勘違いしてしまいそうです(笑)」(前田氏)

EVの走行性能について満足する前田氏だが、選ぶべき理由はそこだけではないという。指摘するのは、蓄電池としての可能性だ。電気自動車のバッテリーに蓄えた電気を家で使う仕組み『V2H(Vehicle to Home)』と組み合わせれば、家中のほとんどの家電に給電が可能になる。

リーフ』が備えているバッテリーは、グレードにより40または62kWh。これは、一般家庭の約2〜4日分の電力を賄うことができる。家庭用蓄電池は10kWh前後で、設置を含めれば150万円を超える値段だ。「それに比べると、そもそも車としての機能があることも考えれば、付加価値のある蓄電池として見たリーフはかなりコストパフォーマンスが高い」と前田氏は語る。

「地方では、太陽光発電システムを導入している住宅も多い。2019年11月からはFIT(固定価格買取制度)の契約が順次満了しているので、買取り価格が大きく下落している人も多いでしょう。このタイミングで、太陽光で発電した電力を売るのではなく自宅で利用するという選択が出ているはずです。そこで重要になるのが、蓄電池です。昼間に発電した電力を貯めて夜に使ったり、電気代が安い夜間電力を溜めて、昼間に使うことで電気代を節約したりすることができます」(前田氏)

リーフを蓄電池として見たときに期待されるもう一つのメリットが、災害時の対応だ。家の蓄電池代わりの機能に加え、可搬型EVパワームーバーを使えば、100Vコンセントから電気出力可能。屋外や出先でも様々な電気製品の電源として活用できる。実際、2019年の台風15号による千葉県での停電対応では、被災地に50台以上の『リーフ』が派遣されたという。

前田氏が考える二拠点生活とEVの相性が良い理由

前田氏は、東京と群馬県みなかみ町での二拠点生活を送っている。みなかみ町の自宅には、太陽光発電システムを備え、売電によって得た利益の一部をローン返済に充てていたという。そんな前田氏だからこそ、地方暮らしとEVの相性の良さを感じているそうだ。

「都心部より地方のほうが建物が混み合っていないので影が少なく一戸あたりの日当たりはいい。それは、太陽光発電がしやすいということ。この電気をEVと組み合わせれば、電気代だけでなくガソリン代も節約できます。あとは、二拠点生活の楽しみとして、キャンプやサーフィンといった趣味の充実を挙げる人がいると思いますが、こういった趣味にもEVは活躍します。出先で電源が使えるので、前出のパワームーバーと併用すればホットプレートやドライヤーなどが使えますからね」(前田氏)

しかし地方のEV生活で気になるのは、航続距離だ。前田氏はその点も心配ないと言う。

EV『リーフ』

「62Kwhバッテリーを搭載した『リーフ』は、実際の走行に近い燃費を表示するWLTCモードの走行距離が458km。私は群馬県みなかみ町在住ですが、買い物などでは近隣の大きな都市である高崎市まで出かけます。往復100km程度なので全く困ることはありません。家に戻って充電しておけば常にフル充電。また、出先で充電が必要になっても充電設備は調べればちゃんとあるし、諸外国と比較しても実は意外と少なくない。広くて目立つガソリンスタンドと比べるから少ない印象を受けるのだと思います」(前田氏)

EVにして自宅に充電設備を用意すれば、そもそも内燃機関車がガソリンスタンドに行くような回数で外で充電する必要はない。

あるとすれば長距離を移動する場合だが、「リーフ」を充電できる急速充電器は全国に7950基。普通充電器を合わせると、ガソリンスタンドよりも多い約3万基が存在している。また、政府は2030年までに急速充電スタンドを約3万基設置する目標を立てている。急速充電器を使用すれば、「リーフ」は40~45分でバッテリー容量の80%を充電できる。この程度の時間ならちょっとした休憩を兼ねた充電が可能だろう。

前田氏が見据えるEVが普及した未来

前田 雄大氏

最後に前田氏は、EVのさらなる未来について語った。

「EVは動く蓄電池。上手く使えば、将来的には電気の融通ができるようになるかもしれません。例えば、自宅の太陽光発電システムで発電した電気をEVに貯めて、近所の商業施設などに行ったときに売電する。すでに欧州などではその構想がスタートしています。ブロックチェーンなどを応用すれば、電気の出自がわかるようになるので、カーボンフリーの電気だけを使うということも現実になります」(前田氏)

こういった未来を叶えるためにも、前田氏はEVの普及に期待をしている。

「『リーフ』のユーザーが増えて、走りの良さだけでなくライフスタイルも豊かになることが広く知られるようになれば、EV全体の価値の底上げにもつながります。リーフが発売されてからの10年は、まさに種まきの段階。これから始まるカーボンニュートラルの時代では、その種が発芽し、収穫されるはずです。多くの人がリーフに乗ることで、EVのある生活の良さに触れてほしいですね」(前田氏)


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