ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相
Robert Kitchin - Pool/Getty Images
- ニュージーランドは、同国最大の都市オークランドのロックダウン期間を延長した。
- オークランドは今後さらに2週間、最高レベルの厳戒態勢を維持する。
- 感染者数のデータは徹底したロックダウンが感染増加を抑え込んでいることを示している。
ニュージーランドは感染力の強いデルタ株による感染拡大を抑え込むため、最大の都市オークランドの厳重なロックダウンを再度延長した。
ジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相は2021年8月30日、オークランドは向こう2週間、引き続き最高警戒レベルである警戒レベル4を維持すると発表した。その他の都市は8月31日深夜から警戒レベル3に移行し、国内旅行や同居していない近親者に会うことができるようになる。
今回の感染爆発は、ニュージーランドにとって6カ月ぶりの爆発的な増加だった。
アーダーン首相は8月17日にニュージーランド全土が警戒レベル4への移行することを発表した。警戒レベル4では住民の外出は厳しく制限され、同居者以外との接触が禁止される。全国的なロックダウンはその後、8月31日まで延長された。
感染者数のデータはロックダウンの有効性を示している。ニュージーランド政府は、8月25日の82例、26日の83例から、27日には53例にまで感染者数が減少したと発表している。
「これで終わりではなく、我々は今後も続けていく必要がある」とアーダーン首相は話した。
もし、2週間前にロックダウンを行わなかった場合、ニュージーランドの1日あたりの感染者数は約550名にのぼっただろうとアーダーン首相は説明した。
ワクチン不足に直面する可能性も
ニュージーランドのワクチン接種の進捗は比較的遅く、公式データによると接種を完了した住民は全人口の26.7%にとどまっている。
ニュージーランド政府はこの数週間、ワクチン接種を加速させようとしており、需要の高まりとともにワクチンの供給量が不足する事態に陥っている。
これに対して、アーダーン首相はRadio New Zealandに次のように述べている。
「政府の計画では、1週間につき35万回の接種を行う予定だ。我々には持続的に長期間に渡ってワクチン接種を行うための供給とインフラがある」
(翻訳:忍足亜輝、編集:Toshihiko Inoue)