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内部告発を考えている人へ…安全に行うためのハンドブックを公開

イフェオマ・オゾマ

イフェオマ・オゾマ

Adria Malcolm

  • 内部告発を考えている人のための「手引書」が、その困難なプロセスを明らかにしている。
  • これは、ピンタレストの元従業員で内部告発を行ったイフェオマ・オゾマら、いくつかのグループによるプロジェクトだ。
  • このハンドブックでは、弁護士の見つけ方や秘密保持契約などについてアドバイスしている。

シリコンバレーのハイテク業界では、セラノス(Theranos)の劇的な破滅やフェイスブック(Facebook)幹部による告発など、内部告発がニュースになることが増えている。だが、内部告発の内容が大きく報道される一方、告発した人物がなぜ名乗り出ることを決意したのかは、多くの場合、謎だ。

先ごろ発表されたハンドブックは、この状況を変えようとしている。『Tech Worker Handbook(テック界で働く人の手引き)』は、起こり得る法律上の面倒な問題から、報道関係者との連携、考えなければならないセキュリティー対策まで、豊富な資料で内部告発のプロセスを段階ごとに詳しく教えてくれるものだ。

プロジェクトの指揮を執るのは、ピンタレスト(Pinterest)を内部告発したイフェオマ・オゾマ(Ifeoma Ozoma)だ。透明性を高め、報道機関と提携する告発者を支援する内部告発の国際的非営利組織、ザ・シグナルズ・ネットワーク(The Signals Network)、「ネタ」を持つ従業員とジャーナリストとのパイプ役を務めるPR会社のライオネス(Lioness)などの研究および資料が含まれている。資金を提供するのはオミダイア・ネットワーク(Omidyar Network)のtech accountability fund(技術説明責任基金)だ。

このプロジェクトの目的はテック界で働いていて、重要な情報を公表したいと考えている人が、十分な情報に基づいて判断できるようにサポートすることだとオゾマはInsiderに語っている。「準備は力だ」とオゾマは説明し、内部告発を考えている人はジャーナリスト、雇用問題を専門とする弁護士、行政関係者とコンタクトを取る方法を知るために「ウィスパー・ネットワーク(内輪の情報網)に頼る」必要はない、と付け加えた。

オゾマはこのウェブサイトについて、職場の不正や不祥事の情報を告発する手順を説明書する「ハウツー本」になることを目指しているのではないと述べた。ちょうど、雇用主が新入社員に渡すハンドブックのような、すべてのテック企業従業員がアクセスできるようにすべき情報の一覧だという。

このハンドブックには秘密保持契約に関する記述があり、この夏、Insiderがこれをテーマとした記事が引用されている。同記事は、本来、企業の秘密情報を守ることが目的の守秘義務契約(NDA)が、シリコンバレーにおいては非常に広範囲に適用されており、職場についてのほぼすべてを口外禁止にできることを明らかにした。

同記事では、テック企業の従業員がひどく混乱していることも明らかになった。Insiderに秘密保持契約書の写しを提供した従業員の3分の2以上は、この文書が一体、何を言うなと言っているのか、また、これを共有すること自体契約違反なのかどうかさえ、よく分からないという。

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