サービスは一時停止に… グーグル系宅配ドローンがカラスに襲われる【動画】

鳥とドローン

Muhammed Enes Yildirim/Anadolu Agency/Robert Alexander/Getty Images

  • オーストラリアでは宅配ドローンが繰り返し鳥に襲われ、キャンベラの一部地域でサービスを一時停止せざるを得なくなった。
  • 宅配サービスを提供する「ウィング(Wing)」は、研究者らが鳥の行動を評価するまで待つと述べた。
  • ドローンが襲われる様子を撮影した男性は、ドローンが墜落するのは「時間の問題だった」と語った。

オーストラリアの首都キャンベラでドローンによる宅配サービスを提供している「ウィング」は、ドローンが巣を守るカラスから攻撃を受け続けているため一時的にサービスを停止さぜるを得なくなったという。

グーグルの親会社であるアルファベット傘下のウィングは、2019年からキャンベラでコーヒー、薬、オフィス用品などあらゆるものを住民に届けている。

しかし、ドローンをカラスが襲う事故が複数報告されたことで、同社は9月21日、キャンベラの一部地域でサービスを一時停止すると発表した。キャンベラ・タイムズ(Canberra Times)が報じた。

キャンベラでは現在、新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)が続いていて、ドローンによる配達の需要が急増している。

毎朝、このドローン・サービスを利用してコーヒーを注文していた地元住民のベン・ロバーツ(Ben Roberts)さんは、カラスによる襲撃を捉えた動画をネット上に投稿した。

「カラスたちがドローンを墜落させるのは時間の問題でした。ドローンをターミネーターか何かだと思っているのでしょう」とロバーツさんはキャンベラ・タイムズに語った。

カササギをはじめ、タカやオナガイヌワシといった鳥たちもドローンを攻撃することで知られている。

動画はこちら

ABCニュース・オーストラリア(ABC News Australia)によると、ウィングは地元の顧客に向けた声明の中で「この地域で一部の鳥が縄張り行動を見せたり、動いている物を急襲していることを確認しています」と述べた。

ウィングの広報担当者は、この動画のドローンは攻撃を受けた後に配達を完了し、施設に戻ったとInsiderに語った。

同社のドローンは「このようなことが起きた場合でも安全にオペレーションを続けられるよう、何段階もの冗長性を持っている」とも話した。

ウィングは「限られた数」の顧客へのサービスを一時停止していると語ったが、具体的な数字は明かさなかった。一部地域を除いて、サービスに影響はないという。

鳥類学者のニール・ハームズ(Neil Hermes)氏はABCニュース・オーストラリアの取材に対し、カラスは非常に縄張り意識が強いものの、これまでドローンを攻撃したことはなかったと話している。

「カラスは犬を急襲したり、巣の周りで活動しますが、ドローンを攻撃するというのは新しいです」とハームズ氏は語った。

UAVトレーニング・オーストラリア(UAV Training Australia)のチーフ・パイロットでインストラクターのウェイン・コンドン(Wayne Condon)氏は、ドローンの操縦者はすでに分かっている営巣地を避けるべきだとABCニュース・オーストラリアに話している。

「結局のところ、空は鳥たちのもので、わたしたちは訪問者なのです。迅速に行動すれば、ドローンを救い、鳥を傷つけることもない!と祈るしかありません」とコンドン氏はキャンベラ・タイムズに語った。

8月には同じくオーストラリアのブリスベンで、カササギの急襲を逃れようとした母親がつまずき、腕に抱いていた生後5カ月の赤ちゃんが落下、死亡する悲劇的な事故が起きている。

編集部より:この記事は原文のアップデートを受け、ウィングのコメントなどを一部加筆しています(2021年9月29日19:05)。

[原文:Watch a raven attack a delivery drone from Google's sister company, forcing it to suspend some deliveries in Australia

(翻訳:大場真由子、編集:山口佳美)

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み