調達額は4年で7倍。VCが最も注目する環境系ITベンチャー7社

環境テック

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調査会社PitchBookのデータによると、2021年に入ってから環境系ITのスタートアップがベンチャーキャピタル(VC)から調達した額は、10月初旬時点で190億ドル(約2兆900億円)となっている。

これは2020年の調達額115億ドル(約1兆2700億円)をすでに上回る数字であり、2017年の28億ドル(約3100億円)と比較すると約7倍だ。この分野への投資の勢いはまだまだ続きそうだ。

環境関連に取り組むIT企業が成功する例はあまりなく、投資家が数十億単位で損を出していた2000年代前半の状況と比べると、この盛り上がりは全く対照的だとクリアビジョン・ベンチャーズ(Clearvision Ventures)のマネージング・パートナーであるダン・アン(Dan Ahn)は言う。

アンをはじめとするVCによれば、いまや環境系ITは注目の的となっており、炭素会計や環境リスクモニタリングなどの分野は優良な投資対象として考えられている。

環境関連IT事業に投資しているVCから、最も注目度の高いスタートアップについて聞いた。

1. オーロラ・ソーラー(Aurora Solar)

オーロラソーラー

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拠点:カリフォルニア州サンフランシスコ

事業内容:ソーラー関連の専門家による住宅など、建物向けの太陽光パネルプロジェクトの設計や販売をサポートする3Dモデリングのプラットフォームを開発。

調達額: 3億2000万ドル(約350億円)

注目すべき理由:オーロラ・ソーラーのソフトウェアを使うと、太陽光発電の導入でどれだけ電気代を節約できるかを顧客に示せるようになっており、太陽光発電への切り替えを促す。また建物に何枚のパネルが設置できるのか、バックアップ電力のために何個のバッテリーが必要なのかも計算してくれる。

2021年5月にシリーズCラウンドで2億5000万ドル(約280億円)を調達し、2年間で3億2000万ドル(約350億円)を調達したことになる。

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