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都民ファーストが国政新党「ファーストの会」設立。小池知事は衆院選に「立候補しない」(詳報)

会見する「都民ファーストの会」の荒木代表。

会見する「都民ファーストの会」の荒木代表。

撮影:吉川慧

小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会(都ファ)」が10月3日、東京都千代田区のホテルで設立会見を開いた。新党の名前は「ファーストの会」

会見した都ファ代表の荒木千陽都議は、「保守中道」の主張を掲げるとした。

荒木氏は「保守本流路線から大きく離れる政党や選挙目当てに左旋回を強める野党、この国の分断すら懸念される中、強い危機感を持って立ち上がった」と述べた。

新党の党首は荒木氏が務める。具体的政策は後日説明の機会を設けるとした。

結党会見では党役員、党綱領などは公表されなかった。追って公式サイトで公開するという。

荒木氏は小池知事が役員に名を連ねるかどうかは「その可能性は排除しない」とし、現時点では「私が代表である」とした。小池都知事は会見に姿を見せなかった。

党名は「小池氏と相談して決めた」 今後の連携に期待か

記者会見の模様。

THE PAGE

党名について、荒木氏は「赤ちゃん、子ども、シニア、生命や暮らし、健康のファーストなど、国民の皆さん一人一人が自分の一番大事と思われるものを守る。そういった声に寄り添っていきたい」として、「あえてファーストの前に言葉はつけなかった」とした。党名は小池知事と「相談した」という。

ただ、都ファが国政新党設立をプレスリリースで表明した10月1日、小池知事はぶら下がり会見で「都民ファーストの会の皆さんが何やら動いておられることについて、関与・関知しておりません」と発言している。

小池知事は衆院選への出馬についても「意思も意図もない」と否定した。現時点では、6月の都議選の時と同じく自らが選挙戦の「顔」となる姿勢は見せていない。

一方、3日の会見での荒木氏の言葉からは、今後の小池氏の関与を期待している節も見えた。

荒木氏は「小池知事は立候補しない。立候補の要請もしない」「(これまでに)出馬要請もしていない」としつつ、今後の連携を相談したい意向を示した。

現役都議の鞍替え否定せず

記者会見に登壇した都民ファーストの会のメンバー。左から入江のぶこ総務会長、荒木代表、龍円あいり都議。

記者会見に登壇した都民ファーストの会のメンバー。左から入江のぶこ総務会長、荒木代表、龍円あいり都議。

撮影:吉川慧

荒木氏によると、立候補者については現在調整中。東京においては25の選挙区全てでの候補者擁立を目指す。候補者公募も実施するという。

ただ、目標の獲得議席数と勝敗ラインは現時点では申し上げられないとした。

ファーストの会には現時点で現職の国会議員は所属しておらず、政党要件は満たしていない。

荒木氏も含めて、3カ月前の都議選で当選したばかりの都ファ所属の現職都議の「鞍替え立候補」は否定しなかった。

10月21日には衆院議員が任期満了を迎え、11月上旬には衆院総選挙が実施される公算が大きい。

立憲民主党を軸とする野党共闘が進む中、都ファ新党がどんな政策や思想を主張し、国政で存在感を放てるのか。小池都知事が今後積極的に関わるのか、国民民主党など野党共闘に参加しない他党と連携するのかも併せて注目される。

荒木氏は「報道は見させていただいている」としつつ、他党との連携は否定しなかった。

「都民ファースト」が“国政”を狙うのは、今回が初めてではない。

2017年9月に新党「希望の党」の設立を表明した小池都知事。

2017年9月に新党「希望の党」の設立を表明した小池都知事。

REUTERS

「都民ファーストの会」は2016年7月の東京都知事選で勝利した小池知事が“生みの親”の政治団体をルーツに持つ地域政党。

2017年の都議選では「小池旋風」で圧勝し第一党になったが、小池氏は「二元代表制」(有権者が首長と議員をそれぞれ別の選挙で選ぶ仕組み)の相互チェック機能が失われると批判を受け、都ファ代表を辞任した。

やがて小池氏は都ファを足がかりに国政進出を企図。2017年9月に小池氏自身が「私が旗を掲げる」として、当時の野党第一党だった民進党との合流で政権交代を狙う国政政党「希望の党」を結成した。

この時の結党会見は、東京都庁のお膝元、東京・西新宿のホテルで開かれた。

「希望の党」には、自民党を離れて小池氏の側近となっていた若狭勝氏のほか、細野豪志氏や長島昭久氏、松原仁氏ら民進党出身者、中山恭子氏ら保守政治家も名を連ねた。結党会見では、当時小池氏が用いていた「アウフヘーベン」というドイツ語も話題になった。

当時、民進党の代表だった前原誠司氏は二大政党制をつくりたいとして「希望の党」との連携を決断。ところが、これは失敗に終わる。

小池氏は憲法改正などで政治理念や政策が一致しない公認希望者をめぐり「民進党から離党を」「(リベラル派などは)排除いたします」と明言。民進党は事実上解党に追い込まれたからだ。

一方、小池氏の「排除」発言を受けて、民進党でリベラル派代表格の一人だった枝野幸男氏は新党「立憲民主党」を旗揚げ。民進党内のリベラル勢力が合流した。

REUTERS

小池氏が「政権選択選挙になる」と勝負に出た「希望の党」、民進党の分裂、立憲民主党の結成……。

こうして迎えた2017年10月の衆院選。希望の党は代表の小池氏自身は出馬せず、また「排除」発言も尾を引いて惨敗。公示前の野党第一党の座は枝野氏が率いる立憲民主党に取って代わられた。総選挙後、小池氏は代表を辞任した。

その後「希望の党」は分党し、所属議員は「国民民主党」などに合流。国政進出に失敗した小池氏は、以後「都政に邁進する」として、公には国政進出を否定し続けてきた。

2021年7月の都議選では、小池氏は表立って「都ファ支援」を明言する機会は少なく、改選前議席から議席を減らしたものの「惨敗」は回避。都議会自民党に第一党の座を渡したものの、自民の単独過半数を阻止。都ファは第二党の座を確保した。

都議選から3カ月。折しも、自民党では小池氏と「不仲」とされている菅義偉首相が総裁選に出馬せず、岸田文雄新総裁が選ばれた。

岸田氏は10月4日にも開かれる臨時国会で次の首相に指名される予定だ。加えて、衆院議員は10月21日に任期満了を迎える。いよいよ国政を担う政党を決める総選挙は間近だ。

かつて「希望の党」は解散総選挙のタイミングで結党されたが、今回も同様に総選挙間近での立ち上げとなった。

現状、野党側では市民連合と立憲・共産・社民・れいわ新選組による政策協定が結ばれた。立憲民主党と共産党は、初めて新政権で閣外協力で合意した。候補者一本化も進む。

国民民主党は自民党と対峙しつつも野党共闘に参加せず、一方で玉木雄一郎党首は2日「(都民ファーストの会の)3日の記者会見でどういう方針なのかまず見定めたい」と述べ、衆院選での連携を否定しなかった。日本維新の会も、与党に対して「是々非々の立場」という姿勢だ。

(文・吉川慧

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