- フェイスブックは、レイバンと共同開発したスマートグラスを発売した。価格は299ドルから。
- 20種類のスタイルがあり、写真やビデオの撮影、音楽の再生、通話などが可能だ。
フェイスブック(Facebook)は2021年9月9日、スマートグラス「Ray-Ban Stories」を発売した。20種類のスタイルの組み合わせが可能で、価格は299ドルから。
このメガネには小型のカメラが搭載されており、写真やビデオを撮影してスマートフォンに送信することができる。また、小さなスピーカーが内蔵されており、音楽を再生したり、電話をかけたりすることもできる。
フェイスブックはこの新製品を「冒険を共有する」ための新しい方法としており、ユーザーは「友人、家族、そしてあなたの周りの世界と常に一緒にいることができる」という。
ソーシャルメディアの巨人フェイスブックは、スマートグラス市場に挑戦する最新のハイテク企業だ。グーグル(Google)は2014年に「Google Glass」を発売したが、大きな批判を受けてすぐに販売を中止した。
その2年後、スナップチャットのSnapはカメラ付きメガネ「Spectacles」でこの市場に挑戦した。しかし、大きな注目を浴びていたにもかかわらず、最終的には4000万ドル分の製品が売れ残った。
フェイスブックのスマートグラス「Ray-Ban Stories」。
フェイスブックのスマートグラスは、レイバンのクラシックなウェイファーラーのデザインを生かしたものだが、すでにプライバシーの問題が指摘されている。
バズフィード(Buzzfeed)の記者は、スマートグラスの録画開始時に点灯する白いライトを黒いテープで覆う実験を行った。フェイスブック・リアリティ・ラボ(Facebook Reality Labs)のAR担当バイスプレジデント、アレックス・ハイメル(Alex Himel)は、カメラのライトはプライバシー団体と協議した上で追加されたものであり、メガネに手を加えることは製品の利用規約に違反していると述べた。
フェイスブックは自社のウェブサイトで、このメガネは「プライバシーを考慮して設計された」と述べている。しかし、ニューヨーク・タイムズが指摘したように、同社が「第三者」であるとするプライバシー専門家の1人は、フェイスブックが資金提供している組織「Future of Privacy Forum」で働いている。
フェイスブックは、メガネのプライバシーガイドラインを紹介するサイトを作成した。
フェイスブックのスマートグラスはアプリとセットで使用する。
フェイスブックは、VRヘッドセット「Oculus Quest」「Oculus Go」を皮切りに、時間をかけてハードウエア製品の販売を拡大してきた。マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOは、Oculus Questは期待を上回る成果を上げていると述べている。
このスマートグラスは、現在、アメリカ、オーストラリア、カナダ、アイルランド、イタリア、イギリスのオンラインストアおよび一部の小売店で販売されている。
[原文:See Facebook's Ray-Ban smart glasses that can take photos and calls]
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)