テスラのCEO、イーロン・マスク氏(2021年8月13日、ドイツ)。
Patrick Pleul/Pool via Reuters
- イーロン・マスク氏は、テスラの工場を「地球の外」に作ることに抵抗はないようだ。
- 「自分が死ぬまでに見てみたい。最高だろう」とマスク氏は株主総会で語った。
- アマゾンの創業者で民間宇宙企業ブルーオリジン(Blue Origin)を率いるジェフ・ベゾス氏は、全ての公害産業を宇宙に移すことに関心を示している。
イーロン・マスク氏は、テスラ車をいつか「地球の外」の工場で作ることに抵抗はないようだ。
本当にそれが現実になるかどうかは、誰にも分からない。ただ、テスラのCEO —— 宇宙企業スペースXも率いている —— は10月7日の同社の年次株主総会でそうした考えを口にした。
テスラが「地球外で工場」を開業するまでにあと何年かかるかアナリストに尋ねられたマスク氏は、「ぼくはその考え方が好きだ」と答えた。
「自分が死ぬまでに見てみたい。最高だろう」とした上で、それが現実になるまでには「40年くらい」かかるのではないかと笑った。
マスク氏は、地球以外の惑星で車を作る潜在的なメリットについては特に語らなかった。ただ、その目標の1つは恐らく、地球上で自動車を製造することで排出される二酸化炭素の量を減らすことだろう。ブルーオリジンを率いるジェフ・ベゾス氏は、全ての公害産業を宇宙に移すことに関心を示している。
しかし、マスク氏のこの考えは株主総会で同氏が語ったコメントと矛盾しているように見える。テキサス州オースティンとドイツの首都ベルリンの工場が完成した後、テスラはさらに工場を増やすつもりなのかどうか尋ねられたマスク氏は、「工場を作るのは大変なんだ」と強調した。
同氏はテスラが2022年に場所を選定し始め、2023年に決定する可能性もあるとしたが、はっきりしなかった。
マスク氏が目指しているのは、できるだけ自動車を売れる場所の近くで作ることだ。だからこそ、テスラは上海(中国市場向け)に工場を作り、ドイツ(欧州市場向け)に工場を建てている。その点で、テスラ車を購入者の100%が生活している地球を離れ、宇宙で作ることがどうプラスになるのかは不明だ。
テスラ車を地球から遠く離れた惑星で作る —— そして、それを現地で生活している人々に売る —— というアイデア自体は、"マスク氏らしい考え"に思えるかもしれない。同氏率いるスペースXは約20年前の立ち上げ以来、最も有名な民間宇宙開発会社の1つとなっていて、宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)へ送り届けたり、地球へ連れ帰ったり、米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士を月面に運ぶ宇宙船の建造の委託先にも選ばれている。
[原文:Elon Musk wants Tesla to build cars on another planet before he's dead]
(翻訳、編集:山口佳美)