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脱ルッキズム?「顔写真非公開」の恋愛マッチングサービスが続々誕生、人気の理由

マッチングアプリ

求人サービスのアルゴリズムを活用、アバターでゲームなど、マッチングアプリ市場に新たな波が訪れている。

提供:リブセンス、バンク・オブ・インキュベーション

日本だけでも760億円を超えるとも言われるマッチングサービス市場。プロフィール写真や肩書きなどのステータスで相手を選ぶものが主流だが、それを覆すサービスが次々と生まれている。

顔写真不要、男女同料金、脱・ヘテロセクシャル(異性愛)偏重……既存サービスの価値観に揺さぶりをかけるゲームチェンジャーたちに話を聞いた。

「ブラインドマッチ」という新常識

リブセンス、村上太一

リブセンス社長の村上さん。自身の体験がマッチングサービスに新規参入するきっかけになったという。

提供:リブセンス

顔写真、プロフィール非公開のマッチングサービス「knew」を運営するのは、人材サービスなどを手掛けるリブセンス(東京都品川区)だ。2021年4月にプレリリース版をローンチした。

自身のプロフィールと、趣味・家事育児への取り組み方・結婚願望などマッチングしたい相手の希望条件を登録。あとは運営側から紹介されるのを待つだけで、「いいね」も「スワイプ」もメッセージのやり取りも必要ない。相手を気に入れば5分間のビデオチャットを行い、互いに好感を持てば連絡先を交換、会う約束を取り付けるなど自由に先に進める仕組みだ。

knewの最大の特徴はビデオ通話をするまで相手の顔が分からない「ブラインドマッチ」だが、なぜそのような仕組みを導入したのか。リブセンス社長・村上太一さんは言う。

「昨年、初めてマッチングアプリを使ってみたんですが、マッチの基準として顔写真の比重があまりにも大きいというか……顔で相手を選ぶ風潮を助長するようなものが多くて驚きました。

他にもたとえば、希望の条件として『年齢は29歳まで』と設定したら、30歳でも魅力的な人はいるのにその人には出会えないような仕組みになっていたりする。

『顔』を比較して『条件』で切り捨てて、恋愛や結婚ってこんな世界観でいいんだっけ?という違和感がknewのコンセプトにつながっています」(村上さん)

ルックス先行のマッチングに8割が疲弊

マッチングアプリ

「マッチングアプリ」「写真」で検索をかけると、専用の撮影サービスや撮影指南のサイトがずらりと並ぶ。

出典:MATCHING PHOTO公式HP

マッチングアプリは大きく分けると、自分のプロフィールや相手の希望条件を細かく入力する「検索」型、ランダムに表示された相手をスワイプしていく「カジュアルマッチング(スワイプ)型」がある。前者はPairs、後者はTinderなどが代表的だが、どちらも最も大きく表示されるのはプロフィール写真、つまり顔写真という「ルックス先行」型のマッチングであることに変わりはない。

「いいね」をもらいやすい写真撮影や加工のテクニック指南はもちろん、マッチングアプリの写真をプロに撮影してもらうサービスが人気なのも頷ける。

しかしknewの調査によると、既婚者・恋人がいる人に相手の第一印象をたずねたところ、3人に1人が「外見は好みではなかった」(34%)と回答。それでも付き合った理由として最も多かったのは、「内面や雰囲気が好み」(46%)だったからだという。

サービスの設計はルックス重視、一方で現実は内面重視。こうした乖離もあってか、「好みの相手が見つからない」「マッチングがうまくいかず自信を喪失する」など、マッチングアプリユーザーの実に80%が「マッチングアプリ疲れ」を感じていたのだ。

さらに、見た目が良いと言われている人ほど顔写真を出さない仕組みを歓迎していることも分かっている。

「knewは既存のマッチングアプリに疲弊している人でも使いやすいサービスを目指しています。私たちも容姿の好みをマッチングの判断要素にしてはいますが、既存のサービスよりもそのボリュームは格段に少ない。それでもユーザー調査では、顔を知らずにビデオチャットした後も『相手と連絡を取り続けたい』と思っている人の割合は70%を超えています」(村上さん)

求人サービスのアルゴリズムを恋愛にも

マッチングアプリ

ビデオチャット後のフィードバックを元に、アルゴリズムを更新中だ。

出典:Knew公式HP

リブセンスといえば、企業が求人サイトに情報を掲載することにお金を支払う「掲載課金」型ではなく、応募した人材を採用した時に初めてお金が発生する「成功報酬」型の仕組みをアルバイト求人サイト「ジョブセンス(現マッハバイト)」に導入したことで有名だ。

メリットはサイトだけでなく、オンライン外の、つまり応募後のリアルデータも入手可能になり、より最適な人と仕事のマッチングが可能になること。採用された人には「お祝い金」も送っていた。

knewでもビデオチャット後に相手の印象や今後どうしたいかをたずねて、そのフィードバックを元にマッチングの精度を高め、交際したカップルにAmazonギフト券を1000円ずつ送る「交際祝い金」制度を設けている。

「既存のオンラインデーティングサービスでは追うことが難しかった“マッチングのその後”までケアしてデータを入手することで、より最適な提案ができるよう努めています。登録時にフリーテキストが一切必要ないのも、徹底したデータドリブンでサービスを伸ばしていくことを目指しているから。求人サービスと同じように、既存のサービスの価値観を大きく変えることで市場を伸ばしていきたいです」(村上さん)

現在はプレリリース版でウェブサイトのみの運営だが、今後はアプリもリリース予定。海外展開も視野に入れているという。

アバターでマッチ、「会話が続かない」悩みも徹底サポート

マッチングアプリ、恋庭

アバターでマッチング、ゲームを通して仲を深めていくのが「恋庭」だ。

提供:バンク・オブ・インキュベーション

一方、アルゴリズムによって最適化された相手ではなく、「共同体験」を提供しているのが、スマホゲーム開発会社バンク・オブ・インキュベーション(東京都新宿区)のマッチングアプリ 「恋庭」だ。2021年4月にサービスを開始した。

スワイプするのは顔写真ではなく、自分でカスタムした「アバター」。マッチングしたら2人だけのゲーム空間が誕生、好みの庭を造り上げる「ゲーム」を通じてコミュニケーションを深めていく。

マッチングの判断材料としてアバターと共に表示されるプロフィールは、ニックネーム・年齢・居住地のみだが、2人でゲームをして過ごす時間が増えるにつれ、徐々に「趣味」「出身地」などのライトなものから、「身長」などの容姿にまつわる内容や、「年収」なども開示される。

さらに運営側から2人に質問が出されるようになっており、これも「第一印象」など答えやすいものから、ゲームが進むにつれ「一緒にどんなクリスマスを過ごしたい?」「次の週末は暇?」「いつ会いたい?」など、恋愛の核心に迫るものになっている。

マッチングアプリ

恋庭を開発したバンク・オブ・イノベーションの古川さん。

撮影:竹下郁子

「告白」ボタンもあり、好意はあるのにどう思いを告げたらいいか分からない、いわゆる「草食系」にカテゴライズされる人へのサポートも万全だ。

開発を担当した同社の親会社バンク・オブ・イノベーションの古川貴博さん(新規事業グループ・グループマネージャー)は言う。

恋愛に積極的ではない人もしっかり恋活できる、そして見た目や仕事・学歴などのステータスではなく、価値観でマッチングできる仕組みを目指しています。

たとえば既存のマッチングアプリだとNGにしていた身長でも、恋庭ではゲームを通じて仲良くなった状態で知るので乗り越えられたりする。

学生時代って学園祭の準備をするうちに恋に落ちたりしたじゃないですか。それをゲームに置き換えたような、自然に恋愛感情が芽生えるシチュエーションを提供したいんです」(古川さん)

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