通勤や通学または散歩やランニングなどの外出時にも手軽にスマートフォンなどで音楽やコンテンツを楽しめるワイヤレスイヤホン。
今回は、家電コーディネート会社「インテコ」代表の戸井田さんにご協力いただき、以下のような安くても良質なワイヤレスイヤホンを選ぶポイントを解説してもらいました。
- 価格別の機能性を知って、予算内でも優先する機能が搭載されているのかをチェック
- 屋外のスポーツに使うなら汗や突然の雨に備えて、防滴・防水性能をチェック
- リモート会議に使ったり、ジョギング中の会話を楽しんだりするならマイク機能をチェック
「家でじっくり音楽を楽しみたい」「外でジョギングをしながら音楽を楽しみたい」「リモート会議でも使いたい」など、利用シーンに応じてチェックすべき機能は変わってきますので、ぜひこの記事で押さえていきましょう。
また、記事の後半では、安くておすすめのワイヤレスイヤホンを価格帯別にご紹介していますので、購入の参考にしてみてくださいね。
なお、以下の表示価格は変更の可能性もありますので、詳細は販売ページをご確認ください。
■ 監修者
■ 目次
‐基本的な考え方
‐形状ごとの特徴
‐完全独立型とは
‐左右一体型とは
‐スマートフォン(iPhone、Android)で使用する場合
‐パソコンで使用する場合
‐【1,000~3,000円台】の左右一体型
‐【3,000~5,000円台】の完全独立型
‐【3,000~5,000円台】の左右一体型
‐【5,000~10,000円台】の完全独立型
‐【5,000~10,000円台】の左右一体型
ワイヤレスイヤホンの選び方
イヤホンを選ぶ時の基本的な考え方とは
Image:Shutterstock
安くても良質なワイヤレスイヤホンを選ぶ上で、まず理解しておきたいポイントは、優先する機能と価格は比例していることです。
たとえば、外出時の使用が多くて高い防水(防滴)機能を求める場合、またはリモート会議などでも使うため、通話時の品質(ノイズキャンセリング機能など)を求める場合など。
このような場合は、最低でも5,000円以上の予算が必要になってきますが、同じ価格帯でもそれらの機能が搭載されていない製品も存在します。
その代わり、音楽鑑賞に向いていて低音やクリアな高音域などの音質に長けているということが考えられますが、もし防水(防滴)や通話時の品質を優先する場合は、間違った選択になってしまう可能性もあります。
また、「ラジオや動画を楽しみたい」「特に音質にこだわらない」という場合は、3,000円以下でも良質な製品を見つけることができるでしょう。
これから、価格帯別に一般的な製品に搭載されている機能、次にワイヤレスイヤホンの種類、要注意なデバイスとBluetoothについて解説していきます。
【価格別で解説】期待できる機能
1,000~3,000円台の場合
一般的なイヤホンです。ラジオを聞いたり動画を見たりする程度であれば、特に問題はありません。ただし、音楽にこだわりを持つ人や重低音を楽しみたい人にとっては、物足りない可能性が高いです。
<この価格帯の機能>
- 左右一体型のみ
- ハンズフリー対応
- 連続再生時間は数時間程度(フル充電までに数時間かかるケースもある)
3,000~5,000円台の場合
クリアな中高音とパワフルな低音が特徴的な価格帯です。また、Bluetoothは音声を圧縮して通信する仕組みですが、その通信はコーデックと呼ばれる方式となり、さらにコーデックはSBC、AACなどの5種類に分かれます。この価格帯の場合、標準的なSBCや、やや高音質なAACに対応しています。
ただし、SONYの「WI-C310」と「WI-SP500」は、「価格の差=防水性能」の有無であり、周波数あたりの仕様がほぼ同じケースの場合、音質の違いが感じにくいケースもあります。
<この価格帯の機能>
- 大容量バッテリー(3,000円以下モデルと比べると連続再生時間が増加)
- 防水性能(IPX4、5程度)
- 充電ケース
5,000~10,000円の場合
低価格モデルと比べて解像度が高く、低音から高音までカバーできる音質が広がります。コーデックもAAC・SBC・aptXなどに対応しているケースがあります。聞き取りやすい音質のため、より音楽を楽しみたい方におすすめです。
<この価格帯の機能>
- ノイズキャンセリング機能・高い防滴・防水仕様・急速充電可能
ワイヤレスイヤホンの種類
形状ごとの特徴|メリット、デメリットなど
耳に入れる左右のイヤホン部分は、3タイプ「カナル型」「インナーイヤー型」「耳掛け型」に分かれています。それぞれの特徴を解説します。
カナル型
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<どんな利用方法に向いているか>
周囲から遮音して音声に集中したい場合など。
<特徴>耳栓のように耳穴に密着するタイプ。しっかり装着することで、イヤホンからの音漏れを防ぐことが可能。
<メリット>
- 低音や重低音を表現するのが得意なモデルが多い
- 遮音性が高い
- 耳の大きさに合わせてイヤーピースのカスタマイズが可能
<デメリット>
- 人によっては密着感が「違和感」につながるケースもある
- 外部の音が聞こえにくくなるため、外を歩くときや車の運転中などに使用すると危険を招く恐れがある
インナーイヤー型
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<どんな利用方法に向いているか>
耳に負担をかけずに長時間利用したい場合など。
<特徴>
耳のふちに引っかけて、耳に軽くフタをするように装着する。
<メリット>
- 長時間の使用でも耳への負担が少ない
- 外部の音が聴こえるため、犯罪・事故防止には効果的
- 密着による違和感を感じる心配がない
<デメリット>
- 音漏れしやすい
- 集中して音楽を聴きたいときでも外部の音が入ってきてしまう
- 構造上、低音・重低音が弱い傾向がある
耳掛け型
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<どんな利用方法に向いているか>
ジョギングなどのスポーツをしながら使用する場合など。
<特徴>
フックを使って耳に引っかける。オーバーイヤーフィットスタイル、ハンガータイプなどとも呼ばれる。
<メリット>
- 耐衝撃性および耐振動性が高い
- 耳の穴のサイズを気にする必要がない
- カナル型よりも広がりのある音を感じられる
<デメリット>
- カナル型と比べると遮音性は低め
ケーブルが一切ない、完全独立型ワイヤレスイヤホンとは
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完全ワイヤレスイヤホンは、左右のイヤホンが完全に独立しているタイプです。「完全分離型」や「フルワイヤレスイヤホン」とも呼ばれ、モデルによっては片耳だけで使用することもできます。
充電はケースに入れるだけでOKです。ケース本体に、ワイヤレス送受信機とバッテリーが内蔵されています。ケーブルで繋がれている左右一体型と比べると、価格は高めです。
なお、完全独立型ワイヤレスイヤホンの低価格モデルは、およそ4,000~9,000円です。
ケーブルで繋がれている、左右一体型ワイヤレスイヤホンとは
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左右一体型ワイヤレスイヤホンは、左右のイヤホンがケーブルで繋がっているタイプです。「左右一体型」「ネックバンド型」と呼ばれることもあります。左右のイヤホン同士は有線で繋がっていますが、デバイスとはワイヤレス接続が可能です。
完全独立型ワイヤレスイヤホンと比べると、高コスパな商品が多い傾向にあります。一般的には1,000~4,000円くらいが低価格とされています。入門用のワイヤレスイヤホンとしてもおすすめです。
マイクの有無
近年は、マイク搭載のワイヤレスイヤホンも増えています。テレワークの増加に伴いオンラインミーティングを行う回数が増えているという方も多いでしょう。
マイク搭載型のワイヤレスイヤホンは、そのような方にもおすすめです。また、ジョギングなどスポーツ中の会話も楽しめるなど、使い勝手が良いことも大きなメリットのひとつです。
選ぶ際は、あらかじめBluetoothのバージョンやコーデックなどをチェックしておきましょう。
マイク付属のデメリットはほとんどありませんが、同じ品質のモデルであれば、マイクがあることで価格が上がることもあります。また、充電切れや充電のし忘れにも注意が必要です。
【要注意】使用するデバイスとBluetoothのバージョン
Bluetoothの場合、バージョン5.1が主流です。ただし、ワイヤレスイヤホンまたはデバイスのバージョンが古いと、ペアリング(接続)できない場合があります。そのため購入前に、所有しているデバイスと購入を検討しているワイヤレスイヤホンの互換性を確認しておきましょう。
スマートフォン(iPhone、Android)で使用する場合
<iPhone一覧>
<Android 一覧>
パソコンで使用する場合
Windows、Macともに、「LMPバージョン/Bluetoothバージョン」対応表を確認してください。
参照:Microsoft「PC に搭載されている Bluetooth のバージョンを確認する」
【価格別】おすすめのワイヤレスイヤホン20選
【1,000~3,000円台】おすすめイヤホン(左右一体型)
●パナソニック RP-NJ310B-K
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耳に吸い付くようなフィット感のダブルホールド形状。長時間の装着やランニング中の装着でも安定しています。音質は力強い低音が特徴的。音楽の迫力を楽しむことができます。Bluetooth対応のスマートフォンと接続すればハンズフリー通話も可能です。
●JBL TUNE 115BT(一体)
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超コンパクトサイズのJBL入門機器です。低価格ながら、力強い低音とクリアな高音域を特徴とするJBLサウンドをしっかり実現してくれます。イヤホンは、ソフトなイヤーチップ素材を使用したカナル型です。しっかりフィットしながら、快適な装着感をキープしてくれます。
●JVC HA-FX37BT(一体)
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14時間再生の大容量バッテリーを持つネックバンド型のワイヤレスイヤホンです。ネックバンド部にバッテリーやリモコン等を配置することで、ヘッドホン本体の軽さをキープしています。
安定した装着感で長時間のリスニングを楽しめる点も魅力のひとつです。カラーは、ポップ&カジュアルな4色展開。ハンズフリー通話用マイク、簡単リモコンも搭載しています。
●audio-technica ATH-CK150BT(一体)
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シンプルで使いやすいデザインが特徴のワイヤレスイヤホン。耳元で音楽・通話の操作や音量調整ができるインラインコントローラーが便利です。
音漏れしにくい密閉型のため、通勤・通学時にも最適。CK150BT専用設計のドライバー採用により、低域から中高域までクリアに再生してくれます。
【3,000~5,000円台】おすすめイヤホン(完全独立型)
●ELECOM LBT-TWS10BK(分離)
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かわいい・楽しい・カラフルをテーマに、“意外にいい音"が手軽に体験できる、ワイヤレスイヤホン入門者向けモデルです。
耳穴の形状に合わせたエルゴノミクスデザインを採用しているため、女性や小柄な方の耳にもぴったりフィットしてくれます。イヤホン落下の不安を軽減し、快適に音楽を楽しみたい方におすすめです。
●Anker Soundcore Soundcore Life P2(分離)
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IPX7相当の防水機能搭載モデルです。天候やシーンを気にせず、いつでも音楽や通話を楽しむことができます。最大40時間連続再生が可能なため、屋外での使用に最適です。
左右のイヤホンの単独使用と両耳での使用を簡単に切り替えることができるため、安全面も安心。ジョギングやウォーキング中の利用もおすすめです。
●JVC HA-A7T(分離)
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片耳4.8gと軽量小型でシンプルなワイヤレスイヤホンです。日常防水IPX4(約10L/分の水をあらゆる方向からノズルで5分間注水しても、本体機能を保護する)をクリアしています。
15分の充電で約1時間の連続再生が可能なクイック充電にも対応しているため、お出かけ前に充電のし忘れに気づいても対応できます。内蔵マイク搭載のため、テレワークやハンズフリー通話にも使用可能です。
【3,000~5,000円台】おすすめイヤホン(左右一体型)
●audio-technica ATH-CKS330XB(一体)
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IPX2相当の防水と最大20時間のロングバッテリーを有するモデルです。お出かけ前に約10分充電すれば、約2時間使用することができます。
音と映像のずれを抑える低遅延モード( Low Latency Mode)が搭載されているため、ゲームや動画鑑賞にも最適です。
●SONY WI-C310(一体)
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絡まりにくく管理がしやすいフラットケーブル採用モデルです。SONY「WI-SP500」と比較した場合の特徴としては、連続再生時間の長さが挙げられます。
自宅での使用時間が長く、防滴仕様が不要な方におすすめです。クリアな中高音と重厚でパワフルな低音を再生する高磁力ネオジウムマグネットを搭載しています。
●SONY WI-SP500 (一体)
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特徴は、IPX4相当の防水と周囲の音が聞きやすい解放型。周囲の人とコミュニケーションをとりながらトレーニングするときや、周囲の音が気になる場所でのランニングなどにも便利です。
突起状の滑りにくいイヤーチップを採用しているため、激しい運動でも外れにくい点がポイントです。
●JBL ENDURANCE DIVE(一体)
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IPX7相当の防水性能があり、スポーツ中のリスニングに最適です。直感的な操作が行える「タッチコントロール」機能が搭載されているため、運動中にボタンを探す必要がありません。
本体内臓で1GB分のmp3を入れることができます。全5色の豊富なカラーバリエーションも嬉しいポイントです。
【5,000~10,000円台】おすすめイヤホン(完全独立型)
●AVIOT TE-D01gv(分離)
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イヤホン本体とチャージングケースの上部には、ツヤ感がありキラキラと光る粒子を散りばめた特殊塗装が施されています。下部は手触りの良いマット塗装が施されており、徹底的に“かわいい”に振った異色のモデルです。
電波の混雑具合や音声のデータ量に応じて、転送ビットレートを可変させ、より高い接続安定性を実現しています。低遅延性能をも併せ持つ新しいコーデック、aptX™ Adaptiveを採用し、動画再生やゲームにも力を発揮します。
● audio-technica ATH-SQ1TW(分離)
Image: Amazon.co.jp
IPX4の防水規格と高いデザイン性を併せ持つモデルです。充電ケーブルからイヤピースに至るまで、6 色すべてがこだわりのカラーコーデは、特別感を感じさせてくれます。
映える色とカタチは、ファッションコーディネートを楽しめます。音と映像のずれを抑える低遅延モード搭載で、動画視聴やゲームプレイにも最適です。
●YAMAHA TW-E3B(分離)
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楽器メーカーのYAMAHAならではの音楽の躍動感を感じさせるワイヤレスイヤホンです。リスニングケア機能で、最適な音量に音を合わせてくれるほか、音量に合わせて音のバランスを補正する機能も搭載されています。
防水規格に関しても、日常使いでは申し分のないIPX5相当です。音を純粋に楽しみたい方におすすめです。
●Anker Soundcore Soundcore Liberty Air 2(分離)
Image: 楽天
充電ケースと本体で最大28時間再生。また、急速充電10分で2時間の再生が可能と、再生時間にこだわったワイヤレスイヤホンです。
「Soundcore」アプリを使用することで、イコライザー設定やイヤホンのタッチ操作も、簡単にカスタマイズ可能です。別売りのワイヤレス充電器を購入すれば、置くだけでケースごと充電ができます。
●JVC HA-XC50T(分離)
Image: Amazon.co.jp
防水・防塵・耐衝撃の「TRIPLE PROOF」タフボディが特徴のワイヤレスイヤホンです。IP規格のIP55をクリアしています。汗や埃に強く、過酷な環境でも使用できます。
カラーは、ストリートファッションにも映える4色展開。本体質量5.6gと小型軽量ボディのため、女性にもおすすめです。
●JBL Tune 120TWS(分離)
Image: Amazon.co.jp
コンセプトは「JBLサウンドをお手軽に」。普段づかいに特化したJBL「TUNE」シリーズ初の完全ワイヤレスイヤホン入門モデルです。ボタンをワンタッチするだけで、ハンズフリーのステレオ通話も可能。
通勤・通学時にも音楽を楽しみたい方におすすめです。
【5,000~10,000円台】おすすめイヤホン(左右一体型)
●audio-technica ATH-CKS550XBT(一体)
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ATH-CKS330XBと比較するとφがより大きくなり、さらに低音が強化されています。マルチペアリングで8台接続可能なため、複数のBluetooth搭載デバイスを所有する方に、特におすすめです。
キレのある重低音が再生できる点は高評価ですが、ATH-CKS330XBに比べるとバッテリーの持ちが悪く、防水性能もありません。
●Beats Beats Flex(一体)
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アメリカで誕生したオーディオブランド「Beats」のブランド力を感じさせるイヤホンです。AppleW1チップ搭載のため、Apple製品との相性は抜群。電源を入れ、iPhoneやiPadに近づけるだけでiCloudに同期しているすべてのAppleデバイスが接続できます。また、Fast Fuel機能により、10分の急速充電で1.5時間の再生が可能です。
●SONY SBH82D(一体)
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小型・軽量かつ「耳を塞がない」構造のため、長時間の装用でも疲れにくい点が特徴です。音楽を聴きながらでも会話を楽しめ、かつ音漏れしない点は特に大きな魅力といえるでしょう。
メガネとも干渉しにくく、より多くの耳の形にフィットしやすい下掛けスタイルになっています。柔らかいネックバンドは、小さく折りたたむことができるため、持ち運びも便利です。
まとめ
たとえ安価だったとしても、コスパが高く高品質なワイヤレスイヤホンは意外と多いことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
価格と自分が求める機能(防水・音質・マイクなど)のバランスを理解した上でワイヤレスイヤホンを探すと、自分にぴったりなものと出会えるはずです。
(文・かいサポ)
Image/Source: Amazon.co.jp、Shutterstock
"GIZMODO"より転載(2021年02月19日公開の記事)
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