有線イヤホンは、ケーブルを介して音声データーを伝えるため、音が圧縮されにくいのが特徴です。近年の進化した技術によって、楽器演奏を間近で聴いているようなライブの空気感まで再現できるハイレゾ対応の製品なども登場しています。
今回は、そんな有線イヤホンの選び方を家電コーディネート会社「インテコ」代表の戸井田さんにお聞きしました。
「インナーイヤー型は、長時間使用しても耳に負担がかかりにくい」「高音質な音楽を楽しみたいならハイレゾ音源対応がおすすめ」など戸井田さんにお聞きした選び方のポイントを参考に、コマースチームがおすすめの有線イヤホンを用途別に厳選して紹介します。
なお、以下の表示価格は変更の可能性もありますので、詳細は販売ページをご確認ください。
■ 監修者
■ 目次
‐シーンに合ったタイプを選ぶ
‐音質で選ぶ
‐ドライバーユニットで選ぶ
‐価格帯で選ぶ‐端子で選ぶ
‐+αの機能で選ぶ
‐3,000円以下 【カナル型】
‐3,000円以下 【インナーイヤー型】
‐3,000円以下 【耳掛け型】
‐5,000円以下 【カナル型】
‐5,000円以下 【インナーイヤー型】
‐10,000円以下 【カナル型】
‐10,000円以下 【インナーイヤー型】
有線イヤホンの選び方
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納得のいく有線イヤホンを選ぶときにはどのようなことがポイントになってくるのでしょうか?まず最初に押さえておきたいのポイントは、「カナル型」「インナーイヤー型」「耳掛け型」という3つのタイプです。
たとえば、通勤や通学の電車内など、静かな場所で使いたい場合は音漏れを防ぐ「カナル型」、周囲の音を完全に遮断せず適度に取り入れたい場合は「インナーイヤー型」。そして、スポーツをしながら使うなど振動や衝撃のある場面で使いたい場合は「耳掛け型」というように利用シーンによって選ぶべきタイプが異なります。
そのタイプを決めてから、音質やその他の機能などを好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
利用シーンに適したタイプを選ぶ
<カナル型>
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「カナル型」は、耳栓のように耳穴に密着するタイプです。しっかり装着することで、イヤホンからの音漏れを防ぐことができます。静かな場所で使用したい方や音に集中したい方には、カナル型がおすすめです。
<インナーイヤー型>
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インナーイヤー型は、耳のふちに引っかけて、耳に軽くフタをするように装着するタイプです。長時間使用しても耳に負担がかかりにくい形状となっています。そのため、カナル型のイヤホンでは耳が痛くなってしまう方にもおすすめです。
<耳掛け型>
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耳掛け型は、フックを使って耳に引っかけるタイプです。オーバーイヤーフィットスタイル、ハンガータイプなどとも呼ばれます。
振動や衝撃に強いため、ジョギングなどのスポーツをしながら使用する方にもおすすめです。
音質で選ぶ
有線イヤホンは、一般的にワイヤレスイヤホンに比べ高音質で音楽を楽しむことができますが、より高音質で音楽を楽しみたいのであれば、“ハイレゾ”対応の有線イヤホンがおすすめです。
ハイレゾ音源には、これまでのCDには入りきらなかった音の情報量がたくさん詰まっています。CDの約6.5倍の音楽データー量を収録しているため、より原音に近い音を楽しめるのが大きなメリットです。
ただし、ハイレゾ音源の再生には、イヤホンとデバイスの両方がハイレゾに対応していなければなりません。そのため、お持ちのデバイスがハイレゾに対応しているか確認しておきましょう。
その上で、好きな音楽のジャンルと音の響きに適したタイプの有線イヤホンを購入することをおすすめします。(例:迫力ある重低音を楽しむには、低音域の再生に優れているものを選ぶなど)
ドライバーユニットで選ぶ
ドライバーユニットとは、イヤホンから音を出すための機構です。型によって音質の特性が決まります。主な種類は、以下の4つとなりますので、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
- ダイナミック型
- BA(バランスド・アーマチュア)型
- ハイブリッド型
- コンデンサー型
<ダイナミック型>
音の信号をダイヤフラム(振動板)に伝えて音を出力するタイプです。重低音の再現度が高く、低音域が聴きやすいという特徴があります。単純な構造のため、製造コストが低く、低価格帯のイヤホンに採用されているケースが多いです。
<BA(バランスド・アーマチュア)型>
小さな鉄板(アーマチュア)に電流を流し、振動させることでダイヤフラムに振動を伝え、音を出力するタイプです。補聴器用ユニットをイヤホン向けに改良しており、高音域、中音域の再生に優れています。複雑な構造ですが、小型化しやすいため、主にカナル型イヤホンに採用されています。
<ハイブリッド型>
ダイナミック型とBA型の2種類のドライバーを搭載しているタイプです。低音域にダイナミック型、中音域、高音域にBA型を採用し、全ての音域を網羅しています。そのため、全ての音域を重視したい方におすすめです。ただし、必ず2基以上ドライバーを用意する必要があるので、低価格帯のイヤホンでは採用されにくい傾向にあります。
<コンデンサー型>
他の型との大きな違いは、静電気を使う点です。磁気でダイアフラムを振動させるのではなく、帯電した板で振動させることによって音を増幅させます。メリットとしては、繊細なサウンドを楽しめるという点が挙げられるでしょう。ただし、電圧を使うため別途アンプが必要な点、価格が高い点には注意が必要です。使い勝手や持ち運びの手間以上に音質を重視したい人におすすめの型といえるでしょう。
価格帯で選ぶ
有線イヤホンを選ぶ重要な基準のひとつが価格帯です。イヤホンの購入を検討する際、「ある程度の予算を決めた中で選びたい」と考える方も多いでしょう。同価格帯であれば、ワイヤレスイヤホンよりも高性能な機種が多いため、価格帯を基準に検討していくのも有効な方法といえます。
とはいえ、音に関しては好みもありますので、必ずしも「高価格のイヤホン=満足度が高い」と言い切ることはできません。シンプルな構造にすることで、優れた音質ながら価格を抑えたイヤホンもあります。徹底的に音質にこだわりたい人はさておき、価格と性能のバランスを重視して選ぶことをおすすめします。
端子で選ぶ
有線イヤホンを購入する際には、イヤホンジャックの形状にあった端子のモデルを選ぶ必要があります。一般的な有線イヤホンの主流は3.5mm端子。同規格のイヤホンジャックは、そのまま挿し込むことが可能です。
ただし、イヤホンジャックを採用しないデバイスに接続する場合は、別途変換アダプターが必要です。そのほか、iPhoneのライトニング端子や、AndroidのType-C端子などを採用したイヤホンもあるため購入前に確認しておきましょう。
+αの機能で選ぶ
<ノイズキャンセリング>
ノイズキャンセリングとは、人が耳障りに感じやすい40~1,500Hzの音を低減させる機能です。そのため、公共交通機関やカフェなど、周囲の音が気になる場所でも快適に音楽を楽しむことができます。なかには、ノイズキャンセル機能のオン・オフを切り替えられるモデルもラインナップしています。
<マイク機能>
有線イヤホンの場合、ケーブルに搭載されたリモコンにマイク機能が付属していることが一般的です。スマートフォンに接続しておけば、通話の際にもわざわざデバイスを取り出す必要がありません。外出時にもバッグに入れたまま、通話を始められます。もちろん、リモコン操作による曲の一時停止も可能です。
<防水機能>
ジョギングやランニングなど、汗をかきやすいスポーツシーンに使用する場合は、防水・防滴仕様のイヤホンがおすすめです。防水性の高いタイプであれば、屋外使用中の突然の雨でも、気にせず使うことができます。
防水性能を表す単位は「IPX」。数値「1」~「8」で規定されており、汗や雨の侵入を防ぐには、最低でもIPX4以上がおすすめです。
これらはあくまで真水の試験に基づく結果です。海水や温泉、入浴剤を入れた浴槽など、真水以外のケースには対応していないため、注意しましょう。
人気メーカー
・SONY
ハイレゾの製品をいち早く開発するなど、オーディオ業界に大きな変革をもたらし続けているメーカー。原音に近いリアルなサウンドと、ハイセンスなデザイン性が大きな特徴です。
・audio-technica
ブリヂストン美術館のスタッフとして働いていた松下秀雄が1962年に設立したメーカーです。1970年代からヘッドホンの開発・販売を開始し、2009年にはヘッドホンシェア日本一を獲得しました。プロ御用達の高価格帯モデルから手頃な価格のモデルまで、幅広いラインナップを取り揃えているのが大きな特徴です。
・BOSE
重厚感のあるサウンドに定評があるメーカーです。もともと飛行機の操縦席で使用されていたノイズキャンセリングを一般に普及させたことでも知られています。
・Beats
2006年にラッパーのドクター・ドレーとインタースコープレコード会長のジミー・アイオヴィーンが設立したメーカー。高音・重低音のメリハリのあるサウンドが大きな特徴です。ワイヤレスやノイズキャンセリングの開発にも注力しています。
・Shure
アメリカに本社を置くプロ用の音響機器メーカーです。業務用マイクやイヤモニ、ミキサーなど、さまざまな機器を長きにわたり販売してきた歴史があります。1万円台のエントリー機種から40万円超えの最上位モデルまで、さまざまなモデルがラインナップされています。
1万円以下の有線イヤホンおすすめ14選
【3000円以下】 カナル型のおすすめ商品
●Panasonic RP-HDE1
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<おすすめポイント>
・リーズナブルなハイレゾ入門
・新形状で耳にぴったり
・5色のラインナップ
新設計の直径11.0mm HDドライバー搭載により、低域から高域までクリアなサウンドを実現。S、M、L各2個のイヤーピースが付属しているため、適切な装着感が得られます。
●JBL ENDURANCE RUN
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<おすすめポイント>
・リーズナブルな価格ながらIPX5付きで高コスパ
・通勤・通学などの日常用におすすめ
JBLが独自に開発した高性能8.7mm径ダイナミックドライバーを搭載したモデルです。コンパクトながらバランスの良い高品位なサウンドを実現しています。1ボタンリモコン搭載で、音楽鑑賞中でも電話の応答が可能です。
●JVC HA-FX1X
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<おすすめポイント>
・衝撃に強いタフラバープロテクター採用
・携帯に便利な専用ハードキャリングケース付属
・重低音を強化
ストリート生まれのタフなスタイルで、パワフルかつクリアでキレがある重低音サウンドを再生する米国逆輸入ヘッドホンです。ブラックカラーのイヤホンと赤いケーブルのコントラストが目を惹きます。
●SONY MDR-EX255AP
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<おすすめポイント>
・リーズナブルながら高音質
・4色のカラー展開
・ハイブリッドイヤーピースSS,S,M,L(各2)付属で耳の穴の小さな人にも最適
SONY独自開発の12mmドライバーユニットを搭載し、バランスに優れたサウンドを実現。スマホでハンズフリー通話や音楽のリモコン操作ができるため、便利。「SmartKey」アプリをDLすると、リモコン操作のカスタマイズができるため、より自分好みの操作が可能になります。
【3,000円以下】 インナーイヤー型のおすすめ商品
●Apple EarPods with Lightning Connector
<おすすめポイント>
・Apple純正イヤホン
・変換器不要
耳の形状にもとづいた快適性の高いデザインは、使いやすさ抜群!音の出力を最大にし、音の劣化を最小に抑えるように設計されています。リモートコントロール内蔵により、音量の調節、音楽やビデオ再生の操作、電話への応答と通話終了などが、コードをつまむようにしてコントロール可能です。
【3,000円以下】 耳掛け型のおすすめ商品
●JVC HA-EB75
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<おすすめポイント>
・防滴仕様(lPX2)搭載でスポーツ時におすすめ
・リーズナブルな価格ながら耐久性抜群
耳に合わせて調整できるスライドイヤーフックのイヤホンです。スポーツなどの激しい動きなどにも対応しています。オープン型のため、周囲の音もしっかり聞こえるため、安全面も高いです。
●SONY MDR-AS210
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<おすすめポイント>
・耳からずれにくくはずれにくいループハンガーモデルを採用
・ランニングなどの運動中におすすめ
エラストマー樹脂製のハンガー部は、耳への負担を軽減してくれます。汗や水しぶきに強い防水防滴仕様が採用されているため、運動中の汗も気にすることなく使用できます。
【5,000円以下】 カナル型のおすすめ商品
●JVC HA-FX77X
Image: Amazon.co.jp
<おすすめポイント>
・重低音&タフボディ
・携帯に便利なXXロゴ入りキャリングポーチ付属
高磁力ネオジウムドライバーユニットとエクストリームトルネードダクトで、クリアで低音に厚みのある音を再生。重低音サウンドに加え、クリアでキレのあるサウンドを実現する新しいXXシリーズ。重低音にこだわりたい方におすすめです。
●Pioneer SE-CH5T
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<おすすめポイント>
・ハイレゾ音源対応
・Airflow Control Portにより中域のクリア差を強化
・4色のカラー展開
躍動感のある低域から伸びのある高域までの広帯域再生を実現したモデルです。ハイレゾ音源の再生に対応する新開発の大口径9.7 mm ドライバーを搭載しています。オーバーイヤーフィットスタイル採用により、装着の安定性が向上。コードのタッチノイズを軽減し、ストレスフリーに音楽を楽しむことができます。
●Sennheiser CX 100
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<おすすめポイント>
・ゼンハイザーの入門編
・コスパモデル・コンパクトで軽量(10g)のため、持ち運びやすい
・力強い低音サウンド
周囲の騒音遮断に適した人間工学に基づいた設計モデル。深みと迫力のある低音が特徴のイヤホンです。4つの異なるサイズのイヤーアダプター (XS、S、M、L) が、効果的にノイズを遮音してくれます。
●SONY MDR-EX450AP
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<おすすめポイント>
・スマホ対応
・明るく澄んだ中高音を再生
・密閉性が高くテレワークにも最適
小型でありながら高感度で低歪な音響特性を実現したモデル。2種類の硬度のシリコンを組み合わせたハイブリッドイヤーピースを採用しています。芯の部分は硬い素材を用いることで音の通路の形状を保持し、先端の潰れによる音質劣化を防止。外側の部分は柔らかい素材を用いることで耳へのフィット感を向上します。密閉度を高め、長時間でも快適に装着することが可能です。
●DENON AH-C720
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<おすすめポイント>
・DENONの音が味わえるスタンダードモデル
・OFCケーブルで断線への耐久性が高い
・耳穴の大きさに合わせて選べる4サイズのシリコンイヤーピース付き
低音イヤホンの定番として異例のロングセラーモデルとなったAH-C710の後継モデル。移動中でも外れにくいエルゴノミック・デザインを採用しています。解像感が高く、中音域は特にエネルギーの押し出し感が鮮やか。ハイレゾ音源を聴くと、その魅力が実感できるでしょう。
【5000円以下】 インナーイヤー型のおすすめ商品
●SONY STH40DJP
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<おすすめポイント>
・開放型のイヤホン
・周囲の音を聞きつつ音楽が聴ける
・メガネとの干渉が少なめ
より多くの人の耳の形にフィットする、新しい下掛けスタイルを採用しています。装着時にも正面から目立ちにくく、耳への負荷を感じづらい形状のため、さりげなく使用したい方におすすめです。環境音を聞きながら音楽や通話を楽しめるデュアルリスニングを実現しています。
【10,000円以下】 カナル型のおすすめ商品
●JVC HA-FW7
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<おすすめポイント>
・ハイレゾ対応
・木を生かしたスタイリッシュなデザイン
・純度の高いサウンドを実現
50μmにまで薄型化した振動板を使用し、ハイレゾの細かな音もしっかりと表現。調和やバランスを重視しながら、アーティストやバンドの個性も的確に表現しています。独自のスパイラルドットイヤピースの技術を応用し、ユニット前面に不要な音を拡散するドットを効果的に配置。より音を楽しみたい方におすすめです。
【10,000円以下】 インナーイヤー型のおすすめ商品
●audio-technica ATH-CM707
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<おすすめポイント>
・しっかりとした低域再生が楽しめる
・削り出しのアルミ合金を採用し軽量化
・仕切りの入ったレザー調ポーチ付属で持ち運びにも便利
大口経ドライバーとレゾナンス構造でインナーにありがちな低音抜けもしっかりカバー。さらに音の厚みを補完し、迫力ある低域再生も可能にします。また、ヘッドホンアンプを接続するユーザーに考慮し、本体0.6m+0.6m延長コードを採用しています。さまざまな利用シーンに合わせてコードを調整可能できるため、利便性も高いです。
まとめ
有線イヤホンを購入する際は、使用目的を明確にイメージすることが大切です。もし、同じ音楽を楽しむとしても「ジョギングをしながら聴きたい」「自宅でハイレゾ音源を聴きたい」という2パターンであれば、最適な端末は異なります。
屋外でスポーツをしながら聴く場合は、IPX5以上の防水機能は必要ですし、自宅で上質な音を楽しみたいのであればハイレゾ対応のカナル型がおすすめです。
有線イヤホンを使って自分が何をしたいのかを考慮した上で、機能や価格などに注目しながら、お気に入りのイヤホンを見つけてみてはいかがでしょうか。
※「かいサポ」チームでは、あなたのお買いものをスマートにサポートするコンテンツを配信。家電にインテリア、コスメ、スキンケア、アウトドア用品にガジェット、フードまで。その道のプロが「ほんとうにいいもの」への最短距離をご紹介します。
(文・かいサポ)
Image/Source: Amazon.co.jp、Shutterstock
"ROOMIE"より転載(2021年06月21日公開の記事)
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