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- アマゾン傘下の自動運転スタートアップ、ズークスがテスト動画を公開し、同社の自律走行ソフトウェアが都市の混雑した交通状況下でどのように動作したのかを紹介している。
- このソフトウェアは障害物を識別し、進路を判断することができる。
- ズークスは、2016年から公道でのテストを行っている。
2020年にアマゾン(Amazon)が12億ドルで買収した自動運転スタートアップのズークス(Zoox)が動画を公開し、ドライバーレス技術の進歩により、自動運転車がラスベガスの道路を走れるほどになったことを紹介している。
この動画は、上下に2分割で上には車の外部カメラで撮影した実際の映像、下には自律走行ソフトウェアが交通状況を認識して最適なコースを選択する様子が映し出されている。この自動運転車は、他の車の間をすり抜けて合流しながら3車線の道路でレーンチェンジを行っている。しかもこの動画が撮影されたのは、交通量が多いことで知られるラスベガスのダウンタウンだ。
画面下のアニメーションは、自動運転車が危険物や障害物を検知したり、他の車との安全な車間距離を保ったりする様子を示している。ズークスは、LiDAR(光を用いたリモートセンシング技術)とレーダー探知機のシステムに加え、自動運転車の四隅に取り付けた4つのカメラを使用する。それぞれのカメラで270度の視界を確保し、死角をなくしているという。
ズークスがラスベガスで自律走行ソフトウェアのテストを行ったのは、今回が初めてではない。2020年にもラスベガスで自動運転車を1時間走行させ、ソフトウェアのテストを行った。交通量の多い道路で発生する多くの複雑なシナリオに対応できるのか、歩行者や工事現場などの迂回しなくてはならない混みあったエリアを走行できるのかといったことをテストするためだ。
ズークスは2016年以来、安全性を確保するためのオペレーターを乗せた上で、自動運転車の自律走行ソフトウェアを公道でテストする許可を得ており、ラスベガス、サンフランシスコ、フォスターシティで積極的にテストを行っている。
ズークスのロボタクシー。
Zoox
ズークスは、ドライバーレスの電動ロボタクシーを都市部で稼働させる計画であり、2020年12月に最初の電動ロボタクシーを発表した。しかし、配車サービスの開始時期については、まだ明らかにしていない。
ズークスは、ドライバーレス車の実用化を目指す数多くの企業の1つだ。テスラ(Tesla)は「完全自動運転」ソフトウェアの開発に長年取り組んでおり、アルファベット傘下のウェイモ(Waymo)は、すでに一部の都市で自動運転による配車サービスを開始している。しかし、ウェイモの自動運転サービスやテスラのベータ版ソフトウェアの利用者が撮影した動画によると、プログラムにいくつかの不具合があることが示されている。完全に予測することが不可能な運転中のイベントに対してスムーズに対応するプログラムを開発するために、自動運転開発企業は多くの困難に直面している。
[原文:Watch an Amazon-owned self-driving car seamlessly navigate six lanes of traffic in Las Vegas]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)