ワールドビュー・エクスプローラー。
World View
- 宇宙旅行のスタートアップ企業ワールドビュー(World View)は、ロケットなしで乗客を成層圏に送り出す宇宙船を作っている。
- 最初の宇宙旅行は2023年の予定で、参加者が負担する費用はわずか5万ドルだ。
- この宇宙船はグランドキャニオンやグレートバリアリーフなど古代から続く奇観に作られたスペースポートから打ち上げられる予定だ。
宇宙旅行の時代が始まったが、今のところ、それは決して安いものではない。リチャード・ブランソン(Richard Branson)のヴァージン・ギャラクティック(Virgin Galactic)は乗客に25万ドル(約2770万円)を請求しているが、アリゾナ州のある企業はわずか5万ドル(約555万円)で希望者に宇宙への旅を提供しようとしている
ワールドビュー・エクスプローラー。
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ヴァージン・ギャラクティックは、億万長者の創業者リチャード・ブランソンと3人の乗組員の宇宙旅行を実現した。
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成層圏気球を設計・製造する企業、ワールドビュー(World View)は、ロケットを使わない宇宙船で市場に参入しようとしている
ワールドビュー・エクスプローラー
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ワールドビュー・エクスプローラー(World View Explorer)という名のこの未来的な船は、ヴァージン・ギャラクティックの飛行時間(2、3時間)の2倍以上である6時間から12時間浮揚し、約30km上空の成層圏まで乗客を運ぶ
ワールドビュー・エクスプローラー。
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同社の最初のミッションは、建設予定のスペースポート・グランドキャニオン(Spaceport Grand Canyon)から2023年に打ち上げられる予定だ。現在、ワールドビューはアリゾナ州タスコンのスペースポートから成層圏気球を打ち上げている
ワールドビュー・エクスプローラー。
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ワールドビュー・エクスプローラーは、従来のジェット燃料の代わりに天然資源を動力源としている。上昇していく。カプセルは巨大な気球を使って時速16kmから20kmでゆっくり浮揚するように設計されているため、乗客がGや乱気流を感じることはないという
ワールドビュー・エクスプローラー。
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ワールドビューは、成層圏で展開するパラセールを使用してスムーズに船を着陸させる計画だ
ワールドビュー・エクスプローラー。
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この宇宙船はあらかじめ軌道が設定されている完全自律型で、参加者はスペースポートから離陸し、設定された着陸地点に降下することになっている
ワールドビュー・エクスプローラー
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ワールドビューは世界各地に打ち上げ場所の建設を計画している。参加者が地球とのつながりを感じられ、地球の湾曲とユニークな眺望を見ることができる場所を選ぶという
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同社はグランドキャニオン、グレートバリアリーフ、万里の長城、タンザニアのセレンゲティ国立公園、アマゾン熱帯雨林などを含んだスペースポート建設候補地リスト「古代世界の七不思議 成層圏版(Seven Wonders of the Ancient World Stratospheric Edition)」を作成した
ワールドビュー・エクスプローラー。
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ワールドビューの社長兼CEOであるライアン・ハートマン(Ryan Hartman)によると、彼は人々にセレンゲティの動物の移動や、宇宙からやってくるオーロラの光などを見てもらいたいと考えているという。「それは、人々が地球とつながることができるような不思議なものでなければならない」とハートマンはInsiderに語っている
ワールドビュー・エクスプローラー。
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また、カプセルが1年のうち100日程度飛行できる場所でなければならないとハートマンは述べている。また、新たな雇用の創出など、地域経済への貢献も期待しているという。
ワールドビュー・エクスプローラー。
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同社ではシステム全体で28機の宇宙船を用意し、7つのサイトでそれぞれ1日4回のフライトを行う計画だ。この船は日食のような特別な天体イベントの観測にも使用できるが、その際は必ずしも「七不思議」の場所からではなく、地球上で最も見やすい場所から打ち上げるという
ワールドビュー・エクスプローラー。
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この体験の費用は5万ドル(約555万円)で、すでに予約を受け付けているが、同社によるとローンも用意されているという。ハートマンは宇宙旅行が手頃な価格で人々に親しまれるものであってほしいと考え、そのために融資することは重要だと説明している
ワールドビュー・エクスプローラー。
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競合他社と比較して5万ドル(約555万円)は安い。宇宙船の動力源となる天然資源がジェット燃料よりも安価であることや、船自体がロケットを使用しないことから低価格での提供が可能になったとハートマンは話している
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ワールドビューは、参加者の体験を重視しているので船は快適だが豪華なものではないと述べている。しかし、グレートバリアリーフでのシュノーケリングや、ラスベガスでの食事などのハイエンドなオプショナルツアーを含むパッケージを各地で提供する予定だ
ワールドビュー・エクスプローラー。
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ワールドビュー・エクスプローラーは2人の乗務員に加えて8人の乗客が搭乗できる。同機は自律的に作動するがすべてが正常に作動していることを確認するために乗務員1人が搭乗し、もう1人の乗務員は乗客に食事や飲み物の提供などのサービスをする
ワールドビュー・エクスプローラー。
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ハートマンによると、そのカプセルは「快適なバブル」であり、化粧室、バー、船の底の丸窓から星を見たり地球を見下ろすことができるフルフラットシートを備えているという
ワールドビュー・エクスプローラー
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この体験は宇宙服を必要としない。旅客機と同様に気圧と温度がコントロールされ、「半袖でも快適な環境(short-sleeve environment)」になるように設計されている
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高帯域データリンクなどの興味深い技術も搭載される予定で、地上にいる家族や友人にFaceTimeのようなビデオ通話を利用して体験していることを伝えることができるという
ワールドビュー・エクスプローラー。
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座席のモニターからズームインして地表を間近に見られるカメラや、光害のない状態で星を見るための昔ながらの望遠鏡も装備する
ワールドビュー・エクスプローラー。
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同社は4、5カ月かけて試作機を完成させ、2022年半ばまでにテスト飛行を開始する予定だ。このカプセルのデザインは白紙の状態だが、3回の試験飛行を成功させた旧バージョンの発展型になると見られている
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ワールドビューの目標は、人々に新しい視点から地球を見てもらい、「宇宙旅行を地球活動に変える」ことだという。同社はこの旅によって人々が地球に感謝し、地球を守りたいと思うようになることを期待している
ワールドビュー・エクスプローラー
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(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)