Warner Bros
- SFジャンルに革命を起こした『マトリックス』のファンが楽しめる映画は他にもある。
- 『マトリックス』の主演、キアヌ・リーブスは、『ジョン・ウィック』や『スピード』でもアクション・ヒーローを演じている。
- 『ブレードランナー2049』、『Vフォー・ヴェンデッタ』、『マイノリティ・リポート』などの映画もディストピアを描いている。
『スピード』(1994)は、キアヌ・リーブスのファンにとっては見逃せない作品だ
20th Century Fox
ロサンゼルスの警官ジャック(キアヌ・リーブス)が民間人(サンドラ・ブロック)と協力して爆弾犯と対決する。
おすすめポイント:キアヌ・リーブスは『マトリックス』でネオを演じる前に、『スピード(Speed)』で高い評価を得た。この息もつかせぬアクション映画は、公開されるやいなや、キアヌ・リーブスのスターとしての地位を確固たるものにした。
『マトリックス』の作者は、スペース・アドベンチャー『ジュピター』(2015)の監督・脚本を務めた
Warner Bros. Pictures Roadshow Entertainment
ラナとリリー・ウォシャウスキーは、『マトリックス』と『ジュピター(Jupiter Ascending)』の両方で脚本・監督を務めている。『ジュピター』では、ジュピター・ジョーンズ(ミラ・クニス)という若い女性が、自分が古代のエイリアン王朝の王女であることを知り、予期せぬ遺産を受け継ぐことになる。
おすすめポイント:『マトリックス』の奇妙な神話の側面を楽しんだファンは、このスペースオペラへのオマージュともいえる映画を気に入るはずだ。ほとんどの批評家は評価しなかったが、『ジュピター』は、その奇抜な設定や印象的な視覚効果を賞賛する視聴者からカルト的な人気を集めた。
ラナとリリー・ウォシャウスキーは評価の高いSFスリラー『Vフォー・ヴェンデッタ』(2005)の脚本も書いている
Warner Bros.
『マトリックス』でエージェント・スミスを演じるヒューゴ・ウィービングがナタリー・ポートマンとともにこの映画に出演している。『Vフォー・ヴェンデッタ(V for Vendetta)』は、イギリス政府が強権的に支配する未来のディストピアを舞台に、仮面の自警団員V(ウィービング)の活動に巻き込まれるイヴィー(ポートマン)の物語だ。
おすすめポイント:ウォシャウスキー姉妹は監督はしなかったが二人の作り出すインテリジェントな対話と革新的なストーリーテリングを楽しめる。そして、この映画では、エージェント・スミスことヒューゴ・ウィービングが忘れられない演技を披露した。
『第9地区』(2009)は独創的なSFスリラーだ
Sony Pictures Entertainment
『第9地区(District 9)』の舞台は南アフリカ共和国に設定されている。宇宙人が地球に避難してきた南アフリカで、捜査官のヴィカス(シャールト・コプリー)は、エイリアンの謎の液体に感染した後、かつて自分が取り締まっていた地域で、宇宙人の中に隠れなければならなくなった。
おすすめポイント:『第9地区』は、エイリアン映画の中でも独創的な作品だ。エイリアンは破壊ではなく、平和と援助を求めてやってくる。『マトリックス』では、ネオたちを追い詰めるセンチネルの動機を視聴者に問いかけていたが、この映画でも同様に、SFの常識をひっくり返して、人間のモラルについて問いかけている。
『インセプション』(2010)は主人公と視聴者に現実とは何かを問いかける
Warner Bros. Pictures
『マトリックス』も『インセプション(Inception)』も印象的な仕掛けがある。『インセプション』では、人がお互いの夢に影響を与えることができる世界で、ドム・コブ(レオナルド・ディカプリオ)は、熟練した窃盗団の助けを借りて、ターゲットの潜在意識にアイデアを植え付ける最後の仕事に挑む。
おすすめポイント:ネオが銃弾を止めるために周囲のコードを書き換えたように、『インセプション』の登場人物は夢を使って周囲の現実を変えていく。『マトリックス』では映画の序盤で秘密が明かされるが、『インセプション』では最後の1秒まで観客を飽きさせない巧妙な展開になっている。
『エクス・マキナ』(2014)は、ダークなサイコSF映画だ
A24/Universal Pictures
若きプログラマーのスミス(ドムナル・グリーソン)が、社内コンテストで優勝してCEO(オスカー・アイザック)の邸宅に泊まる権利を得る。そして、彼は知らず知らずのうちに、会社が開発した最新の人工知能であるAva(アリシア・ヴィキャンデル)の実験台になってしまう。
おすすめポイント:『エクス・マキナ(Ex Machina)』は、このリストの中の他作品ほど派手ではなく、アクションもないが、卓越したキャストによる魅力的な映画であり、優れたSFスリラーの要素をすべて備えている。
『ターミネーター』(1984)では、人類は殺人ロボットに悩まされていた
TriStar
『ターミネーター(The Terminator)』は『マトリックス』の15年前に公開された作品だ。このアクション映画では、殺人サイボーグ(アーノルド・シュワルツェネッガー)がスカイネットと呼ばれる人工知能ネットワークの未来を守るためにサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)を殺しに2029年からやってくる。
おすすめポイント:ジェームズ・キャメロン監督は『マトリックス』が公開される15年前にSF映画の常識を覆す作品を発表した。6つある続編はさまざまな評価を受けているが、長期に渡るシリーズ化は、第1作目の偉大さを証明している。
『マイノリティ・リポート』(2002)は我々に警告を与えるサイバースリラーだ
20th Century Fox
『マイノリティ・リポート(Minority Report)』もディストピアの未来を描いている。遠い未来、警察官のジョン・アンダートン(トム・クルーズ)は、予知技術を使って殺人を犯す前の犯罪者を検挙する任務を負っていた。しかし、同じその技術によって、彼は会ったこともない男の未来の殺人事件の容疑者になってしまう。
おすすめポイント:『マトリックス』と同じく、『マイノリティ・リポート』もディストピアの未来を舞台にしたSFスリラーだ。前者がコンピュータ・プログラミングや技術を駆使して物語を進めるのに対し、後者は主人公自身の使う技術が彼を攻撃することになる。
『アップグレード』(2018)では、ある男が新たに手に入れた能力に適応していく
Universal Pictures
『アップグレード(Upgrade)』でも意外な形でヒーローが誕生する。グレイ・トレース(ローガン・マーシャル=グリーン)は強盗に襲われてかろうじて生き延びたが、目が覚めると半身不随で、妻は死んでしまっていた。しかし、金持ちの後援者が奇跡の治療法を提供し、彼は超人的な能力を得て、復讐を行う。
おすすめポイント:『マトリックス』では、モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)に鍛えてもらうことで、ネオは孤独なハッカーからカンフーの達人になる。『アップグレード』では、トレースが新しい力で思いもよらずヒーローになる軌跡が描かれている。
『ブレードランナー2049』(2017)は、特殊効果が見事なSF映画だ
Warner Bros. Pictures
『ブレードランナー2049(Blade Runner 2049)』では、ブレードランナーと呼ばれる未来の捜査官、K(ライアン・ゴズリング)が、長年の秘密の答えを得るために元ブレードランナーのリック・デッカード(ハリソン・フォード)を探す。
おすすめポイント:SF映画の名作『ブレードランナー』(1982)の続編、『ブレードランナー2049』はゴズリングが新たな視点を提供してくれる。『マトリックス』のように、『ブレードランナー』シリーズは、革新的な世界観と最先端の特殊効果によって、視聴者を映画の世界に完全に没入させることができる。
『アイ,ロボット』(2004)はロボットと人間が共存する未来を描いた
20th Century Studios
2035年を舞台にした『アイ,ロボット』は、探偵のデル・スプーナー(ウィル・スミス)が、ロボティクス企業のCEOの謎の死を調査する姿を描いている。ロボットから人間を守るための法律が制定されているにもかかわらず、スプーナーはアンドロイドの犯行ではないかと疑う。
おすすめポイント:このリストの多くの作品と同様に、『アイ,ロボット』は未来におけるロボットと人間の関係を探求している。『マトリックス』では機械と人間の戦いが描かれているが、本作ではロボットと人間の、より微妙な関係が描かれている。
キアヌ・リーブスは『ジョン・ウィック』(2014)で、今も自分がアクションヒーローであることを証明している
Lionsgate
引退した凄腕暗殺者のジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)は、マフィアのボスの息子に自分の犬を殺される。復讐のために彼は再び立ち上がる。
おすすめポイント:『マトリックス』以来、リーブスはさまざまなジャンルの作品を手がけてきたが、最近では『ジョン・ウィック』シリーズで大きな成功を収めている。本作とそれに続く続編では、手に汗握るアクションシーン、見事な殺陣、そして存在感のある悪役が登場する。その中でリーブスが主人公として、犯罪者や一流の暗殺者を次々と倒していく姿を見逃してはいけない。『ジョン・ウィック(John Wick)』シリーズの第4弾は2022年公開予定。
[原文:12 films to watch if you love 'The Matrix']
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)