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創業時から「週休3日」のベンチャー企業。社員はどう働いているのか?

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週休3日のベンチャー企業・600で働く社員3人に、休日の使い方をインタビューした。

撮影:横山耕太郎

オフィス向けの無人ストアなどを展開するベンチャー企業・600(ろっぴゃく)。

同社は2021年4月にはマンション向けの無人ストア「Store600」をサービス開始したことで注目を集めるが、実は2017年に起業して以来ずっと「週休3日」を導入している企業でもある。

600の社員数は20人で、土日に加えて水曜が定休日。勤務時間は午前9時から午後6時と1日の労働時間は平均的な長さ。待遇については、「週休2日の企業からの転職者でも、前職と同等か、それ以上の収入になっている」という。

成長中のベンチャー企業で、「週休3日」は本当に可能なのか?社員たちは3日ある週休をどう使っているのか?

600で働く社員3人に聞いた。

副業でスキルの「輸出入」

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マンション共用部などに置かれる無人ストア・Store600。専用アプリで開錠し、値札についているQRコートで決済する。

提供:600

「水曜日は別の会社で複業しています。私のような技術職の場合、1社だけにいるとスキル面でもキャリア面でも手詰まりを感じてしまうことが多い。今は2社に深くコミットしていて、理想の働き方ができている」

600でマンション向け無人ストアのデザインを担当する金子剛さん(35)はそう話す。

金子さんは2020年10月に入社。600では商品の見せ方など、顧客体験全体を設計を担当している。金子さんの週休3日の使い方は副業だ。

水曜日と土曜日の午前は、フィンテック企業・KAERU(カエル)で主にアプリのUXデザインの副業をしています。副業ではシニアでも使いやすいようなユニバーサルなデザインを実現することが基本になるのですが、ここで得た知識が本業にいきることも多い。

今は副業で得たスキルを本業で試したり、逆に本業でうまくいったことを副業で試したり、スキルの輸出入ができています」

ヤフーで目の当たりにしたゲームチェンジ

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ヤフーや弁護士ドットコムを経て600に入社した金子剛さん。

撮影:横山耕太郎

金子さんは新卒でヤフーに入社。その後、転職先の弁護士ドットコムではデザイン部の部長を務めた。

「弁護士ドットコムではマネジメント職を担当していたのですが、このままウェブ中心のデザイナーとして10年後、20年後もやっていけるのか不安でもあった。クリエイターの世界では、スキルを切り売りして同じことをやっているだけでは、どんどん市場価値が下がってしまう

金子さんがヤフーに入社した2008年は、iPhoneが日本で発売された年。その時の衝撃がキャリアの考え方を変えたという。

ヤフーに入社前はパソコン画面のデザインを勉強してきたのに、入社してすぐ『スマホ向けのデザインを作れ』と言われた。iPhoneによって一気にゲームチェンジが起きました。

同じようなゲームチェンジは必ず起きる。その時のために、できるだけ違う領域で経験を積んでおくことが大事だと思い知った」

若手クリエイターにとっては難しさも

週休3日で働くデメリットはないのか?

「仕事の取捨選択を迫られるので、『何をやらないのか』を決める不安はある。たくさんの手を打てると安心はできるので」

また特に若いクリエイターにとっては、週休3日とどう向き合うのか「判断が難しいかもしれない」と話す。

「人生で何を優先するのかは人それぞれでいいと思っています。ただ企業で働くクリエイターの多くは、これまで若いうちは手数を多くこなして成長していくのが一般的。他のクリエイターが週5日勤務するのが当たり前な中で、週4日で働けば経験の差が出てしまうこともある。

もちろん週休3日でも自身で強い意志を持った優先順位付けができれば問題ないものの、新卒入社などでいきなりキャリアやプライベートをごちゃまぜにした優先順位付けに向き合うのは大変な面もあるのではないか

週休3日でフットサル再開

600の本多美範さん

本多美範さんは「週休3日で働くことで休日にアイデアが浮かぶようになった」と話す。

撮影:横山耕太郎

「初めは『週に3日も休んでいいのかな』とそわそわした。前職がお客さん相手の仕事で、有休も取りづらかったこともあり、環境の違いに驚いた」

無人ストアの商品の補充など、現場オペレーションの責任者を務める本多美範さん(26)はそう話す。

本多さんは新卒でオフィス用品を扱う企業で営業職に就いていたが、「副業可能でかつ週休3日」という就業条件に魅力を感じ、2019年に600に入社した。

本多さんの週休3日の使い方は、フットサルの練習と副業だという。本多さんは現在、東京都女子フットサル1部リーグのチームに加入しており、関東リーグ入りを目指して練習を続けているという。

「社会人になりフットサルから離れていましたが、週休3日になり平日夜でも練習に打ち込めるようになった」

本田さんの場合、週休が1日増えた年収は転職前に比べると上がり、ライフスタイルの変化にも対応しやすいと感じるという。

「前職の営業職では子育て中の女性がおらず、長く働ける職場ではないと感じていた。今もフルタイムで子育てをしている友人もいるが、女性が長く働くという意味でも週休3日は可能性があると感じる

3人の子育て中の執行役員

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撮影:今村拓馬

「子どもが3人いるので、買い物や掃除、洗濯等はもちろん、学校からの連絡に対応するなどの『名もなき家事』に休日を使っている」

600起業の約半年後、2018年1月に2人目の正社員として入社した執行役員・阿部愛さん(41)はそう話す。

阿部さんはベンチャーキャピタルのサムライインキュベートに約7年間勤務し、その後600に転職。現在は、採用人事から広報、総務経理までバックオフィス全般の責任者を務める。

プライベートでは、高校生の長女と長男、中学1年生の次女の3人の母でもある。この4月には長男が甲子園出場実績のある強豪の高校野球部に入部したこともあり、食事に気を使ったり、メンタル面のサポートをしたりする時間が増えた。

「家庭の時間も大事にしないと、特にこの3年間は後悔すると思って毎日取り組んでいる。空いた時間を利用して知り合いの会社で情報システムや労務周りの副業もできており、仕事と家庭のバランスはとりやすい環境だと感じている」

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