植物由来の代替肉を用いたマクドナルドの新たなビーガンメニュー「マックプラントバーガー」。
Bethany Dawson/Insider
- マクドナルドは、一部店舗でビヨンドビーフにビーガン向けチーズとソースを加えた「マックプラントバーガー」を発売した。
- Insiderのスタッフが試食し、「肉らしくておいしいが、もう少し厚みがあるといい」と感想を述べている。
- 多くのビーガンメニューと同様、この新メニューも環境にとってよりよい選択となるだろう。
イギリスのファストフードのビーガンメニューはかなり少なかった。しかし、最近ではその需要の高まりとともに、外出先でも簡単にビーガンメニューを手に入れることができるようになってきた。
ライバルのKFCやバーガーキング(Burger King)がすでにビーガンメニューを提供している中、マクドナルド(McDonald's)もついに「マックプラントバーガー(McPlant burger)を発売した。イギリスの10店舗で2021年9月29日に販売を開始し、10月13日には販売店舗数を250以上に拡大している。
このバーガーは、マクドナルドのチーズ入りクォーターパウンダーのビーガン版で、ビヨンド・ミート(Beyond Meat)と共同開発したパティ1枚、代替チーズ、ケチャップ、マスタード、オニオン、ピクルス、レタス、トマトのスライスが入っている。
実食した感想
正直に言うと、筆者はごく最近ビーガンになったばかりなので、長年ビーガンの人に比べ、これまでビーガンメニューの少なさに苦労したことはなかった。とはいえ、マックプラントバーガーを試してみることにとてもワクワクしていた。
ウーバーイーツ(Uber Eats)とちょっとしたトラブルはあったものの、マックプラントバーガーはInsiderのイギリスオフィスに無事届けられた。もちろん、ビーガン対応のフライドポテトも添えた。
マクドナルドのマックプラントバーガー。
Bethany Dawson/Insider
まず第一に、見た目と香りは他のマクドナルドのバーガーと同じだ。最初の一口は最高だった。ビーガン・バーガー・ソースとチーズのおかげで、パティ自体がかなり薄くても、おいしく食べられる。
トッピングのおかげで少し食べづらいので、こぼさないように注意が必要だ。菜食を始める前に食べていたビッグマックに比べると、期待していたよりも若干小さくて薄いような気がしたが、とてもおいしかった。
ベジタリアンではない同僚も一緒に食べたので、本格的なレビューをすることができた。そして「ビーガンはビーガンバーガーを好む」というショッキングでも何でもない結果が得られた。
マクドナルドのマックプラントバーガー。
Bethany Dawson/Insider
そして誰もが味には大満足だった。Insiderイギリスオフィスのストラテジーフェローであるサダ・ベミヤ(Sawdah Bhaimiya)は、事前に肉ではないと言われなければそれに気づかないだろうと述べた。ただ、もう少しボリュームがあるともっといいということで、我々の意見は一致した。
アメリカでは、2021年11月から8カ所の店舗でマックプラントの販売を開始する。
ビヨンド・ミートのパティの特徴とは
マックプラントにはビヨンド・ミートが使われている。これは豆のタンパク質を由来とする代替肉のパティだ。ビーフと同じ味で、同じ栄養素が含まれるように作られ、環境に与える影響も少ない。
これまでマクドナルドのビーガンやベジタリアン向けのメニューは、ポテトを除けば、チーズか野菜を潰したものをベースにしたものばかりだった。それはそれでいいのだが、少なくとも筆者にとってはそれほどおいしいものではなかった。
新しいマックプラントバーガーの特徴は、おいしいというだけではない。ミシガン大学の研究によると、ビヨンド・ミートのパティの製造工程では、従来のビーフパティに比べて、温室効果ガスの排出量が90%、エネルギー消費量が46%、水の使用料が99%、必要な土地面積が93%削減されるという。
このようなビーガン向けの商品が安く手に入るようになるというのは本当にすごいことだ。例えば、すべてのアメリカ人が牛肉、鶏肉、豚肉をベジタリアンのメニューに置き換えた場合、2億8000万トンの二酸化炭素を削減できると言われている。これはオハイオ州が1年で排出する二酸化炭素量に相当する。
しかも環境にとってだけではなく、体にもいい。
体にいいと感じられるような食事をするためにマクドナルドに行く人はいないだろうが、植物由来の代替肉が従来の赤身肉よりも飽和脂肪酸の総量が少なく、食物繊維の量も多く健康的であることは注目に値する。
[原文:We tried the new McDonald's vegan burger, the McPlant: Here's what we think]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)