デパートでおもちゃを選ぶ家族。
Getty Images
- カリフォルニア州でおもちゃや育児用品を販売する大手小売企業は、性別を分けないコーナーを設ける必要がある。
- ギャビン・ニューサム知事は2021年10月9日にこの法律に署名した。2024年に施行される。
- カリフォルニア州はこのような動きを義務付けるアメリカで最初の州だが、一部の小売業者はすでに実施している。
カリフォルニア州の新しい法律では、州内でおもちゃや育児用品を販売する大規模小売店に、性別で区別しない売り場を設けることを義務付けている。
AP通信によると、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム(Gavin Newsom)知事は、2021年10月9日に行われた州議会でこの法案に署名し、同州はアメリカで初めてこのようなルールを持つことになった。
この法律は、カリフォルニア州議会のエバン・ロー(Evan Low)下院議員が立案したもので、ターゲット(Target)、ウォルマート(Walmart)、メイシーズ(Macy's)など、州内で500人以上の従業員を抱える企業に適用されるが、小規模な個人商店は対象外となる。
この法律の条文によると、店は女の子用と男の子用のコーナーを別々の売り場を設けることができるが、性別に関係ない売り場では「販売している子ども用の商品やおもちゃを合理的に選択」して提供しなければならない。この規則は2024年1月1日から施行され、違反した店舗には、最初の違反で最高250ドル(約2万8000円)、その後の違反には最高500ドル(約5万6000円)の罰金が科される可能性がある。
ロー議員はAP通信に対し、この法律を立案したきっかけは、あるスタッフの10歳の娘が母親に「女の子には禁止されているのに、男の子には許されているものがある」のはなぜかと質問したことだと語っている。
ロー議員はロサンゼルス・タイムズの取材に対し、「この法律の目的のひとつは、小さな女の子がパトカーや消防車、元素の周期表や恐竜などを見つけられるようにすることだ」と述べている。
「同じように、もしあなたが男の子で、もっとかわいい、キラキラしたもので遊びたいと思っているなら、なぜそれがいけないのだろうか。なぜ、『ああ、これは恥ずかしいことだ』と思って別の場所に行かなければならないのだろうか」
この法案に反対したメリッサ・メレンデス(Melissa Melendez)州上院議員は、議会は 「親が親であることを認める」べきだと述べた。
AP通信によると「この法律の立案者と違い、私には実際に子どもがいて、正確には5人いるが、親にとっては男女別になっているのはとても便利だ」と彼女は語っている。「親が子どものためにどのように買い物をすべきか、州政府が介入して指示する必要があるとは思えない」
カリフォルニア州の非営利団体、カリフォルニア消費者連盟(Consumer Federation of California)は、消費者が商品価格をより直接的に比較できるとして、この法案に賛成の立場を取った。
同連盟は、「従来、女の子向け、男の子向けとして販売されていた類似商品を分けて販売することは、消費者が商品を比較することを困難にし、一方の性別での使用が不適切だという誤った印象を与える」と述べている。
ターゲットのような一部の小売業者の中には、すでに店舗内、特におもちゃ売り場では性別を示すサインの使用をやめているところもある。
「買い物の好みやニーズが変化することを我々は知っている。指摘の通り、おもちゃ、ホーム、エンターテイメントなどの一部の売り場では性別による商品の提案は不要だ」とターゲットは2015年に述べている。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)