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- 中国恒大集団が直面している3050億ドル(約33兆3000億円)の債務危機は「対処可能」な状況だと、ヘッジファンド大手ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者で著名投資家のレイ・ダリオ氏は語った。
- 9月21日のインタビューでダリオ氏は、この危機は2008年のリーマン・ブラザーズの破たんとは違うと話した。
- 中国恒大は23日に利払い期日を控えているが、支払えない可能性が高い。
中国の不動産開発大手、中国恒大集団を破たんへ向かわせている3050億ドルの債務危機は、2008年のアメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズの破たんとは違い、状況は「対処可能」だと、ヘッジファンド大手ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者で著名投資家のレイ・ダリオ氏は9月21日、CNBCで語った。
「リーマン・ブラザーズの破たんは、システムを通じて広範囲にわたる構造的ダメージをもたらしましたが、今回のことは根底から揺るがすような類のものではありません」とダリオ氏は話した。
3050億ドルの債務を抱える中国恒大は、世界で最も多額の負債を抱える企業だ。同社は23日に利払い期日を控えているものの、支払えない可能性が高く、債務不履行(デフォルト)に陥る可能性があると示唆している。中国恒大の窮状が中国の経済成長に悪影響を及ぼし、金融システムを通じて波及するのではないかとの恐れから、20日には世界同時株安が引き起こされた。
市場では、2008年の世界金融危機を引き起こしたリーマン・ブラザーズの崩壊を思い出すという声も上がっている。
「中国恒大集団が負っているのは3000億ドルで、これは全て対処可能だ」とダリオ氏は語った。
中国政府が中国恒大の危機にどのように対応するのかは不明だが、一部のアナリストたちは中国政府が市場を安定させ、影響の広がりを抑えるために、中国恒大の部分的な再編を実行するのではないかとの見方を示している。
(翻訳、編集:山口佳美)