アップルは、iPad mini 第6世代を発表した。
出典:アップル
アップルは9月14日(現地時間)、新型タブレット「iPad mini(第6世代)」を発表した。9月24日に発売。
日本における価格とストレージ容量・モバイル通信(5G)の組み合わせは以下の通り。
- 64GB/Wi-Fiモデル……5万9800円(税込)
- 64GB/Wi-Fi+Cellularモデル……7万7800円(税込)
- 256GB/Wi-Fiモデル……7万7800円(税込)
- 256GB/Wi-Fi+Cellularモデル……9万5800円(税込)
iPad mini初のフルモデルチェンジ、USB Type-Cにも対応
iPad mini 第6世代は、右上のホームボタンにTouch IDを内蔵する(最新のiPad Airと同じ)。
出典:アップル
iPad miniは2012年に発売し、Touch IDやApple Pencil対応など進化は続けていたものの、第5世代(2019年発売)まで大きな「見た目の変化」はなかった。
14日の発表会でアップルCEOのTim Cook(ティム・クック)氏は、今回のiPad miniについて「これまでで最大のアップグレード」と表現。実際に外観だけではなく、以下の点が第5世代iPad miniより上回っている。
アップル公式サイトの情報をもとに、編集部で作成。
作成:Business Insider Japan
- iPad ProやAirのような上下左右の画面額縁が狭く角丸なデザイン
- ディスプレイは、7.9インチから8.3インチに大型化
- チップセットは、A15 Bionic(iPhone 13シリーズと同世代)
- 背面カメラは、8MPから12MPに高画質化
- 正面カメラは、7MPから12MPに高画質化した上で、超広角レンズ搭載
- 充電/接続インターフェイスは、LightningからUSB Type-Cへ
- セルラー版は、5Gに対応(ミリ波には非対応)
- Apple Pencilは、第2世代(本体側面で充電)に対応
スピーカーの数は同じだが、第6世代では横置き時に左右に配置されるようになった。
出典:アップル
ただし、他のiPadと違い、純正アクセサリーであるキーボード「Magic Keyboard」「Smart Keyboard Folio」には非対応なのは変わらず。
また、デザインが大幅に変わったことから、既存のケースなどを使いまわすのは難しいだろう。
買い替えの決め手は「USB Type-C」「Apple Pencil」「5G」
充電/データ転送用の端子がLightningからUSB Type-Cになった利便性は大きい。
出典:アップル
筆者は2019年に第5世代iPad miniを購入して、現在も愛用している。当然、このモデルチェンジは大歓迎で、既にこの原稿を完成させる前にAppleのオンラインストアで購入した。
買い替えの決め手となったのは、USB Type-C対応、Apple Pencil 第2世代対応、5G対応の3点だ。
筆者はメインスマホがAndorid。タブレットがiPad Pro、そしてPCはMacもWindowsも使っているが、ほぼ全ての持ち物がUSB Type-C端子を搭載している。ただ、iPhoneとiPad miniだけが、Lightningを搭載している。
第6世代iPad miniに変えるだけで、持つべきケーブルが1つ減る。しかも、カメラやさまざまなUSB機器をより手軽に接続できるようになるのもうれしいポイントだ。
充電しやすい第2世代Apple Pencilに対応した点は、イラストなどを描く人以外も注目すべきだ。
出典:アップル
Apple Pencilについては、絵を描くわけではないのであまり性能面では第1世代でも問題ないが、充電方法には不満があった。本体で充電する際、第1世代Apple Pencilは本体のLightningポートに直挿しする必要があり、非常に不恰好だった。
第2世代Apple Pencilは本体にマグネットで吸着し、充電される仕組みのため、スマートでかつ「ペンの蓋をなくす」という心配もなくなる。
第1世代Apple Pencilに対応していた第5世代iPad mini。充電する姿は不恰好で、蓋を無くす可能性もあった。
撮影:小林優多郎
最後に、5Gに関しては筆者の活動範囲である都心では比較的つながる機会も増えてきたため、本体で作業する際だけではなく、テザリングをしてモバイルルーター代わりになることに期待している。
ただし、前述の内容はどれも「今よりいい環境になる」というだけで、第4世代iPad miniから第5世代iPad miniにかけてApple Pencilに対応したような「できることが広がる衝撃」はない。
第5世代iPad miniから買い換えるかどうか決断するには、こうした機能強化・環境改善が自らのビジネスに大きく響くかどうか検討する必要があるだろう。
(文・小林優多郎)