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ベビーブーマーはインフレを恐れ、Z世代は地球温暖化を恐れる

グレタ・トゥーンベリ(左)とラリー・サマーズ(右)

グレタ・トゥーンベリ(左)とラリー・サマーズ(右)

Johanna Geron/Reuters; Joshua Roberts/Reuters

  • アメリカの高齢者世代と若い世代では、どのような経済危機が最大のリスクとなるかについて意見が分かれている。
  • ベビーブーマー世代はインフレによる生活費の目減りを恐れ、Z世代は気候変動を最も恐れている。
  • そのギャップは縮まる気配はないが、それぞれの世代が最も恐れている危機を解決するためには、お互いを必要としているようだ。

アメリカの若者は、亡霊に付きまとわれている。気候変動という名の亡霊だ。

地球温暖化の研究は1世紀以上も前から行われており、もはやニュースになるようなことではない。しかしこれまでと違うのは、ベビーブーマー世代(1946年から1964年生まれ)が40年にわたって猛烈なインフレへの不安を軸にアメリカ経済を方向付けてきたが、新たなZ世代(1997年以降生まれ)の経済は、いずれ気候危機に焦点を当てるようになるだろうということだ。

どのような経済危機が最も懸念されるかについては、アメリカでは世代間で意見が分かれている。貯蓄額については、ミレニアル世代(1981年から1996年頃生まれ)やZ世代は少ないが、その上の世代はかなり多いと、以前Insiderが報じている。だが、それはあまり重要ではない。若いアメリカ人は、世界が火の海になることの方が、はるかに大きな経済問題だと主張している。

これは新旧世代の対立だ。地球温暖化防止活動家のグレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)に対するインフレ・タカ派のラリー・サマーズ(Larry Summers)、1970年代のようなインフレの危機対経済的な災害の未来といったものだ。

ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が2021年4月に行ったアンケート調査によると、気候変動への取り組みに「最も関心がある」と回答したのは、Z世代が37%、ミレニアル世代が33%だった。一方、ベビーブーマー世代では「最も関心がある」のが29%で、「重要な関心事ではない」が36%を占めた。

ベビーブーマー世代はむしろ、インフレの熱を感じている。2021年6月の消費者物価指数は、2008年以来最大の伸び率となったが、賃金は物価上昇に追いついていないようだ。バンクレート(Bankrate)は2021年7月にアンケート調査を行い、その結果を8月24日に発表した。それによると物価が上昇したと感じているのは、ベビーブーマー世代で95%だったが、ミレニアル世代では84%、Z世代では75%となった。また、物価の上昇が家計に悪影響を与えたと回答したのは、ベビーブーマー世代で75%、X世代(1965年から1980年生まれ)で70%だったが、ミレニアル世代では55%、Z世代では54%に低下した。

どちらの世代も、お互いがいなければ問題を解決できない

ベビーブーマー世代は、今もアメリカで最も重要な地位を占めている。上院議員は史上最高齢となり、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は史上最高齢の大統領だ。

バイデン大統領は気候変動を最重要課題とし、2021年4月にはアメリカの温室効果ガス排出量を2030年までに半減させる計画を明らかにしたが、気候変動に配慮した法案の成立は依然として困難な状況にある。上院における民主党の議席数の優位がごくわずかであることと、他の多くの優先課題が、タイムリーな政策実行の妨げとなっているのだ。

ベビーブーマー世代は、経済的にも大きな影響力を持っている。連邦準備制度理事会(FRB)のデータによると、2021年の第1四半期末時点で、ベビーブーマー世代はアメリカの富の52%(約68兆ドル:約7500兆円)を保有している。一方、ミレニアル世代はわずか5%(6.5兆ドル:約715兆円)に止まっている。Z世代のデータはまだない。

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