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ハーレー・ダビッドソンが電動自転車で取り組むサステナビリティ

シリアル1の電動自転車。

シリアル1の電動自転車。

Serial 1

  • シリアル1は、乗り物のメーカーとして初の垂直統合(開発、生産、販売、サービス提供などを単一企業がすべて担う)を実現したブランドだ。
  • シリアル1の4種類の電動自転車は、メンテナンスの手間がかからない、都市生活者にとっての車の代替品を目指した設計になっている。
  • ハーレーダビッドソンは2020年にシリアル1を分社化したが、ハーレーのディーラーでこの電動自転車を販売する。

アメリカのオートバイメーカー、ハーレーダビッドソン(Harley-Davidson)が2018年に立ち上げた電動自転車メーカー「シリアル1・サイクル・カンパニー(Serial 1 Cycles Company)」(以下「シリアル1」)は、自転車業界におけるビジネスモデルと独自開発の進展を示している。

既存の自転車メーカーと提携したり、アジアの製造施設で既存のモデルをリブランディングしたりする他のメーカーとは異なり、シリアル1は、ウィスコンシン州ミルウォーキーにあるハーレーダビッドソン本社で、電動自転車の設計と技術開発を行っている。「我々は、この機会が重要で意義あるものだと感じている」とシリアル1のブランドディレクター、アーロン・フランク(Aaron Frank)は言う。

「成功するための唯一の方法は、本当によい製品と廃れることのない本当によいブランドを構築するために投資をすることだ」

当初は、象徴的なハーレーダビッドソンの名を冠した電動自転車ブランドを立ち上げる計画だったが、シリアル1は2020年にハーレーダビッドソンからスピンオフした。しかしフランクによると、ハーレーダビッドソンは引き続き少数の株式を保有し、ヨーロッパとアメリカにある同社のディーラーで、シリアル1の電動自転車を販売し、メンテナンスサービスも提供するという。

シリアル1は、オールバーズ(Allbirds)パタゴニア(Patagonia)のように、環境への配慮を前面に打ち出したサステナブルな企業というわけではない。しかし、シリアル1をはじめ、バンムーフ(VanMoof)チャージ(Charge)ゴーサイクル(Gocycle)といったメーカーが製造する電動自転車は、自動車に代わる交通手段として重要であり、二酸化炭素排出量の大幅な削減に貢献できる。また、ゴミの埋立地に送られる部品やバッテリー、あるいは自転車本体の量を減らすことができるため、数年にわたってメンテナンスしながら使える優れた構造の電動自転車は、低価格の粗悪な競合製品よりも持続可能性が高いと言える。

フランクが語る、シリアル1のビジネスモデルで最も重要なポイントを以下で紹介しよう。

自転車に乗らない人のためのデザイン

シリアル1は、3800ドル(約42万円)から5500ドル(約61万円)までの4つのモデルを提供しており、そのうち3つは街乗りに適している(サプライチェーンの問題により、2020年秋に価格が上がった)。アメリカとヨーロッパではウェブサイトから注文できる。また、アメリカの一部の独立系自転車ショップや、ハーレーダビッドソンのディーラーでも購入できる。

1500ドル(約17万円)以下の電動自転車を販売している競合他社は多いが、フランクによると、シリアル1のモデルは、自転車に乗った経験が少ない人のために、直感的で使いやすく、メンテナンス性に優れ、長持ちするように設計されている。カーボンファイバー製のベルトドライブなどは初期投資としては高価だが、交換や手入れの回数が少なく、結局は廃棄物やリペアショップに行く時間を減らすことができる。「サイクリストではない人たちは、ディレイラー(変速機)の調整などしたくない」とフランクは言う。

「彼らはただ、自転車に乗って走りたいだけだ」

車の代わりとしての利用を想定

シリアル1のモデルは、自動車や公共交通機関に代わる通勤手段として、主に都市部での利用を想定している。同社が行った市場調査によると、この通勤手段としての利用が、特に新型コロナウイルスのパンデミックの間、ヨーロッパとアメリカの自転車業界にとって最大のチャンスとなることがわかったとフランクは述べている。また、NBCニュースの分析によると、公共の自転車シェアリングサービスに占める電動自転車の割合は、2020年5月の11%から2021年5月には38%に上昇している。

シリアル1は当初、北米では電動自転車が高価なおもちゃとして見られるだろうという認識に基づき、富裕層のレジャー利用をターゲットとしていた。だがこのような認識は、ヨーロッパやアメリカの大都市ですぐに見直され、ターゲットは電動自転車を主要な移動手段として使用する人々に置き換えられた。

その結果、高い価格帯のモデルでさえ、予想外に若年層や富裕層ではない人が購入するケースが増えているという。「自動車を1年間使用するのにかかる費用と、電気自転車を1年間使用するのにかかる費用には相当な差がある」とフランクは言う。

「たとえ5000ドルや1万ドルをかけて電気自転車を買ったとしても、交通費として考えるとかなり安い」

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