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経済的不平等が全体の繁栄を妨げている…アメリカは30年で23兆ドルを失った

不平等を訴えるデモ

Spencer Platt/Getty Images

  • 経済的不平等によって、アメリカ経済から30年間で22.9兆ドルが失われたと、新たな論文で発表された。
  • 人種的・民族的マイノリティが不利な状況に置かれていることで、アメリカ人全体の繁栄を妨げているとも指摘している。
  • 人口に占めるマイノリティの割合は増加しており、このまま何もしないでいると、経済的な損失はさらに拡大するという。

経済的不平等とは、一部の人々が豊かで、その他多くの人々がそれに追いつけずに苦しんでいる状態を意味する。

しかし、影響を受けるのは恵まれない人々だけではない。新たな研究によると、誰もが平等にチャンスを得られれば、アメリカの経済全体が恩恵を受けるという。

ブルッキングス研究所(Brookings Institution)が発行する学術誌「Brookings Papers on Economic Activity(BPEA)」に、9月9日付けで掲載された研究論文によると、長年にわたる人種的・民族的マイノリティに対する不平等は、過去30年間でアメリカ経済に合計22.9兆ドル(約2兆5000億円)の損失を与えたという。これは、2021年のアメリカのGDPとほぼ同額だ。

研究チームは、もし機会と成果が人種や民族を超えて平等であれば、アメリカ経済はどれほど大きくなっていたかを数値化しようと試みた。1990年から2019年における25歳から64歳までの白人、黒人、ヒスパニック系の男女の経済的な機会と成果の違いについて調査し、雇用、労働時間、教育水準、教育活用率(どれだけ教育水準に見合う仕事をしているか)、所得の格差などを分析したところ、損失額は数十兆ドル規模になることがわかった。

政府が何十年にもわたって社会から疎外されたコミュニティにサービスを提供してこなかったことが、それらのグループに害を与えただけでなく、アメリカ人全体の繁栄を妨げてきたと研究チームは述べている。

「経済活動に参加し、能力と努力に基づいて成功する機会があることは、アメリカという国家と経済の根幹を成すものだ」と研究者らは言う。

「だが残念ながら、構造的なバリアによって多くのアメリカ人にとってのこの根幹が揺らぎ、何百万人もの人々の才能が十分に活用されない、あるいはまったく活用されないままになっている」

この論文は、サンフランシスコ連邦準備銀行のメアリー・ダリー(Mary Daly)総裁、サンフランシスコ連邦準備銀行のローラ・チョイ(Laura Choi)副総裁、ボストン大学の大学院生のリリー・サイテルマン(Lily Seitelman)、スタンフォード大学の大学院生のシェルビー・バックマン(Shelby Buckman)により執筆された。

より公平な経済を構築するには

経済格差に対処するのは簡単なことではない。まず、教育水準と教育活用率の格差が、経済格差をなくすための取り組みを難しくしている。白人やアジア系アメリカ人は、黒人やヒスパニック系アメリカ人よりも、自分の教育水準をフルに活用した仕事に就く可能性が高い。研究チームは、平等性を高めるには教育を受ける機会を増やすだけでなく、人々が自分の教育レベルに合った仕事を見つけられるようにする必要があると述べている。

また、民間企業にも協力してもらう必要がある。これまでの研究によると、人種差別的な雇用をする企業では収益性の低下が見られる一方、多様性のある雇用をする企業ではより高い収入や市場シェア、より確実な利益がもたらされる傾向があることがわかっている。人種、民族、性別による雇用や給与の格差をなくすための投資は、平等性を高めることに貢献すると同時に、企業の収益を向上させるという。

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