ロシアのコーヒーショップでロボットウェイターのトレイに皿を載せるウェイトレス。記事中で紹介されているロボテックのロボットではない。
Photo by Vladimir Gerdo\TASS via Getty Images
- 人手不足に悩むダラスのレストランでは、ロボットを1台1日15ドルでレンタルしているとCNNが報じた。
- ロボットは客を迎えたり、料理をテーブルに運んだり、歌を歌ったりすることができるとレストランのオーナーは話している。
- それまでスタッフは「仕事の重圧に押しつぶされ、オーバーワークで、フラストレーションがたまっていた」という。
テキサス州にあるラテンアメリカ料理のレストランでは、スタッフの確保に苦労しており、ロボットを1日15ドル(約1650円)で借りて、客にサービスを提供しているとCNNが2021年9月8日に報じた。
ダラスのレストラン「ラ・ドゥーニ(La Duni)」のオーナー、エスパルタコ・ボルガ(Espartaco Borga)はCNNの取材に対し、ロボットたちは客を迎え入れ、料理をテーブルに運んでいると述べた。また、笑顔を見せたり、「ハッピー・バースデー」を歌ったりすることもできるという。
ロボットを使うことは職場の労働力不足を補うために、「当然のこと」だったと彼は話す。それまでスタッフは「仕事の重圧に押しつぶされ、働きすぎていて、イライラしていた」という。
ロボットはレストランのスタッフにとって代わるものではないと彼は付け加えた。
ボルガがInsiderに語ったところによると、このレストランでは、料理を運ぶパンチータ(Panchita)、ドリンクを運ぶアレキシータ(Alexcita)、そして接客アシスタントのコケッタ(Coqueta)の3台のロボットを48カ月間の契約でリースしたという。
人間の場合は1、2週間のトレーニングが必要なのに対し、ロボットは90分の初期設定で作業を開始できるとボルガはInsiderに語った。
「経済的にも非常に理にかなっている」
ボルガはロボットで節約したお金で、従業員の勤務時間を短くして、より高い賃金を支払うことができるとCNNに語っている。
ボルガは、テキサス州のアメリカン・ロボテック(American Robotech)社からロボットを借りたという。Insiderはアメリカン・ロボテックにコメントを求めたが回答は得られていない。
パンデミックや冬にテキサス州を襲った嵐の影響で落ち込んでいた客足が戻ってきてはいるものの、従業員はまだ戻ってきていないとボルガはCNNに語った。ボルガはインタビューの中で「戻ってこなかったのは従業員だけだ」と話している。
「スタッフが3分の1に減ったのに、パンデミック前から比べて50%から100%も仕事量が増えている。だから無理をして働きすぎ、客もスタッフも皆、イライラしていた」
アメリカ全土のレストランは、深刻な人手不足に悩まされている。
カリフォルニア州にあるアービーズ(Arby's)は人手不足のために、ドライブスルーに音声アシスタントロボットを導入して注文を取らせ、スタッフをキッチンに配置し直したとAP通信が報じた。
ミシガン州のあるレストランのオーナーは、十分なスタッフがいないため、友人にシフトに入ってもらうよう依頼していると地元のニュースサイトWSBTが報じた。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)