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メリットもあればリスクも… 専門家に聞いた、ビーガンとベジタリアンの違い

ビーガン

Enrique Díaz / 7cero/Getty Images

  • ベジタリアン(菜食主義者)は肉だけを避けるが、ビーガン(完全菜食主義者)は乳製品や卵を含むあらゆる動物性食品を避ける。
  • ベジタリアンの食事もビーガンの食事も、健康的で十分な栄養が取れる、健康上のメリットをもたらす食事になり得る。
  • ただ、ビーガンは鉄やビタミンD、カルシウム、タンパク質不足になりやすい面もある。

ベジタリアンとビーガンの違いは主に、動物性食品の役割にある。

「どちらの食事も植物由来の食べ物をより多く食べることに重きを置いていますが、ベジタリアンは卵やハチミツ、乳製品を取ることができます。一方、ビーガンは肉、鶏肉、乳製品、ハチミツ、卵といった全ての動物性食品または動物が作り出した食品を除外します」とNew York Nutrition GroupのCEOで認定栄養士でもあるリサ・モスコビッツ(Lisa Moskovitz)氏は語った。

「こうした食事は、適切に行われれば全くもって安全です」とモスコビッツ氏は言う。ただ、健康管理や体重管理の目標を達成するためにベジタリアンやビーガンになる必要はないと、同氏は指摘した。

そして、どちらの方が安全ということはないが、もし今から始めようという場合は、まずベジタリアンを試してみる方がハードルは低そうだ。「ベジタリアンの方が多少制限は少ないので、バランスの取れた栄養摂取がしやすいでしょう」とモスコビッツ氏は話した。

専門家に聞いた、ベジタリアンとビーガンの違いとその健康に与える影響について見ていこう。

ベジタリアンとビーガンの栄養不足の違い

いろいろなものを偏りなく食べる人に比べて、ベジタリアンやビーガンは「あらゆる栄養が取れているか、より注意を払い、摂取する努力が必要です。ビタミンB群や鉄、ビタミンD、カルシウム、タンパク質不足になりやすいからです」とモスコビッツ氏は話している。

ただ、ビーガンの方が「こうした栄養素が不足するリスクは大幅に高く、きちんと計画を立てて、バランスの取れた食事を取っているベジタリアンが栄養不足になるリスクは一般的に低め」だという。

学術誌『Nutrients』に掲載された2014年の研究では、ビーガンが1日に摂取するカルシウムの量は平均738mgと、アメリカ国立衛生研究所(NIH)が推奨する1000mgをかなり下回っていることが分かった。この研究の中で、ビーガンは1日あたりのカルシウム摂取量がどのグループよりも少なかった。

一方、セミ・ベジタリアン(半菜食主義者)は1日に摂取するカルシウムの量が約1470mgと一番多かった。この研究では、セミ・ベジタリアンは肉や魚を週に1回以下食べる人たちを指していた。

また、『 European Journal of Clinical Nutrition』に掲載された2010年の別の研究でも、ビーガンの52%はビタミンB12が不足していて、ベジタリアンではその割合はわずか7%であることが分かった。

とはいえ、ベジタリアンがビーガンよりも常に健康的というわけではない。ベジタリアンとビーガンのどちらを選択するかにかかわらず、全てはあなたが何を選んで食べるか次第だ。

「ベジタリアンとビーガンの食事を比較して、1つの特定の栄養素がどちらの食事に豊富に含まれているというのは簡単ではありません」とモスコビッツ氏は言う。

「ベジタリアンが卵と乳製品をたくさん食べていれば、何らかの栄養が不足することはないでしょう。ただ、ベジタリアンが卵や乳製品を食べるのが週に1、2回だけなら、主な違いはそれだけなので、ビーガンと同じくらいさまざまな栄養が不足する可能性があります」

栄養が十分に取れていなければ、足りない分を補うためのサプリメントを試すこともできる。ただ、モスコビッツ氏は「それは人によってさまざまですし、その人の食事上の制限や好みにもよります」と話している。

「大半のビーガンやベジタリアンには、藻類由来オイルが良いでしょう。あとはカルシウム、ビタミンD、ビタミンB群なども選択肢でしょう」

ベジタリアンとビーガンの健康上のメリットの違い

『Critical Reviews in Food Science and Nutrition』に掲載された2017年の報告は、100件近いこれまでの研究結果を分析したものだ。その結果、ビーガンとベジタリアンは、肉を食べる人に比べてボディマス指数(BMI)が低く、総コレステロール値も血糖値も低いことが分かった。

同報告が、ベジタリアンは虚血性心疾患やがんで死亡するリスクが低いと結論付けた理由もここにあるのだろう。そして、中でもビーガンは、がんで死亡するリスクがベジタリアンや雑食の人々よりも低かった。

また、『JAMA Internal Medicine』に掲載された2013年の大規模研究では、肉や魚を週に複数回食べる人に比べて、ビーガンやベジタリアン —— ペスクタリアン(魚介類も食べる菜食主義者)を含む —— は心臓血管疾患や糖尿病関連の疾病、高血圧、代謝異常症候群、腎不全を患い、死亡する確率が低いことが分かった。

ただ、その一方で、『The BMJ』に掲載された2019年の研究では、ベジタリアンはベジタリアンでない人に比べて脳卒中の発生率が20%高いことが分かった。これは主に「出血性脳卒中の発生率が高いことによるもの」だと研究者らは述べている。出血性脳卒中は血管が弱くなって破裂し、脳内に出血することで起こる。

この関連は、オメガ3脂肪酸といった防御物質がベジタリアンの食事では少ないせいかもしれない。ただ、きちんとした計画とサプリがあれば、ベジタリアンやビーガンはこうした栄養素を非動物性食品から取り入れることができる。

まとめ

アメリカ栄養士会(The Academy of Nutrition and Dietetics)によると、ビーガンの食事もベジタリアンの食事も、健康的な食事になり得る。その公式のスタンスは「適切に計画されたベジタリアン(ビーガンを含む)の食事は健康的で、十分な栄養が取れ、特定の疾患を予防、改善する健康上のメリットをもたらす可能性がある」とされている。

[原文:What's the difference between vegan and vegetarian? Comparing the health benefits and risks

(翻訳、編集:山口佳美)

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